交流

2024年05月01日

CCCチャレンジファンド 最終報告会

2024年3月13日(水)星が丘キャンパス5号館1階 アクティブラーニングスタジオ

愛知淑徳大学後援会の助成を受けた学生団体による報告会を開催。
1年間で成し遂げたことや学んだことを報告しました。

 本学のコミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)では、学生の主体性を尊重し、ボランティア団体への紹介や社会貢献活動の支援などを積極的におこなっています。その一環として設けられているのが「チャレンジファンド」で、コンペによって採択された団体に1年間の社会貢献活動に必要な諸経費を助成する制度です。2024年3月13日(水)、助成金を受けた学生団体が1年間の活動内容を発表する最終報告会を開催。今回は愛知淑徳大学後援会会長の加藤様にもお越しいただき、各学部の教員やCCCのスタッフなど、活動を支えてくれた方々に、学生たちは2023年度の活動成果と課題、今後の目標などを伝えました。
 各団体の発表内容についてダイジェストで紹介します。

NAO/NAO工房

 2023年2⽉に発⾜した「NAO」は、名古屋市名東区の⻄⼭商店街と、⼦どもが安心して過ごせる居場所を提供する「暮らせる図書館」と共同し、ワークショップをおこなっています。小学生に家と学校以外の居場所を提供することを目的に、絵の具や松ぼっくりを使った作品作りや紙を使ったスノードーム作りなどを開催し、大学生や子どもたち同士のコミュニティ作りを図っています。子どもと大学生が名前で呼び合い信頼関係を築けたことや、NAOの活動で仲良くなった子どもたちのコミュニティが地域にできたことなどを成果として伝えました。NAOの活動を目的に参加してくれる子どもも増えており、今後も"⼤学⽣"という特別な⽴場を⽣かし、安心できるような存在になることを目指して活動を続けていきます。

らぶ♡やお/「子どもの居場所づくり」

 「らぶ♡やお」は、⼦どもたちが安⼼できる地域の居場所を提供することを目的に、NPO法⼈「楽歩」と協⼒してお弁当配りやレクリエーションなどに取り組んでいます。レクリエーションをおこなうことで家での様子や親御さんの悩みを知るきっかけとなり、親御さんからも「家で遊んであげられないからありがたい」という声をいただいています。また、地域のイベントではクリスマスリース作りや紙コップでのサンタさん作りなどのブースを出展し、子どもたちの目線に立った遊びをおこないました。活動を重ねていくうちに子どもたちからも希望を伝えてくれるようになり、関係性を築いています。学生は「居場所づくりの活動を続ける大切さを学び、これからも数あるニーズに対してどのように寄り添えるのかを考えていきたいです。」と伝えました。

Fsus4/音楽というコミュニケーションで1つになろう

 「Fsus4(サスフォー)」は、⾼齢者施設や障がい者施設への訪問演奏を通じて、施設利用者やスタッフとの交流を図っています。コロナ禍ではDVDや色紙を通しての繋がりでしたが、今年度は対面での活動が増え、歌を一緒に歌ったりリアクションを直接感じながら演奏することができました。また、それぞれの施設に合わせたテーマトークの実施や曲のリクエストを元に演奏することで、同じ空間でしか生み出せない力があることを実感。アンケート結果も好評で、活動を楽しみにしてくれている様子や「また来てほしい」という声がたくさん上がりました。訪問演奏に参加した学⽣は「今まで築いてきた学生と地域住民の関係性の大切さを学んだので、今後も関係性が続いていくような活動ができたらと思います」と、今後の活動に向けた意気込みを伝えました。 教員は「利用者の方に楽しんでもらうための工夫を感じられました」と、活動内容を称賛しました。

エコのつぼみ/守ろう伝えよう!里山保全!

 「エコのつぼみ」は、愛知県美浜町でNPO「モリビトの会」と連携して竹林整備をおこない、地域の方に環境にやさしい行動をとってもらうことを目的に活動しています。今年度は、市が洞児童館でのSDGsイベントや、様々な団体がSDGsの取り組みを伝える「SDGs AICHI EXPO 2023」、「なごやエシカルフェア☆2023」などに出展しました。ワークショップでは、玉ねぎの皮で染めた布を使った竹炭消臭グッズ作りや間伐材ストローを使用した風車作りなどを実施。参加者からは「竹害について知らなかったので知れてよかった」という声をいただきました。また、名古屋市のトワイライトスクールにも訪問し、子どもたちにも竹林整備や放置竹林問題などの環境問題について伝えました。活動を通して、竹林整備を行う人の後継者不足や放置竹林問題の課題を再認識し、竹林整備や里山保全体験の中に楽しさを加えることが必要であることを実感。今後は、新たな竹の活用方法や体験のレパートリーを増やしていけたらと、今後の展望を語りました。

