交流

2024年03月06日

2023年度 親子食育教室

2023年12月16日(土) 長久手キャンパス 国際交流会館(アイハウス)

管理栄養士志望の学生が食育イベントを企画・運営。
地域の子どもたちに「食」の楽しさや大切さを伝えました。

 管理栄養士を養成する健康栄養学科と、健康分野での地域貢献に取り組む健康相談室が12月16日(土)に「親子食育教室」を共催し、地域の小学校3・4年生と保護者の方々15組30名が「子ども向け調理実習」「保護者向け講演会」「試食会」にご参加くださいました。

 運営の主体を担ったのは、健康栄養学科1~3年生の学生有志、約20名。3年生が中心となって前期から準備をスタートし、調理班とフロア班にわかれて話し合いを重ね、親子で楽しめる食育イベントをめざしました。
 調理班は、子どもたちと調理実習でつくる献立の作成や試作に奮闘。栄養価はもちろん、子どもたちが安全に楽しく調理できる作業工程、彩り豊かな盛り付けなどにも配慮してスペシャルメニューをつくり上げました。フロア班は、子どもたちが食に興味を持つきっかけになるようなクイズを考案。○×クイズと3択クイズを計8問用意し、読みやすさ・見やすさを工夫したパネルを手作りしました。対象者に合わせた健康栄養教育も、管理栄養士にとって大切な役割の一つです。学生たちは子どもの視点を大切にし、日頃の学びを活かして準備に励みました。

 当日、学生たちが受付やテーブルセッティング、調理実習でのデモンストレーションや班ごとの先生役などを担当し、それぞれが子どもたちや保護者の方々と交流を深めながらイベントを進行しました。調理実習で子どもたちがつくったのは「まんまるオムカレー」「とうもろこしとほうれん草の白和え」「クリスマスゼリー」の3品。デモンストレーションで学生が手順やポイントをわかりやすく披露すると、子どもたちは食材を切ったり炒めたり、きれいに盛り付けたり、みんなで協力しながら調理にチャレンジしていました。おいしい料理をつくることの大変さや楽しさを実感するとともに、調理する人や一つひとつの食材への感謝の気持ちが芽生えるきっかけになったことでしょう。

 子どもたちが調理に取り組む間、保護者の方々へは、健康栄養学科准教授・小久保友貴先生が「身体の土台をつくる食事の基本を学びましょう!」をテーマに学童期の食について語りました。ジュニアアスリートの栄養指導に携わる小久保先生は、朝食の重要性や栄養バランスのよい朝食を手軽に用意するコツ、主食・主菜・副菜といった食事の基本スタイル、子どもにとっての補食(おやつ)の大切さなどをわかりやすく解説。保護者の方々からは「子どもの食事づくりに役立つ情報を聞くことができ、さっそく明日から意識して実践していきたいと思います」とご好評をいただきました。

 締めくくりは、子どもたちと保護者の方々、学生たち皆が揃っての試食会です。「チーズやにんじんの型抜きを頑張ったよ」「カレーを混ぜるのが大変だった」「調理実習、楽しかった!」といきいきと話す子どもたち。保護者の皆さんは「おいしいね!」「上手にできたね!」と笑顔で応じ、学生たちの頑張りも労ってくださって、テーブルを囲み和やかなひとときを過ごしました。また、試食会で実施を予定していたフロア班によるクイズは、時間の都合により、壁に掲示して各々に解いていただくという形に変更となりましたが、イベント進行状況を見て臨機応変に行動したり、難しさを感じながらも、よりよい運営方法をその場で学んだりしていました。
 親子食育教室を通し、食育について理解を深めた学生たち。栄養や食に関する専門性を磨くとともに、実践力、チームワークの力などを鍛えました。多くの人の健康や笑顔を支える管理栄養士をめざし、今回の経験を糧に日々の学修・研究や実習に一層力を注いでいくことでしょう。

【参加学生コメント】

●調理班代表:奥岡 希望さん 健康栄養学科3年(左)
●フロア班代表:牛丸 知映さん 健康栄養学科3年(右)

 親子食育教室は、私たち管理栄養士をめざす学生にとって、子どもたちや保護者の方々と直接かかわることのできる貴重な機会です。親子で「食」について楽しみながら学べる時間をお届けしたいという思いで、企画や準備に取り組んできました。
 調理実習では、給食で人気のカレーを取り入れたメニューを考案し、食の大切さ、料理の楽しさを感じてもらえるように当日の声掛けも工夫しました。クイズは、時間が押してしまって急遽、実施方法を変更しましたが、親子で楽しんでくださる様子を見ることができ、ほっとしています。
 参加者の目線に立って、何をどう伝えると理解してもらえるのか。よりよいイベント運営に何が必要か。親子食育教室を通して多くの学びを得ることができました。この経験を今後に活かしていきたいと思います。