追究
2018年08月28日
創造表現学部「ステージデザイン 劇場実習」
2018年6月23日(土) 大府市勤労文化会館 もちのきホール
舞台技術について、公共のホールを訪れて学修。
照明のプロフェッショナルから、効果や演出方法を学びました。
「言語」「メディア」「建築・インテリア」といった多様な表現領域についての知識や表現方法を学び、社会で役立つ「表現力」「創造力」「コミュニケーション力」を磨く本学の創造表現学部。講義形式の授業ばかりでなく、学内外で創作活動を実施したり、創作現場を見学したりすることで、体験的に創造表現に対する知見を深めています。
そんなアクティブ・ラーニングを取り入れた授業のひとつが、メディアプロディース専攻と創作表現専攻の学生を対象とした「ステージデザイン」です。この授業では演劇やミュージカル、演奏会などのステージ表現における「舞台技術(照明、音響、美術、舞台監督、その他)」を学び、実際に演劇のある一場面について照明、効果音、装置などを考えることでより実践的な表現スキルを身につけていきます。
6月23日(土)、大府市勤労文化会館もちのきホールにて「劇場実習」を実施。本学の藤井 克先生と3名の舞台照明スタッフの方が照明機材の説明や効果、照明による演出方法などについて解説していきました。
まずは藤井先生がさまざまな種類の照明を一つひとつ点灯し、ステージを照らしながら「どんなシーンで使われるか」「観客にどんなイメージを与えるか」などを紹介。その後、学生たちは「ホール内の設備や舞台裏を見学するチーム」「特殊な効果が得られる照明機材について学ぶチーム」「ホール内にある照明設備を見学するチーム」に分かれ、ローテーションしながら照明のプロフェッショナルにご指導いただきました。「ホール内の見学」では、舞台の真下にあたる「奈落」や子ども連れの方を対象につくられた「親子観覧室」を見学。また特殊装置についての解説では、影絵の要領で舞台上に「ビル群」や「雲」を映し出す照明機材をご紹介いただき、パーツを分解して内部を見せていただくなど、専門家による特別な講義を受けることができました。さらにホール内の照明設備の見学では、ホールの天井部に位置する「シーリング」の照明を見たり、ホール内すべての明かりを調整できる「調光室」で照明を点灯させたり、劇場でしか体験できない貴重な学びの機会が得られました。
グループでの活動が終わった後、最後に全員で照明の効果について学修。「春の朝」「夏の昼」「秋の夕暮れ」「冬の夜」などさまざまなシーンを想定し、藤井先生の指示の下、舞台照明スタッフがそのシーンを彷彿させる空間を複数の照明を組み合わせて舞台上につくりあげました。光の差す方向や強さ、色味など多くの要素が複雑にからみあって舞台上の空間が演出されることを五感を使って学んだ学生たち。最後は舞台上部に吊るされた照明器具を劇場職員の指導を受けながら取り外し、片付けをすませてからこの日の特別実習を終えました。
普段は見られない舞台の裏側や専門スタッフの技術、演出のための工夫など舞台表現について多角的に学ぶことができた「劇場実習」。この日得られた経験は作品鑑賞の助けとなり、さらに自身の創作活動における財産となることでしょう。