追究

2019年05月22日

メディアプロデュース学会・創造表現学会 主催 講演会「VR×ストーリーゲーム~新たなパブリッシャービジネスの息吹~」

メディアプロデュース学会・創造表現学会 主催 講演会「VR×ストーリーゲーム~新たなパブリッシャービジネスの息吹~」

2018年12月19日(水) 長久手キャンパス511教室

若手起業家をお招きし、VRコンテンツ、ビジネスの可能性について
講演やデモンストレーションを通じて学びました。

 2018年12月19日(水)、本学のメディアプロデュース学会と創造表現学会が共催した講演会「VR×ストーリーゲーム~新たなパブリッシャービジネスの息吹~」が開催されました。講師としてお招きしたのは、MyDearest株式会社の代表取締役CEOの岸上健人氏。ご自身の経験談や、2019年4月リリースのVRミステリーアドベンチャーゲーム「東京クロノス」のプロジェクト紹介を交えながら、VRビジネスの現状を解説していきました。

メディアプロデュース学会・創造表現学会 主催 講演会「VR×ストーリーゲーム~新たなパブリッシャービジネスの息吹~」

メディアプロデュース学会・創造表現学会 主催 講演会「VR×ストーリーゲーム~新たなパブリッシャービジネスの息吹~」

 まず、岸上氏はMyDearest株式会社を起業した経緯と事業の振り返りを通じて、VRを取り巻く環境について解説くださいました。
 VRの市場規模やハードウエアの販売台数などの変遷データを提示しながら、VRが徐々に我々の暮らしの中に浸透していることを伝えました。また、起業からの成長プロセスについても体験を元にお話しくださり、会社を立ち上げた2016年を「種まきの時期」、2017年を「資金調達の時期」、2018年を「芽が出た時期」と称した上で「ハードウエアの進化に伴い、2017年頃から“勝負をしよう”と新しいVRゲーム作品の制作に着手しました。それが“東京クロノス”です。クラウドファンディングで資金を集め、VR界の巨匠に監督やプロデューサーを務めてもらえるまでコツコツと交渉を続けてきました」と、リリース前の新作について紹介。東京やロサンゼルスで実施した展示会で大盛況だったことを伝えながら、VR作品に向けられる期待の高さを紹介しました。

メディアプロデュース学会・創造表現学会 主催 講演会「VR×ストーリーゲーム~新たなパブリッシャービジネスの息吹~」

メディアプロデュース学会・創造表現学会 主催 講演会「VR×ストーリーゲーム~新たなパブリッシャービジネスの息吹~」

 講演では「東京クロノス」をいかに企画したのか、という貴重なお話もありました。まずアメリカではどんな作品が支持を受けているのかを分析した結果、「ビビットなキャラクターデザイン」と「ストーリー性の高い作品」が共存する作品をめざそうと決定。設定したゴールを共にめざせるメンバーをキャスティングしていったと説明しました。
 岸上健人さんから学生への、講演を通してのメッセージは「しっかりとゴールを決めることができれば、無理だと思っていたことも続けられる」ということでした。少年時代に好きだった漫画を、最新テクノロジーと素晴らしいクリエイターの力で作品化したいという夢を今も抱いているというお話は力に満ちており、学生たちもお話を聴きながら盛んにうなづいていました。
 学生からの質疑応答では、「スマートフォンからVRに切り替わるのは、今後、何年の話か?」「アプリはなくなるのだろうか?」「作品を企画する際に、どうやって情報を仕入れるのか?」といった、具体的な質問が寄せられ、これから伸びゆく新しいメディアについて会場全体で考察を深めました。
 さらに、学生2名が「東京クロノス」を体験。舞台となる渋谷の街のリアリティや登場人物が目の前にいるような錯覚に驚きながらも、「世界観に浸れるのでハマってしまいそう」とゲームの面白さを会場全員に伝えました。
 最先端の情報や経営者ならではのお話、VRゲームのデモンストレーションなど、多くの要素で構成された岸上さんの講演会は、学生の向学心を刺激し、新たな学びの視点を手にすることができたことでしょう。本学ではこれからも、時代の最先端で活躍する方々をお招きし、学生たちに気づきを与える機会を提供していきます。