交流

2013年03月02日

全国ボランティアコーディネーター研究集会2013 ど真ん中で待っとるでよ~! ~ちがいを強みに変えるコーディネーション力!~

全国ボランティアコーディネーター研究集会2013 ど真ん中で待っとるでよ~! ~ちがいを強みに変えるコーディネーション力!~
  • 全体の概要
  • オープニング全体会
  • 分科会
  • クロージング全体会

ボランティア活動に関する全国的な研究集会を学内で開催。
さまざまな人が「違い」を活かして互いに学び合い、共に生きるための力を高め合っていました。

ボランティアコーディネーターとは、ボランティアを求める人や組織、コミュニティと、ボランティア活動に参加したいという人とをつなぐ、架け橋となる専門スタッフのことです。福祉・保健、教育、まちづくり、文化・芸術、環境、災害救援、人権擁護、国際交流・協力などのさまざまな分野に広がるボランティア活動の舞台裏で、情報の収集・提供、相談・助言、学習支援、活動の企画などを総合的におこなっています。近年、多くの現場でその役割の必要性が高まっており、東日本大震災の復興支援においても、ボランティアコーディネーターがボランティア志願者に対して必要な情報などを伝え、被災地のニーズや人々の思いに応える活動の実現を支えています。

 一人ひとりが持つ力の多様さ、尊さを知り、その力を最大限に発揮できるよう人と人をつないでいく、ボランティアコーディネーターの力。そして人々が「参加する力」を新しい社会づくりに結びつけることを目的とし、「全国ボランティアコーディネーター研究集会2013 ど真ん中で待っとるでよ~! ~ちがいを強みに変えるコーディネーション力!~」が、3月2日(土)、3日(日)の2日間にわたって星が丘キャンパスで開催されました。
愛知淑徳大学は共催という形でこの研究集会に携わり、コミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)の教職員や有志の学生たちがボランティアスタッフを務め、特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会の方々と共に運営サポートに力を注いでいました。1994年から始まった全国ボランティアコーディネーター研究集会は、毎回、全国各地からさまざまな分野の方が参加しています。19回目を迎えた今回も、企業や公共施設、教育機関、NPO・NGOなどでボランティアの受け入れ・活動支援などに従事しボランティアコーディネーションの実践経験を重ねている方や、ボランティア活動に励む学生など、参加者200名を超える盛大な研究集会となりました。

 2日間、ボランティアコーディネーションに関するさまざまなテーマのもと、ディスカッションやグループワークなどに取り組む分科会は30に及ぶ開催となり、会場となったそれぞれの教室では活発な議論や意見・情報交換がなされていました。活動する分野や地域、担う役割、持っている専門性など、さまざまな違いをこえてボランティアコーディネーションやボランティア活動に対する考えを深め合う姿は、まさに本学の理念「違いを共に生きる」そのもの。この研究集会においても参加者一人ひとりの「違い」が「強み」となって活かされ、互いに学び合い、よりよい社会へと共に一歩を踏み出そうとする希望に満ちていました。そうした分科会に、本学の学生たちも事例報告者や進行役として積極的に参加。自身が取り組んできたボランティア活動についていきいきと語りながら実社会の多様な方々の意見に耳を傾け、地域・社会貢献活動の新たなアイデアを生み出していました。
参加者・運営スタッフあわせて約350名もの人の力によってつくりあげられた「全国ボランティアコーディネーター研究集会2013」。ここで出会った人と人が対話を重ね、よりよい社会をめざすというビジョンを共有しながら、一人ひとりの「違い」を活かし合うための方法を心で学んでいました。その熱気あふれる現場を目の当たりにした学生たちは、学部・学科やCCCなどを通じて地域、社会、世界でのアクティブラーニングにいっそう励み、「違いを共に生きる」ための力をさらに深化させていくことでしょう。

  • 全体の概要
  • オープニング全体会
  • 分科会
  • クロージング全体会

オープニング全体会

ど真ん中で待っとるでよ~ ちがいを強みに変えるコーディネーション力!

 「ボランティアコーディネーション」は、人の「違い(多様な力)」を対等な関係でつなぎ、新たな力を生み出すこと。その観点に立って「全国ボランティアコーディネーター研究集会2013」で広く深く学んでいけるように、今回の研究集会のテーマ「ど真ん中で待っとるでよ~! ~ちがいを強みに変えるコーディネーション力!~」を冠したオープニング全体会が開催されました。
開会式では、本学の学生2名が司会を務め和やかに会を進行。また、CCCセンター長・ブイ チ トルン先生が開会に寄せて「ボランティアコーディネーターに必要な力のひとつとして"ネットワークづくりの力"があります。ぜひこの研究集会で今後共に活動していく仲間をたくさんつくっていただけたらと思います」と参加者の皆さんにエールを送りました。

