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2018年01月19日

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!"先生"の授業!」

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

2017年11月25(土)長久手キャンパス

教職で活躍する卒業生が「模擬授業」を披露する特別講座が開催されました。

 教員養成の伝統と実績ある愛知淑徳大学。平成27年8月に発足した「教育に志す者の会(教志会)」は「教職を目指す在学生」と「教職に就く卒業生」をつなぐネットワークであり、互いに学び合う場を提供する組織です。1〜3年生の学生スタッフによる学生部会が主体となって、講演会や講座を企画運営しています。
 11月25日(土)には教師力養成講座として「先輩に学ぶⅡ教えて!"先生"の授業!」が開催され、教育現場で活躍する卒業生が現場のノウハウを後輩たちに伝えました。若き教員である5名の先輩たちが、各会場に分かれ模擬授業を披露。後半にはフリートークの時間も設けられ、教育現場の現実や採用試験に臨む心構えなどの質疑応答が行われました。教職を目指す学生にとって、「教員としての実践力」を直接学ぶことのできる貴重な時間となりました。

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

小学校教員:石黒将士先生(文学部教育学科 平成29年3月卒業)

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

 教志会学生部のOBであり、教員1年目の石黒先生は、小学校の授業科目の中でも「道徳」を選び授業を実施しました。教育実習の際、道徳の授業に苦労したという石黒先生。「教職に就き、指導教員から学ぶ中で、道徳の授業の在り方についてヒントを得ました」と話します。そして、学生たちへ「『道徳』ってそもそもどういう時間?」と投げかけ、全員で話し合いながら授業を進めました。石黒先生は「道徳は多角的なものの見方を知るための、視野を広げる時間」だと答えます。「授業では、相手に伝える努力が大事。児童にとって、学業との『中継役』になるのが教員です」と思いを語りました。

高等学校教員(国語):谷奥弥生先生(文学部国文学科 平成28年3月卒業)

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

 平安時代後期の歴史物語である「大鏡」の中から「最後の除目・兼通と兼家の不和」を取り上げ、古典の授業を行った谷奥先生。授業の端々で、学生たちに以前学んだ知識を思い起こさせるよう、文学史の流れを汲みながら解説しました。非常に熱意の伝わる授業となり、学生からは「古典を生徒に楽しく学んでもらうには、どう授業づくりをすれば良いか」という質問がありました。それに対し、谷奥先生は「現代まで残る古典は、そのどこかに面白みがあるから受け継がれているはず。生徒が深く知りたくなるポイントを見つけ、自らが楽しんで生徒に伝えれば、自然と相手を引き込むことができます」とコツを伝授。他にも教材研究の進め方などを紹介し、ひとつひとつの授業を大切にする思いが伝わりました。

中学校教員(英語):高木奈々先生(文学部英文学科 平成29年3月卒業)

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

 高木先生は「文法の定着」を狙いとし、英単語や例文を繰り返し会話する授業を行いました。中学校の授業では、クラス全体が理解できているかを確認しながら進めるという高木先生。「例えば発音練習では、その単語だけ声が小さい生徒がいると『苦手な単語なんだ』ということが分かります」と、生徒一人ひとりに目を向ける大切さを語りました。続けて、「また、あえて平均レベルの生徒を指して答えてもらうことも。『この生徒が分からなければ、他にも分かっていない生徒が多い』という指標になります」と説明。そして、本学での経験を、「教員採用試験に向けて先生にご指導いただく中で、教職への気持ちが明確になった」と思い返しました。在学中に見つけた思いを胸に、教員として健闘されているようです。

中学校教員(社会):秋田昴宥先生(交流文化学部交流文化学科 平成28年3月卒業)

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

 「人口ピラミッドから日本の未来を想像しよう」をテーマにした秋田先生。授業の中にも遊びを取り入れ、考えるプロセスをつくることを目的に定めました。学生たちは、人口を表すグラフを元に国ごとの違いを考えていきます。その後、「2050年までに開発されるもの」や「2050年にある仕事」などをグループごとに議論。想像力を働かせ、自ら考える力につながる授業となりました。また、学生たちのインターンシップでの悩みや、教員の仕事についての質問にも回答。教職に就くにあたり役立ったこととして、「在学中、教職を目指すライバルが沢山いたこと。競い合い、ともに成長することができました」と話しました。秋田先生の言葉は、教職を目指す後輩たちにとっての後押しになりました。

高等学校教員(体育):長谷修司郎先生(健康医療科学部スポーツ・健康医科学科 平成26年3月卒業)

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

「教志会」教師力養成講座「先輩に学ぶⅡ 教えて!先生の授業!」

 長谷先生は、入学当初の1年生を想定し、体育を通した「交流」を目標にした授業を実施。ゲーム感覚で楽しめる4種類のレクリエーションを用意し、学生たちが実践しました。
模擬授業後の座談会では、非常勤講師をしながら公立高校の採用試験に合格した経験を「苦しかった時代を乗り越えたから今がある」と語りました。健康医療科学部の一期生だった長谷先生。在学中は教職サークルで模擬授業を行ったりと、何事も「挑戦」と「創造」の日々だったといいます。体育教員としての思いを、「『運動が嫌い』という子は、『できない』という苦手意識が原因。授業を通じ、『できない』を『できる』に変えることで、運動が楽しくなり、やりがいを感じることができると思います」と力強く語りました。