追究
2025年10月15日
教志会「第11回総会・講演会・情報交換会」

2025年8月9日(土)星が丘キャンパス記念会堂、交流ラウンジEAST
教職を志す学生と教職の現場で活躍する卒業生が集まり、
学校教育のより良いあり方について学びを深めました。
1975年の開学当初から教職課程を設置する本学は、これまでに2,000人を超える卒業生を教育現場に輩出してきました。大学の理念「違いを共に生きる」のもと、本学では児童・生徒一人ひとりに寄り添うことのできる豊かな人間性や専門性、実践力を備えた教員を育てています。そうした教員養成教育を支える組織として、2015年8月に発足したのが「教育に志す者の会(略称:教志会)」です。本学の教職課程履修者と教職に就く卒業生をつなぐコミュニティ・ネットワークとして、重要な役割を果たしています。そして、「教員になれるように」「教員を続けていけるように」を合言葉に互いに学び合い、支え合う場として、研究会や講演会、交流会などを定期的に開催しています。
2025年8月9日(土)には「教志会 第11回総会・講演会・情報交換会」が星が丘キャンパスで開催され、卒業生・在学生・教職員が参加しました。記念会堂で開催された総会では、令和7年度の教志会役員や事業計画などの議案を審議し、すべて賛成の挙手多数により速やかに承認されました。
続いて、元中部大学現代教育学部准教授 小笠原 豊先生による講演会が開催されました。小笠原先生は理科教育を中心として子どもが主体的に取り組む授業の創造を提案されており、ご自身が小・中学校で実践されてきた楽しい学校づくりについてお話しされました。
今回の演題は「『えー、なんで、どうして?』からはじまるわくわく授業~強い問題意識と達成欲求を抱くことを願って~」。小学校の理科の単元を取り上げ、授業づくりの方法や実践のポイントをお話しされました。授業の導入では、子ども心をくすぐる演出を取り入れ、児童があえて失敗体験をすることで問題意識を持ち、達成感を得られるような工夫についてご紹介いただきました。こうした工夫により、児童が主体的に参加できる授業づくりが成り立っているということを参加者は改めて感じたことでしょう。また、話し合いの活動には議論が活発になるように「道具」が必要であることや、児童が自らの考えを表現するためのアイテムなど、教職をめざす学生はもちろん、現職の先生方にとってもすぐに実践できる内容が紹介されました。
小笠原先生は「子どもたちを喜ばせよう、子どもたちを楽しませよう」という想いが授業づくりの本質であると語られ、最後に教員時代に心掛けていたこと、どのような学校をめざしていたか、そしてどんな教員でありたいと考えていたかについてもお話しいただきました。
児童・生徒たちが問題意識を持って授業に参加できる授業づくりについて、考えを深めることができた今回の講演会。小笠原先生は、まるで児童に授業をおこなうかのように、参加者の前でユーモアを交えながら講演してくださいました。参加した学生や卒業生にとって、多くの気づきと学びにあふれた、有意義な時間となったことでしょう。
講演会終了後は、会場を交流ラウンジEASTに移して情報交換会を実施。卒業生や教職員、学生たちが交流を深めました。先輩教師との関係の築き方や教員になって変化した考えなど、話題はさまざま。教育をテーマに語り合いながら、互いに高め合う、教志会ならではの光景が広がっていました。
最後に4名の学生による教育実習報告会がおこなわれ、実習中の一日の流れをはじめ、授業づくりや実践で感じたこと、生徒との関わりで意識したことなどを共有。「実習生の自分が頑張る姿は、子どもたちにも伝わる」と、これから実習を迎える後輩たちへ励ましの言葉を送りました。発表後は、聴講した学生たちが先輩へ直接質問。実習中に他の先生の授業見学をどの程度おこなったのかなど、直接聞ける貴重な機会となりました。
今後も教志会は、学生や卒業生がそれぞれの目標に向かって、より良い教育を実践できるよう、学び合いや交流の機会を提供していきます。