追究

2017年10月16日

福祉貢献学部 公開講演会「子どもの日常から出発するプロジェクト型保育」

福祉貢献学部 公開講演会「子どもの日常から出発するプロジェクト型保育」

2017年7月14日(金) 長久手キャンパス 512教室

スウェーデンから講師をお招きし、講演会を実施。
子どもの成長を後押しするプロジェクト型保育に迫りました。

 2017年7月14日、長久手キャンパスで福祉貢献学部主催の公開講演会「子どもの日常から出発するプロジェクト型保育」が開催されました。プロジェクト型保育とは、子どもたちが共通の目標や課題に向かって主体的に取り組む活動のこと。スウェーデンと日本の実践例を報告しあい、会場に訪れた学生や一般の聴講者とともに理解を深めました。
 第一部では、スウェーデンのプロモネット就学前学校に勤務するラーラ・アップル先生とイェニー・リッツマン先生がプレゼンテーションをおこないました。お二人は1歳から5歳まで継続したプロジェクト活動について、1年毎の時系列で紹介。2歳児の頃に子どもたちは劇に夢中になり、その小道具として「橋」が頻出することに着目したお二人は、橋の模型を作る経験を提供しました。また、演じることも好きだったことから、脚本作りやアニメーションづくりなどの機会も提供しました。年々このプロジェクトは大きな変遷を辿り、最終的には5歳になって木材と工具をつかって本物の橋を創り、その橋を舞台にして、子どもたちは自らの手でひとつの演劇を創り上げました。お二人は「子どもたちの好奇心がどこに向かっているのかをしっかりとつかんで、その上で興味を伸ばすためのきっかけを与えることが大切です。決して選択肢を狭めてはいけません。あくまでも子どもたちの心の赴くままに、自由にのびのびと育っていけるようサポートしたいと考えています」と、教育に対する考えを紹介し、プレゼンテーションを終えました。

福祉貢献学部 公開講演会「子どもの日常から出発するプロジェクト型保育」

福祉貢献学部 公開講演会「子どもの日常から出発するプロジェクト型保育」

 第二部は名古屋市西区にあるあかつき保育園の事例を高山司先生と平山祥子先生が紹介しました。お二人は3・4・5歳児が所属する「ぞうチーム」の1年間のプロジェクト活動を多くの写真をプロジェクターに映し出しながら解説。「飛行機でピクニックをしたい!」という子どもたちの発言から、ロケットづくりに発展し、図書館に本を借りに行ったり、科学館でロケットの模型を見たりして、学びながら自分たちの理想のロケットを創り上げたこと、さらに、出来上がったロケットは園主催の作品展に出展し、加えてロケットを使ってごっこ遊びを楽しんだことも報告。このプロジェクトを終えて、わからないことがあれば図書館に行ったり、大人に質問したり、自ら考えて調べようとする姿勢が身についたと、子どもたちの成長も伝えました。

福祉貢献学部 公開講演会「子どもの日常から出発するプロジェクト型保育」

福祉貢献学部 公開講演会「子どもの日常から出発するプロジェクト型保育」

 双方の報告から、子どもたちが自ら活動を発展させられるよう余白を残し、主体性に委ねることの大切さが浮かび上がってきました。この発見は、保育者をめざす学生にとって大きな収穫となり、自らの理想とする保育者像を考える時の指標となったことでしょう。