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2018年03月15日

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

2018年1月14日(日) 名東文化小劇場

美しいハーモニーに乗せ、4年間の集大成を披露。
演奏会の練習を通じて、「協調性」も身につけました。

 小学校などにおける音楽教育を専門とする浅田ゼミは、毎年冬に日頃の成果を披露する演奏会を実施しています。9回目となる今回は、ゼミ生8人が約1年間かけて準備を進めてきました。楽器が得意な人、合唱が得意な人、それぞれの長所を持ち寄ってつくりあげた演奏会を通じて、会場に訪れたご家族や友人、地域の皆さまに音楽の素晴らしさを伝えました。

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

 第一部は新美南吉原作の音楽劇「赤いろうそく」。赤いろうそくを花火だと勘違いしてしまったサルやシカ、カメなどの動物たちが、そのろうそくに火をつけようと奮闘する様子をセリフと合唱でつむぎ、童話の独特な世界観を作り上げました。

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

 第二部は学生たちが自ら選曲したJ-POPの2曲をハンドベルとトーンチャイムで演奏。たった一つの音が欠けても曲が成り立たない繊細な楽器ですが、全員で息を合わせて小学校の現場でもよく用いられる楽曲をお客さまに届けました。

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

 第三部は4年生4人で取り組んだ共同研究に基づく演目が披露されました。モーツアルトをテーマに名前の由来や生い立ちなどを調べ、「きらきら星」や「メヌエット」など名曲のピアノ連弾の合間にプレゼンテーションしました。作者の人となりを伝えることで、発表に深みを持たせていました。ラストの演目は4年生全員による「ピアノリレー連弾」。モーツアルトの曲の数々を二人一組になって切れ目なく弾きついでいきます。奏者は順番に入れ替わっていきますが、リズムを乱すことなく一つの音楽としてスムーズに演奏できるかどうかが見どころ。4人の学生たちは心を通わせながらピアノを奏で、学生生活最後のステージを飾りました。
 音楽に真摯に取り組む姿勢が随所に見られた今回の演奏会。来年度は節目の10回目を迎えます。これからも学生たちが自らの手で伝統を守り、より良い発表の場として育て上げていくことでしょう。

文学部 教育学科 4年 大友 彩実さん

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

 共同研究で取り上げた作曲家、モーツアルトの楽曲は有名なものばかりです。演奏会ではお客様に「この曲知っている!」と楽しみながら耳を傾けてもらいたいと思い、準備を進めてきました。今年度の浅田ゼミ生は人数が少なかったのですが、だからこそ一人ひとりの力を集結しなくてはいけません。そんな中、4人の4年生は全員が各セクションのリーダーを担当することで、責任感を持って準備にあたれるよう工夫しました。そして本番、今までの努力が実り、全員で一つの音楽を作り上げられたと思います。
 卒業後は教員としての一歩を踏み出します。子どもたちと向き合う時、この演奏会でも感じた「音楽は個性を持ち寄ってつくるもの」ということを伝え、その素晴らしさを教えられたら、これ以上嬉しいことはないと、確信しています。

文学部 教育学科 浅田まり子 教授

文学部 教育学科 第9回 浅田ゼミ演奏会

 浅田ゼミの演奏会は、独奏や独唱など一人での発表はしません。仲間と協力しなければ、完成しないものばかり。心を一つにして正しく素敵な音色を奏でるために、仲間と共に努力を重ねる中で、教師としても必要な「協調性」や「努力し続ける力」を身につけてほしいと願っています。今年度は特に人数が少なかったので、大変なこともあったでしょう。しかし、一人ひとりの力を持ち寄ったからこそ、素晴らしい会になったのだと思います。特にモーツアルトは、普段の暮らしの中でもよく耳にします。モーツアルトの楽曲だけでなく、その裏側にある作者の生い立ちや人となりを知っていれば、より深く音楽を楽しむことができます。音楽のスキルを高めるだけでない、その背景まで知ろうとする姿勢を社会に出てからも持ち続けてほしいと願っています。