追究

2020年01月17日

第16回東海視能訓練士研究会

第16回東海視能訓練士研究会

2019年12月15日 長久手キャンパス

 東海視能訓練士研究会は2004年愛知淑徳大学視覚科学専攻が中心となり東海地方の視能訓練士の勉強会として毎年12月の日曜日に開催しています。2006年から公益社団法人日本視能訓練士協会の生涯教育事業として認定されていますが、視能訓練士でなくても、テーマに興味のある方はどなたでも参加いただけるオープンな研究会で、テーマは視覚に関わるものを幅広く取り上げています。今年で16回目となりました。

第16回東海視能訓練士研究会

第16回東海視能訓練士研究会

 お天気ではありましたが、風が強く寒い12月15日に188名と言う多くの方に参加いただきました。視能訓練士は、現在では眼科における検査が業務の大半を占めていますが、もともとは斜視などの訓練をおこなう職業として国家資格が制定されました。今年は、視能訓練士の原点回帰という意味を込めて、眼科杉田病院の佐藤彰子先生(眼科医)と梅田千賀子先生(視能訓練士)に「すごい! プリズム、だ〜い 好き」(どこかで聞いた?このセリフ・・・)というテーマで、斜視に対するプリズムを用いた治療のお話をして頂きました。

第16回東海視能訓練士研究会

第16回東海視能訓練士研究会

 佐藤先生は、今年10月に当専攻の教授として御着任頂き、愛知淑徳大学クリニックで週に1度ではありますが弱視・斜視外来(もちろん、一般眼科も)をご担当いただいています。続いて東海、いえ、全国の視能訓練士のかあちゃん的存在である梅田先生(当専攻非常勤講師)が、長年の臨床経験に基づく貴重なご講義をしてくださいました。

第16回東海視能訓練士研究会

第16回東海視能訓練士研究会

 眼科臨床の世界では機器の開発がめざましく、「網膜」や「角膜」の断層撮影があっという間にできる時代になっています。また、iPS細胞で、網膜が作られ、実際に患者さんに移植されています。そんな夢の時代です。
 今回の講演は、そんな時代にあっても、患者さんの悩みを聞き、どうしたら良いかをプリズムを使って一緒にゆっくり考えていく、人にしかできない温かい医療をもう一度考えさせれるものでした。プリズムとは、あのプリズムです。光を曲げる・・・。断層撮影やiPS細胞と対極にあるもの、とも言えるかもしれません。
 「どうして私がプリズムだ〜い好きなのか、わかる?」と梅田先生は、問いかけられました。そして「病院に来た患者さんが笑顔で帰っていく、だから私はプリズム、だ〜いすきなの」と締めくくられました。
 卒業生も多く参加してくれました。そして、プロの視能訓練士さんに混じって視覚科学専攻の学生たちも熱心にメモを取っていました。梅田先生の熱い思いを受け取ってくれたと思います。
 毎回、視覚科学の学生(3年生、4年生の学生たち有志)が準備や後片付け、受付、マイク係などを引き受けてくれます。3,4年生は臨地実習を経験しているので、臨地実習施設の指導者さんとの再会の機会でもあります。普段の学生とは違う表情が見られます。
 来年も、また12月に開催致します。是非、ご興味のある方はご参加ください。