追究

2023年09月13日

ビジネス学部・ビジネス研究科共催 講演会

2023年7月6日(木)星が丘キャンパス 15A教室

多摩信用金庫の方をお招きした講演会を開催。
ビジネスの真髄とは何か。地域貢献の持続可能なビジネスモデルを学びました。

 ビジネス学部では経営学、商学、会計学、経済学の4つの学問をベースに、ビジネスの現場で活用できる専門性を身につけています。企業や団体と関わる機会も多く、実践的な学びが充実しているのも本学部の特徴です。
 2023年7月6日(木)には、ビジネス学部とビジネス研究科の共催で講演会を実施。多摩信用金庫常勤理事の澁谷博之様を講師としてお迎えし、「ビジネスの真髄とは何か。課題解決に徹する金融機関こそ生き残る」をテーマに語っていただきました。

 多摩信用金庫は、東京・多摩地域を地盤とし、地域の企業や地方公共団体などと連携し、地域の課題解決や地域戦略を共同で実践している国内トップクラスの信用金庫です。澁谷様はご両親が起業されたときに多摩信用金庫にお世話になったことがきっかけで、「自分もお客様に感謝されるような仕事がしたい」と思い、多摩信用金庫に入社されました。信金の仕事は大変だったものの、数多くの挑戦をしました。その一つが、官民人財交流の一環で経済産業省に2年間派遣されたことです。政治家や官僚の方と意見交換できたため、充実した2年間になったと当時の経験を振り返りました。

 二つ目は、ヨーロッパ5カ国の視察旅行に参加したこと。訪問した国の一つであるスウェーデンでは、キャッシュレス決済の普及率が9割を超えており、ほとんどの店舗で現金が使えないことに驚いたそうです。一方、ドイツのキャッシュレス決済の利用は日本と同程度ですが、その理由について「日本やドイツは治安が良いから」と考察されました。
 最後は、大学院入学へ挑戦されたことです。コロナ禍で時間に余裕が生まれた時に、仕事に活かせる知識を学ぶため、大学院の入試にチャレンジしました。見事合格し、ご自身よりも一回り以上歳の離れた学生たちと議論を交わしたことで、新鮮な日々を送ることができたと語られました。

 その後、澁谷様のお話は、いよいよビジネスの真髄へと迫ります。まず「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会(世間)に貢献できてこそよい商売である」という「三方よし」の考え方を紹介されました。常に対等を意識し、質の高い課題解決を行うことで、地域の企業、個人、地域が繁栄し、地域の発展で信用金庫の業績も結果として繁栄していくことが、持続可能なビジネスモデルとして挙げられます。そうした課題解決の事例として、取引先企業への海外展開支援が紹介されました。輸出入決済などの外国為替業務はもちろんのこと、「海外販売を増やしたい」・「現地のパートナー企業を探したい」・「海外進出のための設備資金を借りたい」といった企業側の多様な課題にどのようにアプローチし、どのような支援を行ったのか、学生たちは、具体的な事例を通じて、「三方よし」の考え方を深く理解することができました。
 最後に学⽣たちへのメッセージとして、「今が⼀番若い」という⾔葉を送ります。「やりたいことがあったら年齢を理由に諦めたりせず、三⽇坊主でもいいのでチャレンジしてほしい」と、50代で⼤学院⼊学を決意した澁⾕様だからこその、熱いエールを学⽣たちに届けました。今回の講演会を通して挑戦することの重要性を再認識した学⽣たち。2023年8~9月には、ビジネス学部グローバルビジネス専攻の3年生5名が「Bilingual Internship Domestic」のプログラムの1つとして、多摩信用金庫本店で国際金融業務を中心としたインターンシップに挑み、金融機関で働くことを実体験します。