追究

2023年02月27日

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

2022年11月16日(水)、30日(水) 星が丘キャンパス1号館15C教室

グローバルで活躍する企業のキーパーソンをお招きし、
ビジネスについての魅力などを語っていただきました。

 本学のビジネス学部 グローバルビジネス専攻は、日本語と英語のバイリンガルでグローバルなビジネスの現場に必要な専門知識を学んでいます。経済学、商学、会計学、経営学をベースにしながら、国際金融や国際政治経済事情、ビジネス英語を中心に学修します。
 3年次には、グローバルに展開している国内外の企業でインターンシップを経験し、実践力も磨いていきます。このインターンシップは「Bilingual Internship」と呼ばれ、事前研修・本番・成果報告会の3つの要素で構成。今年からは事前研修としてグローバルビジネスに関連する企業のキーパーソンをお招きし、グローバルビジネスの魅力などを語っていただくことになりました。ここでは計4企業様の講演内容を2回に分けてご紹介します。

●2022年11月16日(水)
「VUCA時代のグローバル企業
――通信業界の経験における成功と失敗から見えるもの――」
株式会社ブライセン(ゲストスピーカー:取締役副社長 照沼和明様)

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

 株式会社ブライセン(以下、ブライセン)は「Brave Beyond Borders」をビジョンに掲げ、事業領域を国内外に拡大。画像処理や物流・流通などに強みを持つソフトウェア開発会社です。副社長の照沼様からは「VUCA(*1)時代のグローバル企業――通信業界の経験における成功と失敗から見えるもの――」と題し、予測の難しい時代における企業経営について講演していただきました。
 前半は、照沼様の自己紹介から始まり、慶應義塾大学の大学院で電気工学を専攻し、大手通信会社へ就職後、現在のブライセンに入社するまでの経緯をお話ししていただきました。照沼様は転職の際、選択する基準として「先を予想し、ワクワクできるかどうか」を掲げており、転職先として、ワクワクできそうなブライセンを選んだと言います。
 その後、通信ビジネスの変遷を語りながら、Googleによるゲームチェンジはどのようにおこなわれたのか、ガラケー時代にシェアNo.1の機種が、なぜスマートフォンへの移行に失敗したのかなど、現場を経験してきた独自の視点で解き明かしていきます。同時になぜ日本のケータイメーカーや半導体メーカーがスマートフォン時代において世界的に存在感を発揮できなかったかについても言及。日本の企業は既存資産や既存ビジネスが邪魔をして5年後を見通すことができず、その局面で手を打ってきたからだと分析。先を見通す力の大切さを教えていただきました。

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

 そして通信ビジネスの次に来るであろうトレンドについては、デバイスが進化し、VRゴーグルやスマートグラスが一般化することを挙げ、まだ気軽に装着できるとは言えないウェアラブルデバイスについて、ブレイクスルーが必要であると述べられました。
 通信ビジネスについてのお話の後は、グローバル経営について述べ、特にブライセンの大きな強みであるオフショア戦略について語っていただきました。1997年からCSR(人道支援)の一環としてスタートしたベトナムでのオフショアをきっかけに、日本で不足するIT人材をどのように獲得していったのか、新型コロナウィルス感染症やウクライナ情勢、米中関係など、不確定要素の多い世界の動きを注視し、ビジネスを予測していくことが重要であると説きました。
 最後に学生たちに向けて、5年後10年後を予測する力をつけること、失敗してもそこから学ぶこと、会社は自分が成長する場として捉えること、などの人生訓をいただき、今後グローバルで活躍していく学生たちにエールを送られました。

*1 VUCA……Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、先行きが不透明であること

●11月30日(水)
「素材の新たな価値で感動を世界に届ける」
株式会社ハヤカワカンパニー(ゲストスピーカー:代表取締役社長 早川元章様)

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

 11月30日(水)には、1932年創業の金属系技術商社「株式会社ハヤカワカンパニー(以下、ハヤカワカンパニー)」の社長である早川様をお招きし、事業内容やグローバルビジネスにおいて必要な素養などを講演していただきました。
 最初にハヤカワカンパニーと早川様ご自身の略歴についてお話ししていただきました。ハヤカワカンパニーは鉄鋼メーカーと自動車・航空機業界の間に立ち、鋼材や金属部品を提供。IT業界にはレアメタルも供給しています。近年ではアメリカ、ヨーロッパ、アジアのマーケットに進出し、グローバルに事業を展開。そんなハヤカワカンパニーの舵取りをしている早川様は愛知県名古屋市出身で、大手非鉄金属メーカーで勤務した後、ハヤカワカンパニーの営業本部長を経て、2006年から社長業に携わっています。
 その後、金属はどのように作られるのか、製品としてはどんなものがあるのか、そして業界内でハヤカワカンパニーがどのように存在感を発揮しているのかなどを丁寧に解説していただきました。海外進出については、日本国内の市場が頭打ちであることから、企業成長の糧を海外に求めたと言及。ITの発展により、半導体材料などに使用されるレアメタルの市場拡大予測されることも海外進出の理由であるとお話ししていただきました。ハヤカワカンパニーは欧米、アジアに海外拠点を持っていますが、今回は中国、台湾、タイの拠点についてそれぞれ詳しく説明していただき、今後はハヤカワカンパニーだけでなく、グループ会社とのシナジー効果を促進し、地産地消していくことが発展のカギであると述べられました。
 後半はグローバルビジネスに必要な素養として、第一に外国の文化・風習などを理解するための好奇心、探究心が必要であると主張。異文化を尊重しながら日本流のやり方を採用してもらうための交渉力、コミュニケーション能力も必要だと教えていただきました。そのような基盤を築きながら、最も大切なことは「人間力」であると言います。早川様が定義する人間力とはリーダーシップ、人徳、コミュニケーション能力、道徳・倫理、自律性を持った人を指し、それらを磨くためには志しを持ち、共感力を高めることが必要です。そのために日々実践できることは、読書や文化芸術に触れること、スポーツをし、心身ともに健康であることが重要だと説きます。また、人が成長するためには「修羅場」を経験することも必要だと語られました。

ビジネス学部 Bilingual Internship 事前研修 グローバル人材育成 講演会 (株式会社ブライセン、株式会社ハヤカワカンパニー)

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 最後に学生からの質疑応答のために時間を設定。オーストラリアにインターンシップへ行く学生にアドバイスを求められると早川様は「自分を知ってもらうことが大切なので、自己紹介の練習をしてください。自分をさらけ出すことが必要なので、自分がオープンなマインドでいれば、相手も同じようにオープンに接してくれるはずです」と助言し、初対面時の印象と行動が大切であると教えていただきました。

 学生たちは講演会を通じて、予測する力や人間力を磨くことなどを学び、インターンシップがより豊かな経験になるように準備を進めていきます。
 次回は、株式会社高津製作所、KYB株式会社の講演会の様子をお届けします。