ユニこまPlus+/当たり前から新たな気づきへ

 「ユニこまPlus+」は、障がいがある方に向けた「服のリメイク活動」と、全ての人が共に楽しめるスポーツ「ボッチャ」の周知に取り組んでいます。服のリメイク活動では、洋服のお直し専門店「ママのリフォーム」ご協力のもと、放課後等デイサービスで出会った障がいがある⽣徒のジーパンをリメイク。関係性から引き出せた声を元に、ボタンを磁⽯に変更したり裾にチャックをつけたりして、⼿⾜が不⾃由な⽅でも履きやすいようにしました。ボッチャは、愛知医科大学主催イベントや名古屋市のトワイライトスクールにて、大学生や⼩学⽣、その保護者と⼀緒におこない、誰でも簡単に楽しめることを体感してもらうことができました。活動を通して、障がいがある方は着たい服を選ぶ過程で、無意識に選択肢から外していた衣服がたくさんあることに気づきました。時間はかかっても一人ひとりときちんと向き合うことができるという大学生の強みを生かして、今後も活動していきたいと意気込みを語りました。発表を聞いた先生は「障がい者などの社会的立場の弱い人は自分の意思を発しづらいことが多いですが、それでもその人の意思を引き出せたことがすばらしいと思います」と、障がいがある方に寄り添って話を聞く姿勢を評価しました。

アミーゴ/子ども応援団

 「アミーゴ」は、外国にルーツを持つ⼦どもたちが日本語を楽しく学び、将来の選択肢を増やすきっかけを作ることを目的に活動しています。西尾市と犬山市での本の多読活動や、大学見学と⼦どもたちのドリームマップ作成などをおこなっています。活動以外でも本を読んでくれるようになった子どもがいたり、活動を毎回楽しみにしてくれているという声を聞き、子どもたちの声に応えられるように継続して活動していきたいと伝えました。また、やさしい⽇本語を使っているつもりでも無意識に難しい⽇本語を使ってしまった時があったので、やさしい日本語への理解を深めたいという改善点も報告。今後は、子どもたち一人ひとりのことを知りながら、現状を理解したうえで活動に生かしていきたいと、目標を掲げました。

そとそと/そとへと繋ぐ!豊田市とジビエのディープな世界

 豊田市の魅力発信とジビエの認知度向上に取り組んでいる「そとそと」。豊田市や名古屋市のイベントに出展し、豊田市足助地区のグルメ「燻製おさつチップス」の販売や鹿革のがま口ケース作り体験をおこないました。また、獣害対策として捕獲される猪や⿅の約9割が廃棄されてしまう現状を踏まえ、ジビエを活用したフランクフルトを提供。⼀⼝サイズにすることで猪⾁と⿅⾁を⾷べ⽐べできるように工夫し、ジビエの美味しさや鹿革の良さを参加者に伝えることができました。学生は活動を通して「社会課題に興味を持ってもらう入口のハードルを下げる必要性や、ワークショップ参加者の年代に合わせた言葉遣いの重要性を学んだ」とコメント。今後は、知ってもらうだけでなく足助に足を運んでもらったり、ジビエを私生活に取り入れてもらうなど、行動を促すことを目標に活動していきます。

きらきら☆したら/伝えよう、きらきら輝くしたらの魅力

 「きらきら☆したら」は、愛知県設楽町の魅力発信や、人口減少などの地域の課題が身近なことであると感じてもらうために活動しています。今年度は、設楽町伝統行事である「田峯地区運動会」や「田峰観世音奉納歌舞伎」でのお手伝い、イベントでのブース出展などをおこないました。設楽町の方と関わる中で「きらきら☆したらのOOです」と言うと「したらさんか!今度小学校でイベントがあるんだけど来ないかい? 」と快く受け入れてくださる機会が多くあり、先輩方が深い信頼関係を築いてくださっていたことに気づきました。また、伝統文化の継承が難しくなっている中でも、仕事を休んで県外からお祭りを見に人が集まっているのを見たり、多くの募金が寄せられていたりしているのを目の当たりにし、設楽町という地域を大切にしてくれている人がたくさんいることを知りました。活動を通して学生は「今あるものをどのように生かし、そこにある付加価値をどのようにしたら多くの人に気付いてもらえるかを考えたい」とコメント。今後は、地域の方の声や想いを尊重した活動をしていきたいと、目標を語りました。

チームわんわん/Plusワン~介助犬の輪を明日に繋ごう~

 「チームわんわん」は、介助⽝についての認知を広げ、介助犬使用者の方が生きやすい社会を実現するために活動している団体です。2023年度は、長久手市リニモテラスや学祭、せとクルランド(交通児童遊園)にて、学生で作った介助犬トランプやパズル、ビンゴなどのゲームを通じて介助⽝についての理解を促しました。参加者のアンケート結果からは「介助犬、盲導犬、聴導犬の違いが分かった」や「お仕事をしているところを見れて楽しかった」という声が多く、幅広い世代の方に知ってもらう機会となりました。また、子どもによって介助犬の理解度が異なるため一人ひとりに合わせた声掛けの大切さを感じ、今後に向けた新たな学びを得ることができました。最後に先生から「1つ1つのイベントに力を入れている様子が伝わりました。イベント参加者へのアンケートはデータとして残すことで、新たな課題や方針が見つかるかもしれません」と、アドバイスが送られました。

 全ての学⽣団体が発表を終えると、総評の時間に。愛知淑徳大学後援会会長の加藤様からは「今日の日の為に1年間の活動を振り返り、発表し、また先生方の心温まるアドバイスをいただき、より新しい発見があったと思います。報告の仕方一つでも様々な発表方法があり、着眼点も違い、伝えたい想いが可視化されたりと、大変感心しました。経験と反省、失敗はその後の人生において財産になると私は思います。新年度も新しい目標をもって、充実した学生生活を送ってください。応援しています。」と温かいお言葉をいただき、学生たちへエールを送って2023年度の最終報告会を締めくくりました。