追究

2019年08月06日

交流文化学部 授業風景 「観光文化2(観光交流論)」

交流文化学部 授業風景 「観光文化2(観光交流論)」

2019年6月6日(木) 星が丘キャンパス 13D教室

地域に人を呼び込むのに必要なのは、地域が持つストーリーを知り、愛すること。そんなメッセージを受け取りました。

 本学の交流文化学部は、英語や中国語、韓国語を極める「ランゲージ専攻」、国際社会貢献などについて学ぶ「国際交流・観光専攻 国際交流コース」、観光マネジメントやまちづくりなどについて学ぶ「国際交流・観光専攻 観光コース」の2つの専攻・3コースに分かれており、学生一人ひとりの興味関心にあわせて知見を広げることができます。専攻を越えて科目選択が可能であり、特に1年次は各専攻の基礎を身につけることができます。「観光文化2(観光交流論)」も観光学を幅広く知ることができる授業のひとつ。現在の日本の観光や地域活性化の課題について、多くの事例を検討しながら学びを深めていきます。6月6日(木)にはゲストスピーカーをお招きし、講演会も実施しました。

交流文化学部 授業風景 「観光文化2(観光交流論)」

交流文化学部 授業風景 「観光文化2(観光交流論)」

 ご登壇いただいたのは、クリス・グレンさん。クリスさんはラジオDJとして活躍するほか、インバウンド観光アドバイザーの活動、城や武将をテーマにした書籍の執筆、歴史を紹介するテレビ番組への出演など、さまざまな活動をされています。その経験から、講演会では東海エリアの魅力や観光誘致に必要なポイントについてレクチャーし、ラジオDJらしくテンポよく学生たちに語りかけ、約60分の講演会を盛り上げました。
 第二次世界大戦前から日本に興味を持っていたおじいさんの影響で、少年時代から日本への憧れと興味を募らせたクリスさんは、17歳の時に初めて日本へ来日。その時、名古屋は大好きな武将たちが活躍した街であることを知り、再来日を強く心に決めたと言います。クリスさんが武将を好むのは「強さと優しさ」を感じるから。「武将は戦の中心人物として戦い抜く強さと、文化を愛する優しさを持ち合わせています。その武将たちの生活と切っても切り離せないのが城です。暮らしがあるところには商売が発生し、人が集まります。つまり、城は文化と街のルーツであると言えるでしょう。ルーツには物語がつきものです。その“物語”が人を惹きつけ、その街に出掛けてみたいという思いを醸成させます。観光にはストーリーが大事なのです」と語られました。

交流文化学部 授業風景 「観光文化2(観光交流論)」

交流文化学部 授業風景 「観光文化2(観光交流論)」

 さらにクリスさんは外国人に人気の日本の観光地ベスト30を提示しながら、「外国人は“本物”と“本格的な体験”」を求めていると考察。東海エリアにも犬山城やリニア・鉄道館、熊野古道など多くの観光資源があることを紹介しました。一方で、東海エリアのネームバリューはまだまだ足りず、もっと情報を発信していく必要があると言及。「観光に関する情報を発信するのは行政だけではなく、私たち一人ひとりがおこなえば、大きな力になること」「情報発信するためには、ストーリーを学び、ストーリーを知ることで地域への誇りを持つことがスタートラインになること」を伝え、講演会を締めくくりました。
 クリスさんの講演会を通じて地域に誇りを抱くと、発信する原動力になるというメッセージを受け取った学生たち。これから観光について学びを深めていく中で、多くの“地域への誇り”を手にしていくことでしょう。