交流

2023年01月05日

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

CCC CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

2022年11月20日(日)星が丘テラス

学生が企業や店舗と提携してエシカルについて啓発を実施。
ワークショップなどさまざまな活動を通じて、地域住民が環境や社会について考えるきっかけづくりに挑戦しました。

 本学には学生の主体性やボランティア活動を支援するコミュニティ・コラボレーションセンター(以下CCC)があります。そんなCCCに所属する学生有志「エシカる。」が2022年11月20日(日)に星が丘テラスで開催されたSDGsマルシェに参加。各企業と提携して実施したワークショップや講習会などを通じて、環境保全や社会に配慮するという意味の「エシカル」という考え方の普及に努めました。

 エシカる。は、名古屋市からエシカル消費の啓発や促進を依頼されて活動を始めた団体で、CCCの学生団体「Buzz-4U」を中心に、他のCCC学生団体のメンバーも加入することで結成されました。今回の活動では20名の学生が参加。「サイクる で エシカる。」をイベントテーマとして掲げ、豊島株式会社様、花王株式会社様、敷島製パン株式会社様の3社の協力の下、エシカる。の集大成となる企画となりました。

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

 第一部として、豊島株式会社様の「FOOD TEXTILE」が活用された風呂敷のワークショップを開催。FOOD TEXTILEとは食品会社の廃棄予定の食材から抽出された染料を使用した素材や商品を取り扱うプロジェクトブランドです。今回のワークショップはエシカる。の学生が豊島株式会社様に直接依頼をかけたことで実現しました。ワークショップで使用される風呂敷は、規格外で廃棄予定だった「梅の実」と「ブルーベリー」から抽出した染料で染色されており、繊細で柔らかな色味とほのかな香りを感じられます。風呂敷は元々「ふきん」として作られたもので、破れてもふきんとして使用できるのも魅力の一つです。

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

 ワークショップでは多くの親子連れの方が参加。子どもたちに風呂敷づくりを楽しんでもらう間に、親御さんにはFOOD TEXTILEや風呂敷のバックグラウンドを説明し、親子でエシカル商品について触れてもらう機会を提供していました。風呂敷にブルーベリーが使われていることを小さなお子さんに説明すると「そうなんだ!?すごい!」と大きなリアクションが。小学生のお子さんはSDGsや規格外商品について知っている子も多く、逆に学生たちが感心した様子を見せました。

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

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 第二部では、花王グループカスタマーマーケティング株式会社様がSDGsについての講座を実施。「みんなが幸せになる原材料調達」をテーマに、SDGsや花王グループが取り組んでいる活動について紹介しました。
 洗剤の原料として使われるパーム油はアブラヤシの果実から搾油されますが、パーム油の生産性向上のために大規模なアブラヤシ農園の開発が行われ、それにより森林減少や生物多様性の喪失などの問題が発生しています。それらの問題を解決しながらもパーム油の持続可能な調達を実現するために、「商品がいつ、どこで、誰によって作られたか」を追跡することを表す"トレーサビリティ"の確保や、RSPOという機関に認証されたパーム油への切り替えを目指すなどの計画を立てているとのこと。

 今回の講座はエシカる。の学生が、花王株式会社様がエシカルな活動をされていると知り、「ぜひお話を聞きたい!」と思い、お願いしたことから始まりました。企業のエシカルな活動を社員の方に直接お話しいただける機会は貴重なため、学生たちは一言も聞き逃さないよう、花王株式会社様のお話に真剣な表情で耳を傾けていました。

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

 第三部として、本学の学生も所属する「あいちサスティナ研究所」による紙芝居がおこなわれました。あいちサスティナ研究所は愛知県内に住む学生が継続的にエコ活動に取り組めるように、愛知県が立ち上げたプロジェクトです。パートナー企業・団体から提示された環境にまつわる課題に対して、"研究員"である学生が調査や企業の担当者などとディスカッションを重ね、12月の成果発表会で解決策を提案します。
 今回は敷島製パン株式会社様のブランド「Pasco」から「食料自給率を向上させるための情報発信策を考える」ことを課題として提示され、本学と名古屋市立大学の学生他3人の学生が共同で課題に取り組みました。課題の解決策の一つして提案したのが、今回の紙芝居で、国産小麦の栽培からパンになるまでの流れを、子どもたちにも理解してもらいやすいように説明しました。
 紙芝居の絵は学生の手書きで、ほんわかと優しいタッチで描かれているのが特徴です。脚本や朗読も学生が担当しており、わかりやすく、楽しそうな物語が展開されました。会場に集まった子どもたちは紙芝居に夢中になっており、紙芝居終了後は子どもたちから「おもしろかった」「絵がかわいかった」などの声が挙がりました。子どもたちの反応をもとに作品を改善し、成果発表へ向けての準備を進めるようです。

CCC 星が丘テラス SDGs マルシェ

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 当日のイベントではSDGs活動をされている他の店舗とも提携して、お店の前で声かけを実施しました。今回ご協力いただいたのは、使われなくなったバッグなどを回収し、「リンネ」というブランドで新しく生まれ変わった商品を展開する「マザーハウス」や、障がいのある方が商品を作っている「久遠チョコレート」、地元の野菜や果物を販売している「葵マルシェ」、東南アジアやインドなどのフェアトレードによって輸入した絹雑貨や食品を取り扱う「ほほほ」の4店舗。学生が店舗の前で通りすがる方に声かけをおこない、興味を示してくれた方にそれぞれの活動について紹介しました。人々のエシカルやSDGsについての理解を深めることはもちろん、それぞれの店についての関心を高め、売上向上にも貢献できたようで、学生と店舗の双方に有益な時間となりました。

 エシカる。の学生たちは今回のイベントについて「今の子どもたちが小学校でもSDGsやエシカルについて学んでいることを知り、自分たちもさらに理解を深めないといけないなとモチベーションの向上に繋がりました」と振り返りました。また「しかし子どもたちも知識として知っているだけで、行動に移せている子どもはまだ少ないかなと思います。今回のようなワークショップなどを通して、子どもたちが実生活の中で少しでもエシカルな活動をするようになれば、それが親御さんや友だちにも広がり、その輪がさらに大きくなることで、間接的にでも誰かの助けになればいいなと思います」と今回の発見と今後の期待について語りました。

 今回のイベントで、学生たちは星が丘在住の方々にエシカルについて考えるきっかけを作り、また地域住民のSDGsやエシカルの認知度やワークショップの反応などを知ることができました。当日の経験が学生の視野を広げ、より社会や地球環境に対する意識を高めたに違いありません。今後もCCCでは学生の主体性を尊重し、彼らの社会貢献活動をサポートしていきます。