追究

2018年04月18日

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション 「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

2018年2月27日(火) 名古屋テレビ塔 2階会議室

名古屋・栄地区のこれからを見つめて、
建築を学ぶ学生が久屋大通公園の新たな空間をプレゼンテーションしました。

 リニア中央新幹線が東京・名古屋間に開業する2027年を見据え、名古屋市では都心の魅力向上をめざした再開発が進行中です。商業施設・文化施設が集まる栄地区は、100m道路である久屋大通や南北約2kmにわたる久屋大通公園の再生をまちづくりプロジェクトの柱としています。このエリアに着目したメディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修(現:創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻)は、2017年度後期の授業「空間設計Ⅳ」で久屋大通公園を取り上げ、学生たちが園内の新たな空間づくりに挑みました。
 課題として出されたテーマは「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」です。「空間設計Ⅳ」を履修する3年生は、個人もしくは2人1組のチームでプランニングを進めました。まず取り組んだのは、名古屋市住宅都市局から発表された久屋大通公園の再生方針を理解することでした。現地調査もおこない、人々の利用状況や周辺環境の特徴などを現場で把握しました。その上で「久屋大通公園が多くの人にとって心地よい“居場所”となるには、どのような空間が必要だろうか」と学生たちは考えを深め、チームごとに多様な空間を提案しました。学内の審査によって6チームのプランが優秀作品として選出され、うち4チームが2月27日(火)の学外プレゼンテーションに参加しました。

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

 会場は、久屋大通公園のほぼ中央にある名古屋テレビ塔の会議室で行われ、学生たちは、名古屋市のまちづくりに関わる団体や行政、NPOの方々に向けて、日頃の学修成果を活かしてプレゼンテーションしました。
 若者ならではの斬新な視点や感性が光るそれぞれのプランは、高く評価されました。まちづくり団体や行政、NPOの方々は「どのプランも異なる切り口で、とてもおもしろい! 久屋大通公園や栄地区の新しい魅力につながるアイデアだと感心し、刺激をもらいました。今回のプランをさらにブラッシュアップさせて、栄地区のまちづくりの可能性を広げてほしいと期待しています」と激励のメッセージを学生たちに送りました。
 学生たちは空間設計や都市環境に関する学びを活かし、まちの今・未来と向き合いながら、都心に集う人々の“居場所”を計画しました。学外の方々に提案し、貴重な意見をいただいた経験を今後の学修や研究、作品制作に役立て、これからのまちづくりに対する考えを深めていくことでしょう。

4チームのプラン概要

「向き合う 囲い合う 語り合う」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

 イベント時以外は閑散としている噴水広場に着目し、普段から足を運んでくつろぎたくなる空間づくりをめざしました。広場にある12基の噴水を囲うように、一部がくぼんだ形状の楕円形のベンチやテーブル、屋根を設置。座る場所によるくぼみや曲線の違いにより、パーソナルスペースの異なる人々に対応した使い方を誘発するように設計されています。四季やイベントに応じた柔軟な使い方が可能です。

「ちょっと立ち止まって~都会に生きる全ての人たちへ~」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

 久屋大通公園に交差する歩道では、信号の待ち時間が約1分であることに着目。その時間を有効活用できるように、鏡や椅子、机のあるスペース=「ちょっと立ち止まれる」居場所を考案しました。栄地区に集まる人々の目線に立ったアイデアをちりばめ、アート作品のようなデザインに仕上げています。

「フレーム×鏡」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

 「フォトジェニック」をコンセプトにし、園内を歩いて写真撮影がしたくなる「フレーム」を提案しました。枠を鏡にして、まわりの風景に溶け込むよう工夫しています。名古屋テレビ塔や栄の風景をより魅力的に撮影できる観光スポットにもなります。園内にフレームが点在することで、人が動き、線になる。自然と人が久屋大通公園の1.2kmを散策できるような“仕掛け”です。

「ヒカリ×居場所」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

メディアプロデュース学部 都市環境デザイン専修「空間設計Ⅳ」学外プレゼンテーション「ヒューマンスケールで人の居場所を考える」

 人が多い栄地区で「一人の時間を楽しむスペース」を考案して、簡易組み立て式のスリットドームを一から設計しました。利用者が園内の芝生広場にドームを自由に設置し、読書や軽食、楽器の練習などの思い思いの時間を過ごすという想定で、スリットには、利用者の所有物をディスプレイすることができ、その行為そのものが、心地良い居場所をつくり出すという提案です。