追究

2021年01月06日

創造表現学会主催 講演会 「デザインというプロセスを通した科学コミュニケーションの可能性」

創造表現学会主催 講演会 「デザインというプロセスを通した科学コミュニケーションの可能性」

2020年12月5日(土) 長久手キャンパス 824教室

科学技術を伝えるデザインの重要性と可能性について、
事例をもとに解説いただきました。

 12月5日(土)、創造表現学会が主催する講演会が長久手キャンパスで開催されました。講師としてお招きしたのは、北海道大学の大津珠子准教授。科学コミュニケーションとグラフィックデザインを専門とする大津先生は、これまで科学技術にかかわる各種イベントや研究機関の広報物のデザインを数多く手掛けてきました。講演会では先生が手掛けられた制作物を事例に取り上げ、「デザインというプロセスを通した科学コミュニケーションの可能性」という演題で、科学技術を伝える上でのデザインの重要性と可能性について語っていただきました。

創造表現学会主催 講演会 「デザインというプロセスを通した科学コミュニケーションの可能性」

創造表現学会主催 講演会 「デザインというプロセスを通した科学コミュニケーションの可能性」

 前半は科学コミュニケーションについて、国内外の事例や自身が制作したプロモーション映像をもとに解説。科学技術を多くの人にわかりやすく伝える表現の可能性とおもしろさについて語られました。
 後半には自身のグラフィックデザインの考え方について、過去に制作した科学イベントのポスターなどを例に解説。大津先生は「情報の理解を楽にしてくれるデザインが良いデザインだと思います」と語り、デザインにおいて大切にしていることとしてSimplicity、Style、Sensibility、Surprise、Sympathyの5つを挙げました。Simplicityでは、シンプルなイラストや漢字一文字で広がる表現の可能性。Styleでは、文字組みや配色によって変わる文章の読みやすさ。Sensibilityでは、社会情勢にアンテナを張ることが表現力につながること。Surpriseでは、人々が驚くような表現の追求。Sympathyでは、誠意を持って表現することで多くの人の共感を得ることができることなどについてそれぞれ言及。事例に沿って、デザインのコンセプトや表現方法について丁寧に解説されました。

創造表現学会主催 講演会 「デザインというプロセスを通した科学コミュニケーションの可能性」

創造表現学会主催 講演会 「デザインというプロセスを通した科学コミュニケーションの可能性」

 大津先生は講演の最後に、「社会人になるということは、次の時代を担う子どもたちのためにより良い世の中をつくることが大切です。そのようなことを意識して、ぜひ若いうちからたくさんの表現に触れてください」と学生たちに向けてエールを送りました。
 科学技術をわかりやすく伝えるデザインの重要性と可能性について学ぶことができた今回の講演会。創造表現学会では今後もイベントや講演会を通して、学生たちの知的好奇心を広げていきます。