追究

2024年12月12日

建築・インテリアデザイン専攻 清水ゼミ マンションリノベーションプロジェクト

2024年10月16日(水)長久手キャンパス 8号棟4階 製図室

マンションのリノベーションを提案。
実測からコンセプト立案、設計、模型を用意して
プレゼンテーションをおこないました。

 本学の創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻では、「住宅」「まちづくり」「都市計画」「建築デザイン」「インテリアデザイン」といった5分野について、社会的背景や計画手法など多様かつ実践的な学びを提供しています。工学系大学と同等のカリキュラムによって一級建築士の資格取得をめざすことができるため、基礎から実社会で生きるスキルまで、一貫して学べることも特徴です。
 特に3年次から始まるゼミナールでは、多くの学生が地域の企業などとコラボレーションしてのプロジェクトをおこなっています。「建築・都市と現代社会」をテーマとする清水ゼミも、社会の中で活動することで自らのスキルを磨く機会を数多く提供しています。

 今回は清水ゼミの3年生が、マンションオーナーや施工会社の方々との連携により、名古屋市内にあるマンションのリノベーション提案にのぞみました。まず7月に、リノベーションの対象となる賃貸マンションの2部屋を見学。図面をつくるために間口などの長さを測る実測をおこない、それを現状の図面として起こすことからスタートし、さらにマンションオーナーからの要望をお聞きして、それぞれの学生がリノベーションのアイデアを考えていきます。
 学生たちはまず、個人でアイデアを考える前に、グループでマンションの立地条件を考察。駅からの距離や近隣の建物・店舗から、通勤や通学、近隣でのライフスタイルを含め、この場所で生活する人はどんな人で、何に魅力を感じるかなどを考えていきます。そこで出た一つの答えが学生や若手社会人でした。

 今日の提案者は5名の学生。それぞれ「廊下をなくてして水廻りを集約することで空間を広くとる」「押し入れをなくした代わりにクローゼットを設置する」「女性が住むことを想定して洗面スペースを広くとる」「玄関を入ってすぐに広めのウォークインクローゼットをとることで、趣味の物にあふれた動線をつくる」「家事がしやすいよう空間のつながりを意識する」といったように、それぞれのこだわったポイントを、設計図や模型とあわせてプレゼンテーションしていきました。

 これを受けたマンションオーナーや施工会社の方からは「枠を超えたアイデアばかりで、設計者が楽しんで考えている様子が伝わってくる」という言葉をいただいた一方で、「賃貸の場合はとくに費用対効果が大切。いくらの予算をかけて、いくらの家賃で、どれくらいの期間で回収するかまで考えると、オーナーに対して説得力が生まれる」「ターゲットを自分ではなく、そのマンションや部屋に合った人にすべき。そして、その人の暮らしを徹底的に想像しなければ、暮らしやすい部屋の提案はできない」「どの壁を取り除けて、どの壁を残さないといけないかなど、構造への配慮が大切」といった、現実的課題を指摘するコメントをいただきました。
 これを聞いた学生からは「条件が決まっているため難しかったが、実際の仕事に近いと思うので、とても勉強になった」「間取りを少し変えるだけで暮らし方が変わることが想像できた」「自分の住みたい家を考えてきたが、誰かが住みたい家という発想で考えたのは初めてで、とても楽しかった」といった感想を聞くことができました。

 本日の提案を受け、マンションオーナーからは「もう少し時間をかけて、今日の意見などをもとに、より良いアイデアにブラッシュアップしてほしい」と、学生のアイデアを実際のリノベーションに取り入れることに前向きなお話をお聞きすることができました。喜びの表情を隠せない学生たち。さらに工夫を重ね、次の提案へとアイデアを練る日々が始まりました。