交流

2025年03月26日

創造表現学部 刈馬ゼミ 6期生卒業制作発表会『第六感』

2025年2月1日(土)・2日(日) 名古屋市青少年交流プラザ(ユースクエア)プレイルーム

脚本、演出、出演のすべてをゼミ生が担当。
自分たちが書いた戯曲がイキイキとした演劇作品に仕上がりました。

 創造表現学部 創作表現専攻の刈馬カオスゼミでは舞台の脚本を執筆する創作活動をメインとしたゼミです。卒業公演では、4年生が卒業制作として執筆した短編戯曲の中から4作品が選ばれ、上演に向けて、演出や演者などもすべてゼミ生がおこなっています。
 2025年2月1日(土)〜2日(日)には、名古屋市青少年交流プラザ(ユースクエア)プレイルームにて、4作品のオムニバス公演が開催され、保護者や卒業生、友人など多くの方々が観劇されました。演出を担当するのは作品が選ばれた4名の学生。その他の学生が役者となり、作品を手がけてきました。また同ゼミの2・3年生も役者や演出助手として参加。こうしてみんなで創り上げた作品はテンポのいいセリフまわしや細かな演出などによって、脚本に描かれたテーマを個性豊かに表現していました。

 担当する刈馬カオス先生は「戯曲は、舞台で演じられてこそ作品として仕上がります。戯曲を書く時は孤独な作業ですが、舞台に仕上げるのは集団の作業。他人と関わって完成させていくものですから、卒業公演を通じて、他者との関わり方を学んでもらえたらいいなと思います。また戯曲は〝人の心を描く〟作業です。こんな時はどんな気持ちになるだろうか、どうしたら伝わるだろうかと、考えた経験は社会できっと役に立つと思います」と語ってくださいました。
 ここでは、各作品や脚本・演出を手がけた学生のインタビューをご紹介します。

■HEART POP

作・演出
創造表現学部 創作表現専攻4年
久野稜太郎さん

 公園を彷徨う世の中に絶望した男の前に一羽の鳩が現れます。鳩に話しかけられた男は現実を受け入れられず鳩の言葉を信じることができません。しかし、そんな鳩にも男が共感する過去が...。鳩と触れ合うことで人として生きる意味を見つけていくのでした。

 僕の座組は後輩3人で仲を深めるところから始まりました。一人は演劇初体験で主役、もう一人には奇想天外な役を与えてしまい、かなり負担が大きかったと思います。練習の段階からアクシデントが多く、練習も予定通りいかないまま本番を迎えましたが、本番までに完璧に仕上げてくれました。後輩ながらここまで協力してくれた3人には感謝しかないです。責任者としてチームを率いる大変さを身に染みて感じました。

■別れの手紙

 キャリアウーマンの枯あいは忙しい日々を送っています。ある日、学生時代の親友の菊池せつなに誘われ、彼女の家を訪れるとそこは一脚のパイプ椅子と棺だけが置かれた空虚な部屋でした。なんと、そこでは今まさに菊池せつなの葬儀が開かれようとしていたのです。

作・演出
創造表現学部 創作表現専攻4年
篠崎陽菜さん

 セリフの量が多い脚本でしたので演者が大変じゃないかと心配しましたが、本当によくがんばってくれて、満足した仕上がりになりました。先生や演者の意見も取り入れて改善を重ねるうちに上演時間が長くなってしまい、時間内に収めるために書き直す作業が大変でした。演出を経験して、人を信じて任せることの大切さや時間管理などのマネジメント力が身についたと実感します。

■クネヒト・ループレヒト

 クリスマスイブの夜。幼い2人の姉弟は、働く母を待ちながら、留守中にサンタクロースを捕まえようと計画します。しかし、2人が捕まえたのは全身真っ黒の男・クネヒトでした。怪しむ姉と無邪気な弟。そんな2人に対し、クネヒトは得意のマジックを披露して気をひきますが・・・。

作・演出
創造表現学部 創作表現専攻4年
若林江梨子さん

 会話のテンポやストーリーの仕上げ方、音響・照明にもこだわり、エンターテイメントとしての「面白さ」を意識しました。「練習以上のことはできない」を合言葉に本番に向けて備えましたが、当日は演者が体調不良になるというアクシデントが!こうした時、演出家はチームリーダーとして判断を任されます。作品づくりを通じて、リーダーシップも学べました。

■カイコウ

 本番を目前にした稽古場にて。演出家の阿部の行き詰まったぼやきが1人の女に火をつけ、脚本が大幅に改稿された。非常に良くなった!と喜ぶ阿部と意気投合する脚本家。しかし、大幅な改稿により演者には戸惑いが走る。提出された改訂稿を巡って大いなる混乱が巻き起こります。

作・演出
創造表現学部 創作表現専攻4年
林昴留さん

 演劇を扱う作品を通じて、演劇の世界を知らない人にも舞台裏を知ってほしいと思って創作しました。台本にない動きも多く、文字だけでは表現できない感情もうまく表現できたと感じています。卒業後はものづくりに関わる企業に就職するため、この経験をいかしたいです!