追究
2024年07月29日
CCC学生スタッフ企画「ロービジョンフットサル体験」
2024年5月23日(木)星が丘キャンパス フットサルコート
制限された視界の中でおこなうロービジョンフットサルを実施。
参加者は目の見えづらい生活を体験し、視覚障がいを持つ方への理解を深めました。
本学のコミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)では、学生たちの主体性を尊重し、ボランティア団体の紹介やイベント企画などを通して、実践的な学びを支援しています。CCC学生スタッフとして所属する学生もおり、彼らが自ら企画の立案・運営をおこない、学部や学年の枠を超えた交流をつくり出すこともあります。
その一つが2024年5月23日に実施されたCCC学生スタッフによる企画「ロービジョンフットサル体験」です。アクティビティを通して目が見えにくい方の視界を学生たちに体験してもらい、視覚障がい者への理解を深めてもらうことを目的としています。今回は留学生や名古屋市青少年交流プラザの方も参加し、楽しみながら視覚障がいについて学びました。
本企画はCCC学生スタッフ3人が主体となって進行。最初に今回の取り組みに関する説明や、自己紹介を兼ねたアイスブレイクを実施し、お互いに顔や名前を覚えた後に企画がスタートしました。
まずはフットサルコートのセンターラインを境に○と×に分け、視覚障がいに関する二択クイズを出題。参加者は、学生スタッフが製作したロービジョン体験用のゴーグルを装着しました。全盲と弱視の違いや視覚障がい者用の杖の種類、盲導犬についてなど、多様な観点からクイズが出題され、中には参加者全員が間違えてしまった難問も。1問ごとに学生スタッフがわかりやすく解説してくれるため、不正解だった問題についてもしっかりと学ぶことができたようです。
続いて、フットサルコートを活用した障害物競走を実施。ロービジョン体験用のゴーグルをかけることで視界が狭くなり、参加者の学生たちは当初、まっすぐ歩くのもひと苦労という様子でしたが、限られた視界にも徐々に慣れていったようで、コース上に設置された「値札に書かれた金額を読み取る」「自分の名前を書く」などのお題も無事にクリア。参加者はこの障害物競走を通じて「自分たちは簡単にこなせることでも、弱視などを抱える方にとっては難しいこともある」ことを実感したようです。
後半からは、いよいよロービジョンフットサルが開催。視野が制限されているため、ドリブルの途中でボールを見失ってしまったり、味方と間違えて相手チームにパスをしてしまったりと、序盤はどの参加者も苦戦していました。しかし、試合の後半に差し掛かると、両チームとも味方とうまく連携しながら積極的にシュートを狙うようになり、お互いにゴールを奪う回数も増加。相手のシュートをセーブするなどの名プレーも生まれ、白熱した試合が展開されました。
参加者全員が楽しみながらも、視界が限られていることの怖さや不便さをその身で体感できた今回の企画。参加者はこの取り組みを振り返り「今回のような視界のなかで毎日生活するのは大変だと思いました」「今後自分が弱視になる可能性もあるので、ここで体験できて良かったです」「これからは白杖をついている人に気づいたら、助けになりたいです」と、考え方や意識の変化を語りました。視覚障がい者の方の視界を経験したことで自分ごと化でき、参加者の視野が広がったことでしょう。
学生コメント
交流文化学部4年 後藤あいさん(中央)
交流文化学部 3年 山﨑日菜子さん(左)
交流文化学部 3年 石川虎南海さん(右)
今回の企画を実施したきっかけは、昨年の名古屋市主催「ボラマッチ!なごや2023」に参加したことです。その時も今回のようなロービジョン体験用のゴーグルを装着したのですが、他の人の様子も自分の足元も見えなかったので、「この視界で日常生活を送るのは怖いな」と感じました。しかし、この恐怖心は体験したからこその“気づき”だと考え、以降はそれまであまり目に留まらかった白杖をついている方にも意識が向くようになりました。ロービジョンフットサルは、体験を通して社会の見え方が少しでも変わればいいなという思いで実施したので、参加してくれた方々の意識が変わったという感想を聞いて、この企画を開催した甲斐があったと思います!