追究

2019年11月19日

交流文化学科 フィールドスタディ観光7(観光まちづくり)

交流文化学科 フィールドスタディ観光7(観光まちづくり)

2019年9月2日(月)~9月5日(木) 宮城県気仙沼市、岩手県陸前高田市、宮城県南三陸町など

交流文化学部の学生たちが宮城県、岩手県でフィールドワーク。観光の先進地で体験的に学びました。

 交流文化学科では、夏休みの期間を利用して学生たちが体験的に学ぶことができるよう、国内有数のテーマパークを訪れホスピタリティを学んだり、沖縄の離島を訪れ観光と地域の関わりを学んだりと、多様なフィールドワークを用意しています。学生たちは自らの足で現地を巡り、人と出会い、話を聞く中で、今求められている観光の在り方について理解を深めています。
 このカリキュラムの一つであり、2・3年生を対象に開講しているのが「フィールドスタディ観光7(観光まちづくり)」です。訪れる場所は、宮城県と岩手県。2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた地で、現在は地域が一丸となって、復興に向けて歩みを進めています。特に、気仙沼市は震災後に、「観光で復興!」を掲げたまちで人を呼びこむための様々な観光の取り組みをしています。まさに、過去の震災を学ぶだけでなく、観光の未来、最先端が学べる地なのです。今回は12名の学生が9月2日(月)~5日(木)の4日間、フィールドワークに参加しました。

交流文化学科 フィールドスタディ観光7(観光まちづくり)

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 滞在2日目には気仙沼プラザホテルの支配人・堺 丈明氏の案内のもと、気仙沼市を散策しました。最初に訪れたのは気仙沼魚市場。かつおやまぐろ、さんまなどが多く水揚げされる良港です。学生たちはここで堺氏から市場の説明を受けながら、漁業の復興の現状について学んでいきました。さらにこの魚市場ではメカジキをブランド化しようという動きがあることも教えていただき、水揚げや出荷のほかにも自らの魚市場の価値を向上するためのPR活動も重要になってきていることを学ぶことができました。

交流文化学科 フィールドスタディ観光7(観光まちづくり)

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 次に訪れたのは南気仙沼水産加工事業協同組合の超低温冷蔵庫。学生たちは水揚げされた魚が冷凍される超低温冷蔵庫の中に入り、マイナス30度、マイナス40度、マイナス50度の世界を体感しました。

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 気仙沼市の漁業について学んだあとは気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館へ。震災のVTRを視聴した後には、津波の被害を受けた気仙沼向洋高等学校の校舎内も散策し、津波の恐ろしさを目の当たりにしました。

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 さらに場所をリアス・アーク美術館へ移し、館長から説明を受けながら震災当時の様子を学んでいきました。この美術館では地震があった2011年3月11日から独自調査をおこない、約2年間かけて被災現場写真203点・被災物155点を集めてきました。展示されている被災物はタイルや炊飯器など実にさまざま。学生たちはそれらの被災物や写真の裏側にある被災者の人生に思いを馳せ、この困難を乗り越えようとする人々のたくましさに感動を覚えたようでした。

交流文化学科 フィールドスタディ観光7(観光まちづくり)

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 この日の最後のプログラムは、魚を入れる容器を専門に製造している「箱屋」での観光プログラム「ちょいのぞき気仙沼」の体験。新鮮な魚が家庭まで届けられる工程を参加型ゲーム仕立てで楽しみました。観光事業者ではない、漁業、水産加工業の事業者も観光に取り組む、それが気仙沼の新しい観光の形です。
 観光の最先端を知るとともに、命の尊さや産業を盛り立てていくことの難しさと面白さに気づくことができた今回のフィールドワーク。学生たちは現地で学んだことを大学の授業に持ち帰り、あらためて観光についての考えを深め、自らの興味を深く追求していくことでしょう。