追究

2024年05月27日

ビジネス学部 大塚ゼミ×美辺株式会社 産学連携プロジェクト事前研究発表会

2024年4月11日(木)星が丘キャンパス55C

保育ビジネスを展開する美辺株式会社様と
大塚ゼミの学生がコラボレーション。
事前研究発表会では、少子化対策のアイデアを
プレゼンテーションしました。

 ビジネス学部の大塚ゼミは、マーケティングを専門的に学ぶことで、ビジネスで活躍できる人材の育成を目指しています。当ゼミが毎年取り組んでいる「産学連携プロジェクト」は、東海エリアの企業が抱える課題解決に挑戦。2024年度は保育ビジネスに携わる美辺株式会社様と協働することが決まり、4月11日(木)は、その事前発表会をおこないました。
 美辺株式会社様は保育ビジネスを展開する法人。代表の美辺香澄さんが2014年に第一子を出産し、監査法人の非常勤職員として職場復帰したものの、子どもの教育や食育面で満足のいく託児施設が少ないことに気付き、その課題解決のために起業した会社です。仕事も子育ても大人が輝きながら、その子どもたちも輝ける居場所づくりをめざし、託児所「はないと」をはじめ保育に関するさまざまなビジネスに携わっています。

 当日は事前発表会ということで、ゼミ生3チームが少子化の現状を調査し、少子化の拡大を食い止めるための独自の研究を発表しました。

チーム・MASA

 少子化に歯止めをかけるために、会社内に託児所を設けると提言したチーム・MASA。少子化が進む日本の現実を調べ、実際に子どもを育てている女性に対し、ヒアリングを実施。女性の高学歴者が増加するとともに女性の社会進出が顕著になり、子育てよりも仕事を重視するようになったことが少子化につながっていると仮説を立てました。これに対し、社内に託児所をつくる案をプレゼンテーションし、場所の確保、人材、勤務時間の3つの角度から調べたことを発表。託児所の設置により、両親は子育ての負担を軽減でき、企業はイメージアップを図れるWin-Winの関係になれると主張しました。
 この発表に対し、美辺様からは「Win-Winの関係になれるのになぜ託児所をつくらない企業が多いと思う?」という問いに学生たちは「大企業は資金力があるからできるが、中小企業は難しい」や「場所の確保や助成金の存在を知らないのではないか」などと回答しました。

チーム・ブルーベリー

 チーム・ブルーベリーは職場と託児所をつなぐ送迎サービスの展開と中高生に向けた子育て出前授業の実施を提案しました。事前に少子化について調査したところ、国は少子化対策の中でも経済的支援に重点を置いていますが、Z世代が子どもを欲しいと思わない理由が「育てる自信がない、子どもが苦手」といったお金以外を理由に挙げている人が42%もいると発表。国と実際の若者の意識がズレていると主張しました。そのため、経済面以外での問題に重点を置き、先述したアイデアを提案しました。
 美辺様はこの発表を聞き「衝撃的でした。いまの子育て世代の多くはお金がないと言っているのに、その下の世代はお金ではないと考えているとは思いもよりませんでした」と感想を述べました。

チーム・価値観

 チーム・価値観は少子化の現状調査、子育て世代へのヒアリングを通し、子どもを産まない選択をしないようにすることが最も重要であると提言。子どもを産まない選択をする要因「お金、産前・産後のサポート、不妊治療」を挙げ、これらに対して国や自治体の政策でカバーできること、勤務する企業ができること、出産をサポートする男性ができること、夫婦をバックアップする家族ができることに分けて、それぞれができる内容を発表。国や自治体に対しては、予算の増加、不妊治療については仕事と両立が難しいため、企業にワークシェアなどの導入を促し、仕事と両立できる環境を整備してもらうこと。それらの充実が結果的に産前・産後のサポートにつながると主張しました。
 このプレゼンテーションに対して美辺様は「国の支援以外にどんなお金の使い方をすればいいと思う?」といったお金に対することやワークシェアについての質問がなされました。

 3チームのプレゼンテーションが終わった後は、代表の美辺様から美辺株式会社様についての詳しい紹介をしていただきました。

 その後、各チームとディスカッションし、学生と一緒に今後はどのような内容をテーマにしたらよいかを決めていきました。美辺様から学生に向けて積極的に質問していただき、その回答を元にテーマを決定。チーム・MASAには「会社の理念に共感してもらえる人を募集する求人票の作成」。チーム・ブルーベリーは「託児所と職場をつなぐ送迎サービスや出前授業を事業化するためのアイデア出し」。チーム・価値観には「SNSなどを活用した子育ての不安を払拭するためのアイデア出し」を依頼しました。
 今後、各チームは美辺様から依頼されたテーマに基づき、課題解決のための調査・研究を進めていきます。