追究

2024年06月10日

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

2024年4月27日(土) 愛・地球博記念公園 もりの学舎 地球市民交流センター

木々や植物が持つ名前の由来を学びながら、
五感を駆使して自分流の名づけもおこないました。

 文学部 教育学科では学内の授業だけでなく、実社会で体験しながら学修できる授業が数多くあります。そのひとつが「環境教育(フィールドワーク)」。これは自然の中に身を置き、五感を使って自然の不思議さやおもしろさ実感することで、子どもたちに実体験を基にしたリアルな学びを提供できるようにすることを目的にしてします。2024年4月27日(土)は、このフィールドワークを愛・地球博記念公園 もりの学舎 地球市民交流センターでおこないました。

 快晴の空の下、集まったのは3年生を中心とした約50名の学生たち。最初にもりの学舎のスタッフ・井上さんからもりの学舎についての説明をしていただき、その後、インタープリター(自然と人をつなぐ通訳者という意)の先導のもと、2つの班に分かれて森の中に入っていきます。

 フィールドワークのテーマは「植物の名前の由来を知ろう」。すべての木々や植物には名前がありますが、普段はそれらの名前の由来まで意識して考えることは少ないでしょう。そこで今回は森に生えている木々や植物の名前の由来をあらためて知ろうというのが主旨。
 最初に紹介されたのが「百日紅(サルスベリ)」です。木の肌がツルツルになることから、猿が登れない様子をイメージして名付けられました。「メタセコイヤ」は当初「セコイヤ」に似た木の化石として発見されたのですが、後に中国で現存していることを確認。ギリシャ語の「後の、変わった」という意味を持つ「meta」を組み合わせ、メタセコイヤとなりました。インタープリターは、森を歩きながら道端の木々や植物の名前を次々と学生に紹介し、その由来を解説していきます。学生たちもなぜそのような名前になったのか興味津々の様子で耳を傾けていました。

 しばらく森の中を歩いた後、少し開けた広場に到着。ここでインタープリターから「植物に自分流の名前を付けてみましょう」と提案がありました。周辺に生えている植物などを注意深く観察し、その特徴を見つけて名前にしようというものです。学生たちは2、3人のペアをつくり、気になった植物を観察。その特徴から想起する名前を小さなボードに書いていきます。ギザギザした葉に10個ほどの穴が開いていたことから「アナアキギザギザジュウ」。葉をつまんだ感触が耳たぶに似ていることから「フクミミ」と名付けるなど、学生はユニークな名前を次々と発表していきます。インタープリターもその想像力と発想力に驚いていた様子でした。

 散策を終えて再びもりの学舎に戻ってきた学生たち。ここで両チームから出た印象的な名前を発表しあい、最後に井上さんが「五感を使って名前を付けるのは面白いもの。あらためてじっくりと観察することで、身近にある植物の特徴を再発見できたと思います」とまとめました。
 今回のフィールドワークでは、自然体験を通じて注意深く観察する大切さを学ぶことができました。今後も自然を見て、触れて、感じる環境教育を継続していきます。

学生コメント

文学部 教育学科 3年
鈴木颯悟さん、大舘諒果さん

 僕は幼い頃からインドア派でした。しかしこのような自然を触れ合う機会をいただき、苦手なことでも思い切って挑戦することで、新たな発見があることに気付かされました。これからも挑戦する気持ちを忘れないようにしたいと思います(鈴木)。
 私は鈴木くんと違って幼い頃から自然と触れ合って育ちました。フィールドワークを体験して子どもの時とは違う自然の感じ方があることを発見し、植物だけでなく、いろんなものをじっくり観察することの大切さを学びました(大舘)。