追究
2018年09月19日
ビジネス学部 ビジネス研究科講演会「成長を加速させる、ブランドのチカラ。」
2018年7月17日(火)星が丘キャンパス 15B教室
インターブランドが手がけてきたブランディングケースから
会社の成長を後押しする「ブランド」について学びました。
ビジネス学部では、ビジネスの現場で活かせる知識やスキルを養うため、普段の講義をはじめ、社会の第一線で活躍する方々からレクチャーを受ける講演会を設けています。今回は「成長を加速させる、ブランドのチカラ。」をテーマに、株式会社インターブランドジャパン エグゼクティブディレクター・薄 阿佐子氏が講演。学生たちは、ブランドの定義や考え方などを、2つのブランディングケースから学びました。
講演会では、薄氏がブランドのイメージについて質問。学生たちは「ブランド品」などと答え、“ブランド=名のある商品”というイメージを持っていました。それに対し薄氏は、「国や町もそれぞれにブランドがあって、皆さんが通っている大学にもブランドはあるんですよ。ブランドとは、そのブランド体験を通じてお客様の頭の中に育まれていくものなんですよ。」と紹介。そして、このブランドの考え方や創り方などを学生に具体的に理解してもらうため、ブランディングケースを使って説明されました。
ブランディングケース①「グローバル自動車ブランド」A社
A社は70~80年前まで、街の小さなメーカーでした。それが現在、大手グローバル自動車企業として成長した背景にはブランドのチカラがあったと話す薄氏。はじめに、この企業は、“生活者(お客様)が求めていること”、“他の自動車メーカーとの違い”、“自社の強み”に関する様々な調査分析を通じて、“そのブランドならでは”の考え方をまとめました。その考え方をお客様の頭の中に創り上げていくために、お客様がそのブランドに接する様々な活動を、そのブランドらしい表現にしていったのです。ブランドに接する様々な活動とは、社員の振る舞い、コミュニケーション・クリエイティブ表現、商品、店舗環境などです。普段目にする広告やポスターなど、クリエイティブ表現の背景すべてに戦略的な意図があることを学生に伝えられました。
ブランディングケース②「国内食品ブランド」B社
ある食品を販売するB社は、コア商品における分野の販売実績において国内シェア約50%を誇ります。まさに、“この商品=B社”というイメージがお客様に付いてしまうほど。ところが、実はそのコア商品以外にも様々な強い商品を展開しているのです。そこで、様々な強い商品を束ねるコーポレートブランドを高める活動をスタートさせたのです。まず行ったことは、そうした様々な強い商品を束ねるコーポレートとしてのブランドの考え方を定めました。そして、そのブランドの考え方をよりわかりやすく実感していただくことを目的として、ブランドシンボルを変更し、新たにブランドステートメントも設定しました。その結果、お客様の頭の中が、“この商品=B社”という認識から、“B社=こういう会社、ブランドなんだ”という認識へ。そして就職ランキングや、イメージランキングの向上につながったのです。
今回の講演会で学生は、クリエイティブ表現をはじめ、様々なモノゴトの背景にブランディングが施されていることを学びました。また、そのブランドの価値を高めることが、会社の成長の鍵となることを、事例をもとに理解しました。これから就職活動を行う際には、各会社のブランドに目を向けて、評価の基準にすることができるでしょう。