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2021年02月19日

企業分析プロジェクトB(東海地区のグローバルカンパニー) 最終報告会

企業分析プロジェクトB(東海地区のグローバルカンパニー) 最終報告会

2021年1月15日(金) 星が丘キャンパス13B

会計の知識を用いて、企業を財務分析。
その結果を協働先の企業にプレゼンテーションしました。

 本学のビジネス学部では、アカウンティングの授業の集大成として、「企業分析プロジェクト」という授業を用意しています。この授業は東海地区にある企業と協働し、その企業を対象にした財務分析をおこなったうえで、分析結果を企業の方へプレゼンテーションするという会計の知識はもちろん、思考力や考察力など、社会人に必要な多角的な力が身につく授業です。「企業分析プロジェクトB」でコラボレーションしたのは、株式会社丸順様。昭和27年に創業した主に自動車の金型を製造・販売している会社で、製品の開発から金型の生産、製品の量産まで一貫生産ができる体制と高い技術力が強みです。一方、最近の経営状況を取り上げると、2014年前後は過剰投資がたたり、一時、経営が厳しい局面を迎えますが、そこから徐々に経営状況を回復させたという歴史があります。また、海外進出に力を入れた時期もあり、さらに、2017年には東プレ株式会社と資本業務提携を締結するなど、財務に関係するたくさんのトピックスを持つ企業です。この企業の財務を、学生たちはどう読み解くのか。第6回の授業では、企業の方から直接、企業概要や経営戦略のレクチャーを受け、その講演も踏まえたうえで、学生たちは6つの班に分かれて、それぞれが異なる指標を用いて分析をおこないました。

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企業分析プロジェクトB(東海地区のグローバルカンパニー) 最終報告会

企業分析プロジェクトB(東海地区のグローバルカンパニー) 最終報告会

 1月15日(金)の最終報告会では、それぞれの班が分析結果を発表。「企業概要・経営戦略」の指標はもちろん、「収益性」「安全性」「成長性」「キャッシュフロー」「株価指標」といった指標から、企業を評価していきました。「収益性」を評価した班は、「ROA(総資産利益率)」や「ROE(自己資本利益率)」の数値から、2015年以降の構造改革が有効に作用し、収益性は回復していると評価。「成長性」を評価した班は、「売上高成長率は上がっているが、それは、コスト削減によるもの」と分析。「コスト削減はいつか限界が来るため、今後は売上高を上げる必要がある」とまとめました。

企業分析プロジェクトB(東海地区のグローバルカンパニー) 最終報告会

企業分析プロジェクトB(東海地区のグローバルカンパニー) 最終報告会

 6つの班の発表を受けた株式会社丸順の取締役・棚橋哲郎氏(経営管理担当)は、「それぞれの班が、分析結果をもとに的確に会社について評価してくださって、とても学びの多い時間でした。現在、5カ年の中期計画で、“キャッシュフローを健全化しようとしている”など、みなさんの提案通りの経営戦略も多数あります。そして、みなさんの分析結果を見たことで、“あらためて経営はバランスだな”と感じることができました」とコメント。授業を担当した森洵太先生も「財務諸表を読むだけではなく、その数字の意味を考察できることが大事です。みなさんはこの授業を通じて、財務諸表の裏側まで考える力が鍛えられたはず。自信を持って、社会にはばたいてほしいと思います」と学生たちにエールを贈りました。

 今回の授業で企業と協働しながら財務分析をすることで、経営について、客観的かつ論理的に考察することができた学生たち。彼らにとって今回の経験は、ビジネスの現場やこれからの社会を力強く生き抜く一助となることでしょう。これからも、ビジネス学部では社会とつながる実践的な学びの場を多く用意し、学生たちの成長を支えていきます。