 そして地域福祉、多文化共生、企業の各分野でご活躍されている方々によるパネルディスカッションがおこなわれ、パネリストとして交流文化学部 教授の榎田勝利先生も参加しました。国際交流・協力などの分野を専門とする榎田先生は、これまでに世界50カ国以上で活動し、2005年には愛・地球博ボランティアセンター理事長を務め、また、書き損じはがきによる募金を考案してユネスコ本部から賞を授与されるなど多彩な経歴をお持ちです。ディスカッションの中で榎田先生は、多文化共生の側面からボランティアコーディネーションに関する意見を述べました。「人は皆、違います。だからこそ、互いに学び合えるのです。そして多様性は創造の源泉であり、新たな文化を生み出すエネルギーに満ちています。そうした力をプラスの方向へ導いていくために、ボランティアコーディネーターの皆さんの"協創力=つながり力"が大きな役割を果たすでしょう」と語り、さまざまな人と人の思いをつなぐことが"社会の新たな風"になると参加者を激励しました。

  • 全体の概要
  • オープニング全体会
  • 分科会
  • クロージング全体会

分科会

学生が参加した分科会2コマをPICK UP!

産・官・学・民 お互いの強みを活かしてWIN-WINになろう!
~コラボで不可能を可能にしよう~

 企業、行政、大学、地域のコミュニティなど、さまざまな立場の人が互いの個性や強みを発揮し合うことにより、活動の幅が広がり、新しい挑戦も可能になります。そこでこの分科会では、企業のボランティアセンターのスタッフや社会福祉協議会の職員、公共施設の方、大学職員、学生などが即席チームを組み、新たな地域・社会貢献のプログラムを考案するグループワークに取り組みました。その準備学習としてボランティア活動の事例報告がおこなわれ、発表者の一人として文化創造学部の4年生が、NPO支援のためのファンドレイジングイベントの企画・運営や東日本大震災の被災地支援活動などに取り組んだ経験を語りました。そしてグループワークにおいても自発的に意見を出す学生たちに対し、企業の方が「柔軟な思考力や斬新なアイデア、専門知識を持つ学生の皆さんと連携し、ボランティア活動を推進していきたい」と高く評価してくださいました。

若者と地域が協働するコツ
~地域にとっても☆学生にとっても☆有意義な継続活動をするには~

 現在、学生とNPO・NGO、行政、企業などの地域の方々とのボランティア活動が増えている。そこで「有意義な活動のあり方」を地域の方々と学生たちが共に考えていくために、この分科会ではまず双方の事例報告を実施。CCC学生スタッフは、日進市男女パートナーシップ事業「パパ応援講座」、企業の子ども向けエコイベントでの経験について発表しました。企画や運営、支援、感じたことや得られた力などについて語るとともに、継続していくことができたポイントについても力説。「CCCスタッフの方が私たち学生の考えを引き出す支援をしてくださり、4年間、主体的に活動を続けることができました」「私自身、何事にも挑戦することの大切さをボランティア活動で学んだため、CCC学生スタッフとして後輩の一歩を後押しする"見守る支援"に心がけました」といった頼もしい体験談を披露。さらにグループワークでは「協働のコツ」のアイデアを出し合い、議論を深めていました。

  • 全体の概要
  • オープニング全体会
  • 分科会
  • クロージング全体会

クロージング全体会

ど真ん中で考えた!「ちがいを強みに変える」コーディネーションのいろは

 2日間にわたる研究集会で感じたこと、気づいたことを参加者全員で共有し、今後のボランティアコーディネーションに役立つ「知恵」や、活動の原動力となる「元気」として持ち帰ることができるように、クロージング全体会が開催されました。おこなわれたのは、「ボランティアコーディネーション『いろはがるた』づくり」。まず3名ずつのチームに分かれて2日間の気づきを模造紙に書き出し、最終的にスローガンを作成するというグループワークでした。「老若男女、互いを知るのは対話から」「街づくり、巻き込む、まかせる、まずはやる」「聴きあい、気づきあう、ボランティアコーディネーション」「虹のようにいろんな色が重なって、未来につなげる人の架け橋」など素晴らしい作品の数々が誕生し、会場は晴れやかな笑顔に包まれました。そんな研究集会の振り返りをサポートしていたのが、本学の障がい学生支援活動団体「あすてく」の学生たち。チームごとに読み上げられていったスローガンを、パソコンを使ってリアルタイムでスクリーンに映し出していました。

 続く閉会式でCCCセンター長・ブイ チ トルン先生が「この研究集会は19回目を迎えましたが、いつも新鮮な学びにあふれています。今回もとても大きなパワーをもらいました。今後、CCCの新たな活動にもつなげていきたいと思います」参加者の皆さんも全国各地それぞれのフィールドで研究集会での学びや出会いを活かし、一人ひとりの尊い「違い」を社会全体の「強み」に変えていくことでしょう。