追究
2024年04月16日
建築・インテリアデザイン専攻 優秀作品展2024 講演会・審査会
2023年度 創造表現学部 展示会・講演会・発表会 建築学部
2024年3月9日(土)名古屋市民ギャラリー栄 第1・2展示室
建築家によるミニレクチャーと作品審査を実施。
自分の作品に関するアドバイスをいただけた貴重な機会となりました。
2024年3月5日(火)~10日(日)に、建築・インテリアデザイン専攻の1~4年生の作品を展示する「優秀作品展」が名古屋市民ギャラリー栄の第1・第2展示室で開催され、学内審査会で評価の高かった卒業プロジェクトの設計制作13点と論文3点に加え、1~3年生が取り組んだ実習課題の優秀作品19点が並びました。集合住宅や戸建住宅、公共施設、美術館、礼拝堂などの設計作品のほか、避難計画や建築デザイン思想に関する論文が展示されました。制作者のユニークな視点と社会課題に挑戦する姿勢が見受けられる作品がそろい、他大学の学生や建築に関わる社会人も興味深い様子で、学生たちの学びの成果を観賞していました。
3月9日(土)には、2022年の「デザインワークショップ」という授業で、展覧会場の監修などを担当された建築事務所「MARU。Architecture」の高野洋平氏と森田祥子氏をお招きし、ミニレクチャーと作品審査を実施していただきました。
ミニレクチャーでは、「土地や環境、人とのつながりから建築を考えることの面白さ」をテーマとして、お二人がこれまでに担当されてきた建築物をご紹介いただきました。お話のなかで「建築の設計は建物構成の提案だけではない」と語られ、「建築がいろいろなものとつながるために設計があるのではないか」と設計の意義について考察する場面もありました。最後に「皆さんの設計が今日の時代にどのように対応しているのか、その点がすごく楽しみだなと思っています」とコメントをいただき、学生の作品に期待を膨らませる様子でミニレクチャーを締めくくりました。
後半の出展作品の審査会では、はじめに一次審査として学生たちが1人ずつプレゼンテーションを実施しました。作品の背景や課題解決のポイント、こだわりなどを限られた時間でできるだけ紹介しました。高野氏と森田氏は学生たちの真剣な思いに応えるように、時間いっぱいまで意見や感想、アドバイスを届けていただきました。一次審査を終えると5作品が選出され、二次審査では、高野氏と森田氏が設計意図について追及し、学生たちはお2人の質問に回答しながら、一次審査では伝えきれなかったポイントなどを伝えました。厳正なる審査の結果、優秀作品賞1名と奨励賞2名が選ばれました。
最後に高野氏は「皆さんすごく建築に対する解像度が高く、見応えのある作品ばかりだったと思います」と、今回の作品展に関する感想を述べられました。森田氏は「建築は、町の中でどのようにあるべきかという客観的な視点と、自分がこの空間に入りこんだら、どのように光や空間を感じられるかといった主観的な視点の2つがとても大切です。心地よい空間づくりのために、これからもその2つの視点を持ってほしいと思います」と、建築に取り組む学生たちへのアドバイスを送り、本審査会を締めくくりました。
業界の第一線で活躍されている建築家から直接批評してもらえたことで、作品の改善点を発見し、さらなる成長の糧となりました。学生たちはいただいた言葉を心に刻み、より良い建築物の設計・制作ができるよう精進していくことでしょう。
学生コメント
優秀作品賞/卒業プロジェクト 設計UAD賞
建築・インテリアデザイン専攻4年
牧 嘉乃さん
「山を建てる -山的設計手法による裁判所の計画-」
牧 嘉乃さん
元々風景としての山に憧れがあり、山を活用した建築を作れないだろうかと考えていました。色々探すなかで、権威性や事務性の高い裁判所に注目しました。裁判所と山を結び付けることで、権威性を抑えて親しみを組み込ませることができるのではと考え、今回の設計を制作しました。今回優秀作品賞をいただけたことで、審査会で3年連続の受賞となりました。正直プレッシャーは大きかったですが、毎年別の建築家の方に評価していただけたことで大きな自信につながりました。
奨励賞
建築・インテリアデザイン専攻4年
杉浦瑚南さん
「湖国の風景」
今回は建築家の視点から批評していただいたことで、作品の改善点はもちろんですが、自分の強みを客観的に見つめなおせたことが、この審査会で一番良かったポイントだと思っています。これまでの自分では気付けなかった問題点を理解できたので、今回いただいたアドバイスを胸に刻んで、卒業後もさらにスキルアップできるように精進していきたいです。
奨励賞
建築・インテリアデザイン専攻2年
内田新大さん
「三軒を繋ぐ壁」
奨励賞に選んでいただけたのは嬉しかったですが、プレゼンでまだまだ言葉足らずだった点や作品自体も未完成だったこともあり、完全にはやりきれなかった部分もあったので、自分の力不足を痛感できた機会になりました。建築においては、他の事例を見たり話を聞いたりすればするほど自分の血肉になると思うので、今後もいろんな作品を見て勉強していきます。
卒業プロジェクト制作UAD賞
建築・インテリアデザイン専攻4年
門脇 妃南さん
「三谷温泉平野屋リブランディングデザイン ~豊かさの可視化~」
平野屋さんでは、何でもない時間をぼーっと過ごせたり、温泉にゆっくりと浸かれたりといったゆとりある時間を過ごすことができ、その豊かさのある体験を可視化してお客さまに伝えたいと思い、このサブタイトルをつけました。今回はパンフレットやコンセプトブックなどを作成しましたが、平野屋さんからは「パンフレットなどを見て、グラフィックデザインの重要性を理解できました。それほどすばらしかったです」と、お褒めの言葉をいただけたことが一番うれしかったです。