交流

2023年08月22日

東海心理学会 第72回大会

2023年6月17日(土)長久手キャンパス8号館812、813教室

本学での東海心理学会の大会開催は19年ぶりとなり、
有意義な研究発表や特別講演がおこなわれました。

 6月17日(土)、長久手キャンパスにて「東海心理学会 第72回大会」が心理学部の主催で開催されました。東海心理学会とは東海地区の心理学研究者を中心とした学術団体で、本学としては、2004年に第53回大会をコミュニケーション学部で開催して以来、19年ぶりの大会開催となりました。当日は、心理学部の教員だけでなく、学部生や大学院生もスタッフとして活躍しました。

 当日のプログラムは研究発表(A、Bグループは午前、C、Dグループは午後)と特別講演で構成。研究発表では1件の発表につき持ち時間を12分とし、発表が終わると質疑応答の時間があり、そのセッションがすべて終了した後にも全体討論の時間が設けられました。本学から発表者として心理学部の平島太郎先生と丹藤克也先生が登壇し、それぞれ「ネットワーキングの動機づけと社会的ネットワーク・サイズの関連に関する探索的検討」と「陰謀論心性と超常現象・疑似科学信奉に共通核はあるか?―双因子モデルを用いた検討―」について発表をおこないました。

 特別企画では本学の久保(川合)南海子先生が「『推し』の科学:プロジェクション・サイエンスとは何か」を演題に講演。最近注目されている「推し」という言葉を取り上げ、推しの定義説明や推しとファンの違い、推し活をおこなうことで、どのような心理変化が見られるかなどを認知科学の観点から解説。そこにプロジェクション(脳の中の出来事と世界とを結びつける心の働き)を絡めて、先生はその例として二次創作を挙げます。二次創作の制作過程を紹介していくまでは一見、何を話しているのか疑問でしたが、この制作過程はじつは研究者の研究活動と同じであると結論付けた瞬間に、すべてがつながったような快感がありました。講演はすべての内容が久保先生のオリジナリティにあふれ、非常に興味深いものでした。

 講演後は、本学名誉教授の後藤秀爾先生との対談を開催。久保先生の講演の感想を述べながら、推し、プロジェクション、自他との境界線をテーマに論じていただきました。久保先生も後藤先生の発言内容を受け、どのように考えているのかを披露。両先生の見方が交錯する楽しい対談となりました。
 東海心理学会は最後に優秀大会発表賞の授賞式をおこない、本学での開催を無事に終了することができました。