交流

2023年04月06日

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

2023年2月13日(月)宮根小学校トワイライトスクール

福祉貢献学部の学生が児童に認知症教室を開催。
紙芝居やクイズを通して、子どもたちは認知症について楽しみながら学びました。

 福祉貢献学部 社会福祉専攻では、人々が抱える日常生活の課題に取り組み、社会に貢献できる人材育成を目指しています。学生たちは生活基盤について学ぶ「社会福祉学」と、心の課題と向き合うための学問である「精神保健福祉学」を両軸として、人と社会を広く捉える力を養っているのが特徴です。また、地域の住民や施設とも積極的に関わっており、座学に留まらない実践的な学びによって、現場で活躍できる力を身につけることができます。その活動の一つが、黒川ゼミの学生が名古屋市千種区の地域包括ケア推進会議と協働し千種区のトワイライトスクールで実施する「認知症教室」です。ゼミの3年生が小学校のトワイライトスクールに伺い、児童を相手にアクティビティを通して認知症についての理解や関心を促します。近年は新型コロナウイルス感染症の影響で主体的に実施できていませんでしたが、2023年度は名古屋市千種区内の小学校にて、感染症対策に配慮した上で、認知症教室を開催しました。

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

 学生たちは自己紹介の後、まず「さる」「ねこ」「いぬ」のことばをイラストとともに子どもたちに見せて覚えてもらい、紙芝居終了後にちゃんと覚えているかチェックすることを予告しました。その後、認知症について簡単に解説し、認知症と物忘れの違いや、高齢者だけがなる病気ではないことをクイズで説明。子どもたちは緊張する様子などはなく、学生の話に耳を傾け、積極的にクイズに参加しました。

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

 紙芝居では、桃太郎を題材に「もしも桃太郎のおじいさんが認知症になったら...」というオリジナルストーリーを展開。おじいさんとおばあさんが桃を拾い、桃太郎を育て上げるまでは原作と同じですが、桃太郎が成長してからおじいさんが認知症になってしまいます。直前の行動を忘れてしまったり、他人の食べ物を勝手に食べてしまったりなど、認知症の症状が現れているおじいさんに対して、周りがどのように対応すべきかをクイズ形式で子どもたちに考えてもらいました。そのなかで認知症の方の特徴や認知症の方には優しく丁寧に話すべきだということなどを伝えました。紙芝居を終えた後に最初に覚えてもらった単語について質問すると、子どもたちは元気な声で「さる」「ねこ」「いぬ」と答えてくれました。

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

 学生たちは常にゆっくり、はっきり、明るく話すことを心がけており、認知症という難しいテーマを子どもたちに理解してもらうために、可能な限り簡単な言葉で伝えることを意識したようです。また物語は紙芝居で進行しますが、クイズとして出題されるおじいさんの症状や対応方法が学生たちによる劇で再現されており、子どもたちがイメージしやすくなるような工夫が見られました。その甲斐もあってか、子どもたちは紙芝居やクイズを楽しみながら、認知症について理解を深められたようです。最後に、学生たちが作成した認知症のクイズが書かれた可愛らしい下敷きとゼミの先輩が作成したクイズラリー冊子を子どもたちにプレゼント。「親御さんや友だちと一緒に挑戦してね」と認知症への理解や関心がさらに広がることを願ってプレゼントし、認知症教室を締めくくりました。

 オリジナルの紙芝居やクイズによって、子どもたちに認知症に関心を持つきっかけを作った学生たち。子どもたちが楽しく理解できるように創意工夫を凝らした経験は、福祉の現場でも活かされることでしょう。彼らは今回の認知症教室で得た発見や視点をもって、4年間の総仕上げとなる卒業研究に取り組んでいきます。

■2023年2月11日(土)中日新聞に活動の様子が掲載されました>