追究

2019年03月11日

メディアプロデュース学会・創造表現学会主催 講演会 「建築とデザインとメディア」

メディアプロデュース学会・創造表現学会主催 講演会 「建築とデザインとメディア」

2019年1月25日(金) 長久手キャンパス 813教室

建築家をお招きし、多様な視点からメディアを考察する講演会を開催。
建築とデザインとメディアの枠を越えて、意見が交わされました。

 メディアプロデュース学会・創造表現学会が主催する講演会が長久手キャンパスで開催されました。ご登壇いただいたのは、建築家の西田司氏。株式会社オンデザインパートナーズの代表として、住宅や施設の設計、まちづくりなどに幅広く携わる他、Webマガジン「BEYOND ARCHITECTURE」を運営し、 科学やアートなど幅広い視点から建築の魅力を発信しています。講演では「ライフスタイルから考える都市とまちのリビング」と題し、人々の働き方・生き方を軸とした建築のあり方と、地域活性について語られました。講演後は創造表現学部の先生方がコメンテーターとして参加。メディア、建築、デザイン、それぞれの専門分野から西田氏に質問を投げかけ、分野を越えた意見交換がおこなわれました。

メディアプロデュース学会・創造表現学会主催 講演会 「建築とデザインとメディア」

メディアプロデュース学会・創造表現学会主催 講演会 「建築とデザインとメディア」

 講演会で西田氏は、まず人口減少や所得減少などの社会背景をもとに、現代の建築のあり方を解説。人口が減り始めている日本では、ただ新しい建物を建てるだけではなく、人々の働き方や生き方などライフスタイルを考えた上で設計することが大切だと語りました。さらに、近年は物や場所などをシェアすることに価値を見出す人が増えていると言及し、まちを育てる感覚や人々の価値観を共有できる「まちのリビング」を提案。自身が設計した建築を紹介しながら、まちにリビングのような居心地の良い空間をつくることで広がる、コミュニティやコミュニケーションのおもしろさを伝えました。

メディアプロデュース学会・創造表現学会主催 講演会 「建築とデザインとメディア」

メディアプロデュース学会・創造表現学会主催 講演会 「建築とデザインとメディア」

 講演会の後半は、創造表現学部の松井広志先生、水谷夏樹先生、宮田雅子先生が、各専門分野の観点から西田氏に質問を投げかけました。「空間がコンテンツに対してどのような役割を担っていると思いますか?」「建築をメディアとして捉えると、どのようなところが強みになると感じますか?」などの問いかけに対して、西田氏は丁寧に答えていきました。また、学生からの質疑応答では「制作する時に、どのようにすれば良い発想を引き出すことができますか?」という質問に対して、「環境を変えることが大切です。また、人と対話することで引き出しを増やすことができます」と回答。これに先生方も共感を示し、コミュニケーションから生まれるアイデアの豊かさを学生たちに伝えました。建築、デザイン、メディアの枠を越えた、創造表現学部ならではの内容となった今回の講演会。学生たちは幅広い視野と発想力を、今後の制作や研究に大いに役立てていくことでしょう。