交流

2024年04月05日

福祉貢献学部 黒川ゼミ 認知症教室

2024年2月14日(水)名古屋市立高見小学校

オリジナルの紙芝居やクイズを通して、
小学生たちに認知症について
より詳しく知ってもらいました。

 福祉貢献学部 社会福祉専攻では、社会福祉の専門知識を身に付け、人の幸せを創造できる人材育成を目指しています。座学に留まらない実践的な学びを特徴とし、黒川ゼミの学生は名古屋市千種区の地域包括ケア推進会議と協働し、千種区のトワイライトスクールで「認知症教室」を開催しています。この活動は2017年から継続的に実施しており、新型コロナウイルス感染症の影響で中断した時期はあったものの、2022年度から復活。今年は2月8日(木)名古屋市立千代⽥橋⼩学校、2月14日(水)名古屋市立高見小学校の2校で活動をおこないました。今回は、名古屋市立高見小学校での様子をお届けします。

 2月14日(水)、トワイライトスクールに集まった小学生に向けて、ゼミ生からのあいさつでスタート。認知症について聞いたことがある? と呼びかけると小学生たちは皆、元気よく手を上げてくれました。最初に「認知症」と「もの忘れ」の違いを理解してもらうため、学生は「きのうの夜ご飯に何を食べたのか思い出せないのがもの忘れ」、「きのうの夜ご飯を食べたかどうかもわからなくなるのが認知症」とたとえ話を用いて分かりやすく説明しました。

 その後「認知症クイズ」を出題。ゼミ生たちが出す問題に対して、〇か×かで答えます。「認知症は脳の病気である。〇か×か?」といった問いに、正解した小学生は歓声を上げて喜んでいました。次は「認知症カードゲーム」。桃太郎と認知症のおじいさんを題材とし、グループで相談しながら回答を導き出すもの。小学生たちは4人のグループに分かれ、それぞれガイド役としてゼミ生が付きました。「一人で家に帰れなくなってしまったおじいさん、みんなはどのように声をかける?」という問題に①一緒に帰ろうと呼びかける②なぜ帰り道が分からないのかと怒る、の2つから選択します。また、なぜその答えを選んだのか、その理由を小学生に話してもらい、皆で共有する機会もつくりました。

 カードゲームが終わると次は過去にゼミで作った紙芝居「もしも桃太郎のおじいさんが認知症になったら......」を披露。おじいさんが桃太郎の名前やしば刈りの約束を忘れたり、一人で歩いているところを鬼に助けられたりするシーンが描かれ「認知症の方はすべてのことができなくなるわけではないので、やさしく接してね。もし、どうしたらいいか分からないときは、周りの大人に相談してね」と語りかけました。最後に今日学んだことを家族の皆さんにも伝えてほしいと呼びかけ、認知症教室は終了となりました。
 オリジナルの紙芝居やクイズで小学生たちに認知症を詳しく知るきっかけを作った学生たち。今後も認知症への正しい理解と啓蒙を目指し、活動を続けていきます。

学生コメント

 認知症教室でどんなことをするのか。ゼミ生全員でアイデアを出し合い、時間や難易度を考えながら作り上げていきました。私たちは専門的な知識を学んでいるので、当たり前だと思うことも、小学生の視点に立つとそうではないこともあります。認知症の知識を詳しく学ぶことより、認知症の方と出会ったときにどうするのか? そこに重きをおいて内容を練っていきました。
 出題に対して考える時間も教える対象によって変えました。2月8日(木)に千代田橋小学校でおこなった際は、2分で設定したのですが、今回は1分に。その分、なぜその答えにしたのかを発表する時間にした事も工夫した点です。
 小学生たちは私たちが思う以上に認知症のことを知っていて驚かされました。また自分たちが想定していなかったような答えを発表してもらい、とても刺激になりましたし、気づきにもなりました。

■2024年2月10日(土)中日新聞に活動の様子が掲載されました >