追究

2023年04月27日

建築・インテリアデザイン専攻の学生がこども園のブランディングデザインを担当しました。

2023年3月19日(日)桜井こども園

建築・インテリアデザイン専攻の学生が
安城市にあるこども園のブランディングデザインを担当。
子どもたち目線で制作したデザインが、園のシンボルとしてまちを見守っていきます。

 本学の建築・インテリアデザイン専攻は企業や団体と連携して活動に取り組むことが多く、実践的な学びが特徴の一つです。間宮ゼミは学外に足を運ぶ機会が豊富で、イベント企画やブランディングなど、設計やデザインの力を駆使しながらも、建築という枠に囚われずにさまざまな経験を積んでいます。その一環として間宮ゼミの藪井瑠香さん(2022年度卒)が、2023年4月に安城市で開園する桜井こども園のブランディングデザインに挑戦しました。

 桜井こども園は間宮先生が設計に携わった施設で、藪井さんは園のロゴデザインやパンフレットの作成を担当しました。また、卒業プロジェクトとしても制作しており、2023年2月21日(火)~26日(日)に開催された「建築・インテリアデザイン専攻優秀作品展2023」にも出展しました。今回はどのような目的や思いで制作を進め、この経験を通して何を学んだかなど、藪井さんにお話を伺いました。

建築・インテリアデザイン専攻 4年
藪井瑠香さん(2022年度卒)

 デザインを考える際には、まず「桜井こども園っぽさ」が重要になると考え、園について詳しく調べたり、園長先生にヒアリングをおこなったりしました。そうして深掘りしていくことで「創造力を大切にする姿勢」「日本の心や文化を尊重する教育」「八重桜」といったキーワードを発見できました。とくに八重桜は質感や色が異なる花びらが重なり合って咲くことが特徴で、花言葉が「善良な教育」「豊かな教育」であるため、その性質や見た目、花言葉のどれもが、子どもたちが手を取り合って学んでいく桜井こども園にピッタリだと思い、コンセプトを「八重桜」にすることが決まりました。

 メインロゴは子どもたちや保護者の視点、建築とのバランス、そして園の顔になるということを意識して作成したため、彩度や質感などの調整に苦心しました。子どもたちの背伸びしたい気持ちにも寄り添うため、可愛らしさを大切にしながらも、少し大人っぽさやオシャレさを感じられるように仕上げています。園内の各部屋や駐車場などを表すピクトサインやクラスマークのデザインにも携わりました。ピクトサインは柔らかい色彩を使って、優しさとわかりやすさを重視し、クラスマークは学年によって決められたカラーを「SAKURAI」のそれぞれの文字に振り分けて、抽象的ながらも部屋や場所を象徴するデザインにしました。子どもたちが感覚的に可愛いと思えるマークができ、園の先生や見学にきた子どもたちからも良い反応をもらえたので、とても嬉しかったです。

 これまでは専攻の仲間や先生などデザインの知識を持つ人に作品を見てもらうことはありましたが、今回の取り組みでは園の方と何度もすり合わせたり、自分の案をプレゼンテーションしたりと、デザインや建築に関わっていない方に1から説明や提案をおこないました。学生のうちから専門外の方にデザインの目的や思いを伝えるという機会はあまりないと思いますので、この経験が一番自分の身になったと感じています。

 卒業後は、今回の経験を含め4年間の学びを活用しながら、間宮先生のように建築だけでなくおもしろいことに幅広く挑戦し続けていきます。そして最終的にはエリアリノベーションに携わり、名古屋をもっと良いまちにしていきたいと思っています。