追究

2020年11月09日

心理学部 学部教員・学生による特別対談「授業についてーからだ・心理臨床・自分育てー」

心理学部 学部教員・学生による特別対談「授業についてーからだ・心理臨床・自分育てー」

2020年9月24日(木) 長久手キャンパス 6号棟 観察演習室2

「教育」をテーマに、後藤先生と学生たちが座談会を開催。
学部の授業を振り返り、大学院の研究活動についても意見を交わしました。

 9月24日(木)、心理学部 後藤秀爾教授と、後藤ゼミの4年生2名、大学院生1名、大学院研究生1名による座談会がおこなわれました。テーマは「授業について―からだ・心理臨床・自分育て―」。臨床心理学を専門とする後藤先生が、大学・大学院でこれまで取り組んできた教育について話し、意見や感想を交わしました。

心理学部 学部教員・学生による特別対談「授業についてーからだ・心理臨床・自分育てー」

心理学部 学部教員・学生による特別対談「授業についてーからだ・心理臨床・自分育てー」

 後藤先生は最初に自身が考える大学教育のねらいについて語りました。まずは学生自身が自分について理解を深め、自分の心の課題を知ることがポイントになると解説。その上で自分がどう育っていけばよいのか、育ち方を知ることが大切だと語りました。そして、教育学者の林竹二や演出家の竹内敏晴などの考え方とともに、自身の授業内容について解説。受講生が抱える心の課題に合わせたテーマを選び、主体的に問題意識を深めていけるようにしていること、からだを軸に自身の心の課題に向き合うボディワークを取り入れていることなどを語りました。また、学生たちに勧めている地域でのボランティア活動についても取り上げました。学外の多様な人と交流しながら経験を積むことで、社会参加への不安が和らぎ、社会に出て自分がやるべきことを見つける下地ができると語る後藤先生。「これらの教育の成果は、当事者に聞いてみたいと思います」と、学生たちに自身の成長について問いかけました。4年生は「ボランティアに参加して、実際にどんな人たちが協力しながら働いているのかを知ることで、社会に対する恐怖が和らぎました。しかし専門的な知識が足りない自分に無力さを感じ、進学してもっと学びたいと考えるようになりました」と回答。後藤先生は「出会った子どもたちのために役に立つことを集中的に考える、その積み重ねですからね。そこから自然と学びが広がっていきます。相手を理解し、相手の目線で考える力を磨いていきましょう」とアドバイスを送りました。

心理学部 学部教員・学生による特別対談「授業についてーからだ・心理臨床・自分育てー」

心理学部 学部教員・学生による特別対談「授業についてーからだ・心理臨床・自分育てー」

 続いて話題は大学院での研究指導へ。後藤先生は、心理臨床では研究と実践のバランスをとることが大切だと語った上で、指導生たちに勧めていることとして論文執筆と研究発表の2つを提示。論文を書くことで自分の考えをまとめ、いろんな学会で発表をすることにより、視野を広げることの重要性を示しました。また、後藤先生がこれまでに関わりのあった心理臨床の研究者などを例に挙げ、その人柄や考え方を紹介。「自分のモデルになり得る先生はたくさんいます。先生たちの思考や理論、人柄に触れ、さまざまな社会資源をフルに活用して自分の知見を広げてください」と語りかけました。後藤先生の話を受けて、4年生は「これから勉強とともに、フットワークを軽く、なんでも飛び込んでみることを心掛けていきます。そしてボランティアが再開したら、目の前の子どもを理解することを軸に学んでいきたいと思います」と大学院進学へ向けて今後の抱負を語りました。
 学生たちは座談会を通して、これまで大学で学んできた教育の意味を知り、大学院での研究や心理臨床の奥深さについても理解を深めることができました。自身の成長を振り返り、卒業後の進路について考える一助となったことでしょう。