追究
2024年11月27日
食健康科学部 食創造科学科 授業風景「社会と健康」
2024年9月25日(水)長久手キャンパス 134教室
イチビキ株式会社の方をゲストスピーカーとしてお招きし、
レトルト食品の開発について講演いただきました。
本学の食創造科学科は、「食品開発」を「食創造」として捉えて実践的に学び、健康社会に貢献できる人材の育成に取り組んでいます。学生たちは、食品学、栄養学、食文化、調理学、健康学、食創生の6つの領域から食品開発について多角的に学び、食に関する専門的な知識を修得していきます。
2024年9月25日(水)、「社会と健康」の授業でゲストスピーカーとしてイチビキ株式会社の研究開発部所属の西村様が登壇し、レトルト食品の開発の流れについてお話いただきました。
始めに西村様は「新商品の開発プロセスは、基本的に『現状分析』、『商品コンセプトの開発』、『新商品の開発』の順におこないます」とお話しされました。新商品を開発するにあたり、市場や顧客の状況や情報を分析し、その中で自社がどのような位置づけにあるかを考えます。他社と比べて自社に優位性のある要素を探し、それを商品開発やマーケティングの戦略に役立てるまでを「現状分析」だと教えていただきました。続いて、「コンセプト開発」とは、ターゲットとする人が商品を通じてどんな変化をするか考えるものだと説明。「コンセプトを作るのは、ビフォーアフターを明確にすることがポイント」と西村様は話します。そして、「新商品の開発」は、中身の設計と作った製品に情緒的な価値をつけることであり、より消費者に注目されるためにネーミングやパッケージ、キャッチコピーをつけているとお話しされました。
レトルト食品の開発においては、通常の商品開発の手順に加え、安全性の確認、賞味期限の設定をおこなう必要があります。また、パッケージデザインにおいても、商標や薬機法を確認し、法律に則って裏面表示もしなければなりません。西村様は、「レトルト食品を販売するのではなく、ただ配布するだけでも食品衛生法などの法律を守る必要があります」と話し、一般的なレトルト食品の「殺菌条件」は中心温度120度、4分以上の加熱が必要で、そのほか温度を一定に保ち食品の変化を確認する「恒温試験」などを例に挙げて教えていただきました。学生たちは、現場ならではの話を交えた西村様の話に聞き入っているようでした。
最後に西村様はイチビキ株式会社の味噌蔵で発見された「蔵華乳酸菌」について紹介。味噌由来の乳酸菌で、貧血の改善や免疫力の向上、便秘の予防と解消、肥満の予防などが研究によって確認されたとお話いただき、発見までに至った現場の話を聞かせていただきました。
レトルト食品の開発の流れだけでなく、乳酸菌の発見など食品研究についても知ることができた講演会。学生たちが学んだことを今後の実習で活かしてくれることを期待しています。