追究

2020年02月18日

創造表現学会主催 年末大講演会「人類滅亡はもう始まっている!カムイサウルスの発見からわかる恐竜が私たちに伝えるメッセージ」

創造表現学会主催 年末大講演会「人類滅亡はもう始まっている!カムイサウルスの発見からわかる恐竜が私たちに伝えるメッセージ」

2019年12月21日(土) 長久手キャンパス ミニシアター

地球で生きる私たちは、未来のために何をするのか。
恐竜研究のお話から、重要な示唆や問いかけを受け取りました。

 創造表現学部の学生と教員によって組織される創造表現学会は、学業の啓発や研究の促進を目的にさまざまな活動をおこなっています。定期的に開催される学術講演会も、そのひとつ。各界を代表する方が講師となって、学生たちの知的好奇心や向学心を刺激するお話を語ってくださいます。2019年を締めくくる年末大講演会では、恐竜研究のフロントランナーである北海道大学総合博物館教授・小林快次先生を講師にお招きしました。

 小林先生は、北海道むかわ町で見つかった恐竜化石・通称「むかわ竜」を調査・研究。新属新種であることを発見し、2019年9月に「カムイサウルス・ジャポニクス」と命名されました。今回の講演会では、注目を集める小林先生のお話が聞けるとあり、学生だけでなく地域の皆さまもご来場くださいました。
 演題は「人類滅亡はもう始まっている!カムイサウルスの発見からわかる恐竜が私たちに伝えるメッセージ」。小林先生は、現在取り組んでいるアラスカでの研究活動のエピソード、恐竜研究による教育、地域観光、地域経済などへの効果について、写真や映像を交えてお話しくださいました。

創造表現学会主催 年末大講演会「人類滅亡はもう始まっている!カムイサウルスの発見からわかる恐竜が私たちに伝えるメッセージ」

 さらに、恐竜研究から見えてきたこととして、地球上の生物の進化や絶滅についても語られました。「約38億年といわれる生命の歴史において5回の大量絶滅があり、最も新しいのは約6600万年前です。小惑星の衝突により大津波や硫酸の雨が起こった後、地球がすすに覆われて気候が変動。75%もの生物が絶滅したと考えられます。そこに恐竜も含まれます」と小林先生。そして、6回目の大量絶滅がすでに始まっていると警鐘を鳴らしました。「現在、約6600万年前よりも速いスピードで多くの生物が絶滅しています。その原因は『人間』。私たちの暮らしがまわりの生物や地球環境にストレスを与えているのです。例えば、二酸化炭素の排出量増加で恐ろしいのは、温暖化よりも『酸性化』。酸性化した海や湖などで多くの生物がすでに死滅しています」と小林先生は指摘。地球の現実を受け止めて、未来の地球や生命のために一人ひとりが「今」行動を起こすことの大切さを力強く伝えました。
 限りある資源を有効活用するためゴミを分別する、電気を無駄づかいしない、フードロスをなくすなど、私たちが意識してできることはたくさんあります。絶滅した生物たちからのメッセージに耳を傾けて、未来を変える一歩を踏み出す――その力を小林先生からいただいた、有意義な講演会になりました。