追究

2019年01月16日

交流文化学部主催 公開講演会 「米中間選挙後のアメリカの政治と朝鮮半島情勢」

交流文化学部主催 公開講演会 「米中間選挙後のアメリカの政治と朝鮮半島情勢」

2018年11月29日(木)星が丘キャンパス 15B教室

元NHKスクープ記者が語る独自の見解に、
時間が経つのを忘れるほど。
事実を問いつづける姿勢を学びました。

 11月6日に行なわれたアメリカの中間選挙。中間選挙は大統領の任期のちょうど中間の年に行なわれることもあり、大統領選挙から2年間の実績や大統領を支える与党の評価を問う「国民の審判」とも言われています。結果は、上院では与党・共和党が多数派を維持し、下院では野党・民主党が8年ぶりとなる多数派奪還を果たしました。
 今回の公開講演会では、この中間選挙後のアメリカの政治について、また近年、世界を賑わせている朝鮮半島情勢について、立岩陽一郎氏を招き、講演していただきました。
 立岩氏は元NHK記者で調査報道に従事し、数々のスクープを獲得してきましたが「パナマ文書」取材にかかわった後、NHKを退社。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」の編集長を務めています。

交流文化学部主催 公開講演会 「米中間選挙後のアメリカの政治と朝鮮半島情勢」

交流文化学部主催 公開講演会 「米中間選挙後のアメリカの政治と朝鮮半島情勢」

 当日は多くの学生や一般の方々が訪れ、教室は活気づいていました。そんな中、講演がスタート。最初はアイスブレイクとして、11月24日に開催が決まった「大阪万博」について言及。予算の在り方などに疑問を呈しました。この話題にからめて立岩氏は「大阪万博の開催の是非ではなく、事実を問うことが重要。メディアの恣意的な報道に惑わされないでほしい」と今回の講演会で学生に伝えたい本題を投げかけました。
 その後、講演は中間選挙の話題へ。なぜ中間選挙と呼ばれるのか? この選挙で何が問われたのか? その結果は? など、学生たちに質問をしながら、参加型の講演を進行していきます。また、常にトランプ大統領の背後にある「ロシア疑惑」についても話が及び「トランプ大統領はロシア疑惑にかかわる話題が出てくると、かならずそれを打ち消すような行動や言動を起こす」と調査報道記者らしい見解を披露。その他にもトランプ大統領を妄信する日本や米朝関係報道に見られる事実軽視、北朝鮮の最高指導者・金正恩氏との関係、韓国軍の懸念など、立岩氏独自のネットワークで仕入れた情報を元にしたさまざまな主張が繰り広げられました。
 そして最後に講演冒頭の「事実を問うことが大切」という言葉に立ち返り「ファクトチェック」を紹介。ファクトチェックはメディアなどで報じられた情報の真偽を検証する行為を指し「そのメディアの報道は真実なのか?」を確かめる必要があると言います。そこにはメディアの報道を鵜呑みにするのではなく、事実を知るために自ら動き、独自の見解を得る立岩氏の姿勢が表れているようでした。

交流文化学部主催 公開講演会 「米中間選挙後のアメリカの政治と朝鮮半島情勢」

交流文化学部主催 公開講演会 「米中間選挙後のアメリカの政治と朝鮮半島情勢」

 立岩氏の講演の後は、東アジアの国際関係論を専門とする金光旭先生から米中、米朝、朝韓、それぞれの関係性についての講演も開催。朝鮮半島とウィルソン主義(外交政策)や感覚と北朝鮮の統一政策など、興味深い話題を展開されました。
 立岩氏、金先生の意欲的な講演に、学生は終始興味深い眼差しで聴講。2人の講演者が訴える内容はきっと学生たちの心に響いたことでしょう。