追究

2024年04月19日

文学部 教育学科 加藤ゼミ合宿

2024年3月14日(木)・15日(金)

小学校教員を目指す学生たちが忍者博物館や伊賀上野城、牧場などを見学。
貴重な資料閲覧や体験を通じて、文化や歴史、生活に関する考えの幅を広げました。

 文学部 教育学科の加藤ゼミは、小学校教員を目指す学生たちが多く在籍し、「生活科」や「総合的な学習(探究)の時間」を中心に研究しています。これらの科目は具体的な活動や体験を通して学ぶことが重視されます。その一方で、実体験が不足しがちな現代社会にあって、学生自身も十分な体験や経験を積んでいないことが課題となっています。そこで、加藤ゼミの学生はさまざまな活動に取り組んでいます。
 2024年3月14日(木)・15日(金)に加藤ゼミの3・4年生12人が合宿を実施。三重県伊賀市の文化施設や農業公園を訪れ、体験を通じて歴史や食に関する理解を深めました。

 初日はまず、伊賀流忍者博物館を訪問。江戸時代末期の土豪屋敷を移築した本物の忍者屋敷で、忍術関連の資料数は世界一だと言われています。学生たちは忍者に扮する職員から忍者の歴史や屋敷に仕組まれた多彩なからくりについて紹介していただき、今日まで伝承されてきたさまざまな知恵や工夫などについて学びました。

 続いて、築城の名手である藤堂高虎が建築した伊賀上野城を訪れた学生たち。武具や甲冑をはじめ、藤堂家ゆかりの品々を鑑賞しながら、城内を巡りました。その後、現存する小学校校舎としては三重県内で最古といわれる旧小田小学校を見学しました。昔の教室が再現された校舎1階では、当時の机や足踏みオルガン、石盤(紙や黒板のような書記用の媒体)が展示されており、学生たちは実際に体験。現代とは全く異なる当時の筆記具などに触れたことで、教育環境の進化を実感できたようです。

 2日目は、学生たちが宿泊した「伊賀の里モクモク手づくりファーム」の牧場で牛の乳しぼりに挑戦。力加減の調整が難しいようで苦戦している学生もいましたが、初めての乳しぼりを楽しそうに取り組んでいました。その後は、牛乳の製造工程や乳牛・肉牛の飼育、製品の流通について職員から解説していただきました。朝食として牧場で作られた牛乳やヨーグルトなどを味わった学生たちは、何気なく食べている牛肉や乳製品の生産過程を学んだことで、食への意識も変わったように見えます。

 さまざまな体験を通じて、歴史や文化、生活に関する教養を深めた学生たち。この2日間で培った、単なる情報ではない“体験を伴った知識”は、学生たちが教員になった際に、子どもたちの関心を惹く大きな武器になることでしょう。これからも加藤ゼミは学生たちの考えの幅を広げるような体験を提供していきます。