追究

2018年09月10日

第4回 教志会 総会・講演会

教員採用試験(一次)対策講座

2018年8月9日(木) 星が丘キャンパス2号館記念会堂、交流ラウンジEAST

教職志望の学生と、教員として働く卒業生が一堂に会し、
学校教育のあり方について考えを深めました。

 1975年の開学当初から教職課程を設置し、これまでに1000人以上の卒業生を学校現場に送り出してきた愛知淑徳大学。教員養成の伝統校として、児童・生徒一人ひとりと向き合う“人間性豊かな教員”を育てることに注力しています。2015年には、在学生と卒業生、本学教職員とをつなぐコミュニティーとして「教育に志す者の会(教志会)」を発足させ、教員をめざす学生と、教員として活躍する卒業生が互いに学び合う研究会・講演会などを定期的に開催しています。 
 8月9日(木)には、4回目を迎える「教志会 総会」が星が丘キャンパスで開かれ、会場となった講堂には大勢の在学生・卒業生が集まりました。最初におこなわれたのが、会則の改正、2018年度の役員や事業計画などの審議。それぞれ挙手多数によって速やかに承認されました。また、初代会長を務められ、教志会の基礎を築くためにご尽力いただいた星有子先生のご功労を顕彰し、感謝状を贈ることも決定しました。

第4回 教志会 総会・講演会

第4回 教志会 総会・講演会

 続いて開催されたのが、名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授・内田良先生をお招きした講演会。内田先生は学校現場の問題を社会学の視点から調査し、学校リスク(学校事故、学校安全)に対して警鐘を鳴らしておられます。確かなエビデンスと現場の声にもとづいた研究活動はテレビや新聞、ネットニュースなどで注目を集め、2017年に上梓された『ブラック部活動―子どもと先生の苦しみに向き合う』も話題を呼びました。今回の演題は「学校の日常を『見える化』する―部活動改革から働き方改革まで―」。内田先生は「教師は、教育者である前に労働者」と前置きしながら、小・中・高の教員を取り巻く長時間労働問題の実情について語られました。
 「“児童・生徒のために”という教育的意義を盾に、教員はこれまで労務管理なき長時間労働をおこなってきました。特に教育課程外におかれている部活動は制度設計が曖昧です。部活動は“自主的”だからこそ制限なく過熱し、楽しくて熱中しているのだとしても、教員にも生徒にも大きな負荷がかかってしまいます。誰も倒れないサスティナブルな学校に変えていくために、社会全体や教員自身の意識改革、教員の働き方改革が急務なのです」と内田先生。人、場所、時間などの資源は制約されているにも関わらず、求められる仕事量が増え続ける学校現場の課題について分かりやすく語られました。約90分の講演は、教育のあり方や学校運営、教員の働き方を多角的に考えるための気づきに満ちていました。

第4回 教志会 総会・講演会

第4回 教志会 総会・講演会

 講演会の後は、会場を交流ラウンジEASTに移し、情報交換会がおこなわれました。在学生・卒業生や本学教員があちらこちらで輪をつくり、和やかに歓談。教育実習や教員採用試験の対策、子どもの個性に応じた指導方法などについて熱心に語り合う姿が見られました。今回の総会の企画・運営は教志会 学生部会の学生たち。仲間の学生や教職員と協力して、スムーズに会を進めました。
 発足から3年が経ち、教師力養成講座や教育研究会などの活動が広がる教志会。学校現場でイキイキと働き、児童・生徒の成長を後押しする「教職への志」が、先輩から後輩へと受け継がれていくことでしょう。