追究

2023年03月06日

ビジネス学部 イノベーションプログラムE 最終報告会

ビジネス学部 イノベーションプログラムE 最終報告会

2023年1月20日・27日(金)星が丘キャンパス 43E教室

実践に向けて知識を修得したイノベーションプログラム。
培った分析力とマーケティング能力で、地域社会が抱える課題に取り組みました。

 ビジネス学科 ビジネスイノベーション専修では、商品やサービスの生み出し方やプロモーションを学ぶ「マーケティング」と、企業の戦略立案を学ぶ「ストラテジー」をベースに、基礎理論や企画力、行動力を体系的に身につけられるカリキュラムを採用しています。そして企業や団体との連携によるプログラム「アクティブラーニング」を通じて、新しいビジネスの価値を創造できる人材を育成します。その一環として取り組まれるのが「イノベーション・チャレンジプログラム」。課題テーマごとに4種類のプログラムがあり、2年次の「イノベーションプログラム」では、それぞれのプログラムについての基礎知識を学び、3年次の「チャレンジプログラム」では、実際に企業や外部団体と協働し、課題に対する解決策を提案します。

ビジネス学部 イノベーションプログラムE 最終報告会

ビジネス学部 イノベーションプログラムE 最終報告会

 2023年1月20日・27日(金)、サービスマーケティングやホスピタリティについて学ぶ「イノベーションプログラムE」の最終報告会が2週にわたって実施。グループに分かれて地域課題に挑戦し、それまでの学びを活用した企画提案を行いました。
 全国的に深刻化している空き家問題に取り組んだグループは、空き家問題の現状や背景、これまでに取り組まれた対策事例などを簡潔に紹介。空き家問題対策の一つとして、空き家を貸し出すサービスなどが実施されてきましたが、利用条件が厳しいなどの理由からそれほど効果が表れていないことを報告しました。そこで学生たちは、空き家をリノベーションしてさまざまな施設に改装し、初期費用をかけられない新規事業主に改装した物件を紹介するサービスを提案。空き家を宿泊施設や飲食店、保育所などにリノベーションすることで、経済を活性化させ町の生活水準の向上を図り、過疎化した地域でも暮らしやすくできると考えました。特に空き家をカフェにする提案を推しており、地域の特徴を活かしたカフェによって、町の内外から人を集めようとする狙いがあるようです。この発表を聞いた先生からは「カフェを開業・運営する資金はどうするか」「空き家が多くあるような地域経済が廃れた場所で、どのように商売するか」などの鋭い指摘が。質問を受けて、学生たちは改善の余地があることを実感しながらも、自分たちなりの答えを示しました。

ビジネス学部 イノベーションプログラムE 最終報告会

ビジネス学部 イノベーションプログラムE 最終報告会

 絵本のリサイクルに着目したグループは、実在するリサイクル絵本専門店「こども古本店」を分析して、新たな中古絵本提供サービスを提案しました。まず、こども古本店のサービスの特徴や評価されている理由を説明。オンラインと実店舗による買取・販売や、マルシェの開催など、単なる古本取引に留まらないサービスが人気の秘訣のようです。その後SNSを用いた独自アンケートの結果から、リサイクル絵本の認知度は低いものの、消費者ニーズは高いことを明らかにしました。そこで「他の事業者も空間を提供すれば、中古絵本の認知度向上につながるのではないか」と考え、最初に「イオンモールなどの商業施設の空間を活用」と「赤ちゃん本舗などのキッズ用品を取り扱う路面店の空間を活用」という2つの改善案を提案。しかし自分たちで効果を検証したところ、効果が見込めないと判断しました。そこで第3の改善案として「ショッピングモール内の赤ちゃん本舗のスペースを活用して空間を提供する」を提示。コストを抑えながら店舗のスペースで読み聞かせなどができるようになり、集客効果も期待できると結論付けました。この提案に対してフ先生は「発想は面白かったです。ただ場所を借りるときに、ショッピングモール側にもメリットを提示できるとなお良かったかもしれません」と、学生たちの分析力と想像力を評価しながらも、より良くなるためのアドバイスをしました。

※他のグループの報告テーマ:
・「差別化した道の駅 ー地域特産物の販路拡大」:地域特産物の新たな流通経路についての研究提案
・「プロモーションによる 地域活性化」:地域の知名度向上のプロモーションについての研究提案
・「地域活性化ー町に溶け込むホテル」:分散型ホテルによる地域経済の振興についての研究提案
・「旅館の新しい在り方 ー若者の旅館利用を増やすためには」:伝統的な宿泊施設の価値再生についての研究提案

 全員のプレゼンテーションが終わると、先生は「どのような地域や社会の問題でも、一番重要になるのは捉え方です。チャレンジプログラムでは、さまざまな角度から問題を分析して、魅力的かつ効果的な解決策を見つけてください」と、学生たちにエールを送って本授業を締めくくりました。

ビジネス学部 イノベーションプログラムE 最終報告会

 イノベーションプログラムEを通じて、マーケティング能力や課題解決力、地域課題の取り組み方などを学んだ学生たち。最終報告会に向けて、グループで協力して分析や考察を繰り返した経験が、学生たちの視野をさらに広げ、考え方の幅も広げたはず。3年次の前期に開講されるチャレンジプログラムでも、連携する企業や団体の課題に、これまでに身につけた力を駆使して効果的な提案をしてくれることと思います。