追究

2024年10月18日

ビジネス学部 真田幸光先生 特別講義

2024年9月14日(土) 星が丘キャンパス5号館5階55A教室

真田先生の熱い特別講義を、卒業生・在学生や教職員が受講。
違いを共に生き、よりよい未来をめざす思いが分かち合われました。

 国際経済論を専門とするビジネス学部教授・真田幸光先生は、1998年から26年の長きにわたり本学で教鞭を執られ、ビジネス学部長やビジネス研究科長、キャリアセンター長などを歴任されました。大学教員の職に就く以前は、銀行員として国際金融の最前線でキャリアを重ね、国内外で幅広くご活躍。その豊富な実務経験にもとづく講義は、学生のまなざしを世界へと広げ、向学心を大いに刺激しています。また、学生一人ひとりと真剣に向き合い、よりよい教育の追求に全力投球な熱いお人柄に、在学生・卒業生や教職員から厚い信頼が寄せられています。
 2024年9月末、真田先生はご退官の日を迎えられ、新たなステージへと一歩を踏み出されます。そこで9月14日(土)、真田先生の特別講義が開講されました。歴代の卒業生や在学生、教職員などが集まり、350人収容の大教室は満席となりました。講義開始前から真田先生を囲み、笑顔の輪が広がりました。

 特別講義のテーマは「混沌の世界を如何に生き抜くか? 〜頑張れ日本人、違いを共に生きよう〜」でした。語られたのは、第2の経済大国となった中国によって崩れ始めた世界基準、世界の実体経済と金融経済、国際社会で存在感を増すグローバルサウスの国々、英米・中露・グローバルサウスが対立する三つ巴の構図など、多様なトピックス。各地での紛争や世界の覇権争いなどにより混沌とする国際情勢について、真田先生が鋭い視点でわかりやすく解説し、これからの時代を生き抜くために必要なことを熱く語られた濃密な90分間でした。

 「世界はまだGlobalじゃない。それぞれ異なる国益があり、今はInternationalの状態。だから本学の理念である『違いを共に生きる』姿勢が大切です。違いを認め、相手を尊重しながら、それぞれが自分のやるべきことを果たし、『ありがとう』と言ってもらえる仕事をしてほしい」。
 「『今だけよければ』『金だけあれば』『自分だけよければ』という欲を持つリーダーが多い現代社会。一般人である私たち自身がしっかりしないと翻弄されてしまいます。今、自分が自分のことを強い人間と思うのであれば、まわりの人に優しくなろう。今、自分が自分のことを弱いと思うなら、まずは人に頼らず自分で頑張ること。その懸命な姿を見て誰かが助けてくれるけれど、自分で頑張ることで強い人間になれます」。
 「共に、世の中を良くしていこう。一人きりで抱えると重いけれど、みんなで頑張れば突破口が見えてきます。私は次世代の皆さんがもっとのびのびと発展できる『道』をつくれるよう頑張るから、皆さんも日本のため、社会のために活躍してもらえたらと思います」。
 こうした日本や世界、卒業生・在学生のよりよい未来を願う真田先生の言葉の数々が、講義を受ける一人ひとりの心に届けられました。そして、締めくくりとして真田先生が「愛知淑徳大学で皆さんと一緒に過ごせた26年間は、私にとって人生の宝物です。皆さんは、私の宝物です」とメッセージを伝えると、その思いに応えるように大きな拍手が教室を包みました。

 講義の後、質疑応答の時間が設けられ、真田先生は卒業生から続々と寄せられた質問一つひとつに笑顔で答えられました。続いて花束贈呈や記念撮影もおこなわれ、特別講義は最後まで、熱くあたたかな真田先生らしい時間となりました。

 長年、真田先生と共に教育に力を注がれたビジネス学部長 大塚英揮先生は「今のビジネス学部があるのは真田先生のお力があってこそ。何事にもパッションをもって取り組むことの大切さを学びました。『魂ある人材を育てる』という信念を守り、今後も学生たちの実践力や行動力を育てていきたいと思います」と感謝と決意の言葉を真田先生に贈られました。

 混沌の世界で私たち一人ひとりが、どう生きるか。それぞれが考えを深めた真田先生の特別講義は、受講した卒業生・在学生、教職員の心に刻まれ、よりよい未来へと向かう力になることでしょう。