追究

2025年02月14日

交流文化学部 地域文化12(食文化)

2024年12月2日(月)星が丘キャンパス 15B教室

フレンチの名店「リリアーヌ」の大脇シェフによる
「味覚の授業」がおこなわれました。

 12月2日(月)、交流文化学部 国際交流・観光専攻のカリキュラムの1つである「地域文化」の授業にて、ゲストスピーカーをお招きした講演がおこなわれまました。
 「地域文化」は日本を含む各国の文化や宗教、歴史などを学ぶ授業です。今回の授業は「食文化」がテーマとなっており、本学の食健康科学部 食創造科学科の野田雅子先生が授業を担当され、ご自身と親交が深く、東海エリアでご活躍の「リリアーヌ」の大脇房夫シェフに講演を依頼し、今回の機会へと繋がりました。
 レストラン「リリアーヌ」は岐阜県可児市に位置し、木曽川の雄大な景色を眺めながら、ランチやディナーを堪能できる東海屈指のフレンチレストランで、1200坪の敷地にヘリポートがあることでも有名です。これまでに数多くのメディアで紹介され、遠くから訪れるファンも珍しくありません。
 講演では、創業者である大脇シェフの経歴をお話いただきながら、リリアーヌのような名店をどのように築いてきたかを伺いました。

 大脇シェフが料理人を目指したのは、ミルクシェイクとの出会いでした。甘くて滑らかな味に感動し、その味を求めてニュージーランドへ旅立ったそうです。六本木の大使館でニュージーランドのホテルの仕事を紹介してもらったのが、今から約50年前。日本人が海外で料理を学ぶことがまだ珍しかった時代に本場の味を学び、再び日本へ戻ってきました。
 現在の地にリリアーヌを建てたとき、大脇シェフは「名古屋には作れない店を作ろう」と考えていたそうです。広大な敷地と雄大な景色はまさにその思いの表れ。お客様に「また来たい」と思ってもらえる店作りはそれだけではなく、「トイレを快適にすること」にもこだわったそう。そして肝心の料理については、「お味はどうですか?」「居心地はいかがですか?」とお客様とのコミュニケーションを大切に、リリアーヌ独自の味を作り上げてきたとお話してくださいました。

 講演の後半では、大脇シェフが各方面で活動している「味覚の授業」を実施。「味覚の授業」はフランスの文化省がファストフードに走りがちな現代社会において、子どものうちから味覚を育てようとして始まった教育です。日本でも2005年に食育基本法が公布され、子どもたちに向けた「味覚の授業」が広がっています。大脇シェフは活動の一端を担っており、この日は学生たちに対して、「甘み(砂糖)」「苦味(抹茶)」「塩味(塩)」「酸味(バルサミコ酢)」「うま味(かつお節」の5つの味(五味)を用意し、その味わいを感じてもらいました。

 学生たちがそれぞれの味を堪能する中で、大脇シェフは「うま味」は味覚が繊細な日本人が発見した味わいだと説明すると、学生たちは日本の食文化について誇りと関心を寄せていました。

 講演の最後で大脇シェフは、ご自身の経験も踏まえて学生たちに学ぶことの意義を熱弁されました。「社会に出ればたくさんの敵や試練が行く手を阻むことがあるでしょう。その中で一番手強い敵は『自分自身』です。自分に勝てる人は人生にも勝てる。みなさんは日本の宝です。勉強を嫌がらず、積極的に取り組んで、いろんな人や世界と繋がり未来を切り拓いてください」と力強くメッセージしてくださいました。