追究

2018年01月09日

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

(※メディアプロデュース学部は2016年度より、創造表現学部に名称変更)

作品制作や写真展の企画・運営などに取り組み、
社会と向き合う広い視野や対話力、発信力などを培います。

 メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 メディアコミュニケーション専攻(現:創造表現学部 創造表現学科 メディアプロデュース専攻)の坂倉ゼミでは、メディア表現の一手法である「写真」を専門的に学びます。ただ写真を撮影するのではなく、課題・研究テーマの基礎的な調査研究から企画、取材、制作、批評、社会への発信までをおこない、メディアコミュニケーションを探究しています。担当教員である坂倉守先生は、ゼミ活動として「社会を広く見渡し、人々と対話して、自分で見る・聞く・感じる」ことを重視。人間や社会について自分の五感を働かせて調査・考察し、「写真」と「言葉」で発信する力を養ってほしいと学生たちに期待しています。
 2017年度、坂倉ゼミの3年生11名は、前期に個人制作とグループ制作、後期に愛知県常滑市での写真展の企画・運営、写真集の制作などに挑戦。ここでは、1年を通したゼミ活動をレポートします。

3年生・前期【個人制作/グループワーク/学外展】

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

 ゼミがスタートして間もない時期、まず学生たちが取り組んだのが、「自分と向きあうこと」。身のまわりに目を向けて何十枚もの写真を撮りためる中で、自分が写真で伝えたいテーマを明らかにするために、自分の考え・思いを言葉でまとめていきました。そのテーマは「夕暮れの街」「言葉のちから」「市仕草」「My nature」「連鎖」「色鮮やかな思い出」など、一人ひとりの個性が光ります。撮影した写真を使い、個人作品としてフォトブックやパネルを制作し、人や社会と対話するメディアコミュニケーションの表現方法を探りました。
 また、写真でアート作品をつくるグループワークも実施。仲間とアイデアを出し合い、図面に起こして議論を重ね、試し撮りを繰り返して納得のいく作品に仕上げました。

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

 前期に制作したそれぞれの作品を発表する場として、9月16日(土)から18日(月)、前期課題展「begin2017」を常滑市のギャラリーで開催しました。地域の方々が訪れ、「学生ならではの新しい視点がおもしろい」と興味津々。学生たちは制作意図を説明しながら訪れた方々とコミュニケーションし、新たな作品制作につながる気づきを得ていました。
 さらにこの3日間は常滑市に滞在し、ゼミ合宿も開催。市内でフィールドワークをおこない、地域の方々を被写体とした作品制作や後期に実施する写真展の準備をスタートさせました。大切にしたのは、ていねいな取材。語っていただいた人生のさまざまなエピソードを、どうカタチにして発信するか。人々の「ものがたり」を写真と言葉で伝える表現方法を、仲間と一緒に試行錯誤しました。

3年生・後期【学外のアートイベントでの写真展/写真集制作】

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

 10月7日(土)から15日(日)には、再び常滑市のギャラリーで写真展を開催しました。今回は、「常滑フィールド・トリップ」というアートイベントに参加し、ゼミ合宿中に撮影した地域の方々のポートレート3作品を展示しました。タイトルは「写真とエピソード」。写真と言葉によって、被写体となった人それぞれの「ものがたり」をイメージさせる、あたたかな空気に包まれた写真展になりました。
 写真展の後、学生たちが取り組むのは写真集の制作。常滑で撮影した同じポートレートを、「写真展」と「写真集」という異なるメディア表現で作品に仕上げる試みです。じっくりと読み込める冊子だからこそ、常滑で生きてきた一人ひとりのエピソードを深掘りして伝えたいと、学生たちは取材で聞いたこと、感じたことをまとめ上げていきました。こうした常滑市を拠点とした一連のゼミ活動は、後期におこなわれる学内展で順次発表し、個人制作、4年次の卒業制作に活かしていきます。
 単なる作品制作にとどまらず、自分自身の心、地域のさまざまな人や文化と向き合いながら、写真表現を追究している坂倉ゼミの学生たち。仲間や地域の人とのつながりを深めて自己成長を果たすとともに、社会を見渡す広い視点や柔軟な感性、情報収集・発信力、企画力、実践力などを磨いていきます。

坂倉ゼミ3年生リーダー

メディアコミュニケーション専修 3年 上野 麻美さん

メディアプロデュース学部  坂倉ゼミ2017年度ゼミ活動

 坂倉ゼミの魅力は、写真というメディア表現を使って、自分自身や社会と向き合う力、伝える力を身につけられることです。最初の課題はテーマが自由で、自分が大切にしている価値観を客観的に理解する経験になったと思います。アート作品のグループワークや常滑フィールド・トリップに向けたゼミ活動では、仲間と力を合わせることの難しさ、楽しさを実感しました。さらに、出会った人々と対話を重ね、人生の物語をお聞きしたことは、自分の視野を広げる貴重な時間になりました。このゼミ活動を、今後の学修や作品制作にも活かし、メディアコミュニケーションの学びを深めていきます。