追究
2025年02月06日
創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 馬場美羽さん個展「金魚をみる展」
2024年度 展示会・講演会・発表会 建築学部(2025年4月開設)

2024年12月6日(金)~8日(日) 長者町コットンビル(名古屋市中区)
間宮ゼミとして初の個展「金魚をみる展」
アーティスト・馬場美羽さんの精神世界を垣間見ました
2024年12月6日(金)から8日(日)まで、名古屋市中区にある長者町コットンビルにて、創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミの4年生 馬場美羽さんの個展「金魚をみる展」が開催されました。
間宮先生は馬場さんがペインティングを得意としていることを知り、よい機会だから卒業制作の一環として個展を開いてみてはと打診しました。馬場さんは「こんな立派な施設を借りて個展を開くことはハードルが高いものだと思っていましたが、間宮先生の勧めがあり『やってみたい!』という気持ちに火が付きました」と話しました。
金魚のように儚さ、親しみやすさ、美しさ、グロテスクさ、といったさまざまな要素を持つ生き物に以前から関心があった馬場さんは、「金魚」を個展のテーマに選び、その交錯した魅力をインスタレーションで表現したいと思い、制作を始めました。
馬場さんは「最初はいろいろなアイデアがあふれ、自分の中でも収拾がつかない状態でした。そんなアイデアを間宮先生に相談し、先生が私の中にあるものをひとつずつ整理してくださり、描くべき要素が絞られてきました」と話しました。
会場は入口から奥へ行くにしたがって、小さな金魚から大きな金魚にサイズが変わっていくユニークな構成です。後半は壁一面に金魚が描かれ、見るものに大きなインパクトを与えました。
「絵をすべて完成させるのに約1ヶ月かかり、特にもっとも大きな金魚は描くのには3時間ほど要しました。私は絵だけでなく、空間としてもこの個展を見てほしかったので、一貫した操作、一つの操作で設計すること。それが自分の中で強く、その意識からスケールを変えること、角にRを付けて一つづきの絵を配置する、というシンプルな操作が生まれました。またアイデアを発展させてミラーシートで水中の中にいるような歪んだ世界を表現したり、床にも映りこむように工夫したりこういったところが建築・インテリア専攻で学んだことが生かされていると思っています」と馬場さんが言うとおり、この個展は作品のディテールだけでなく、空間全体としても緻密に設計されており、ふとした瞬間に私たちは金魚を見ているのか、それとも金魚から見られているのかが分からなくなる不思議な感覚に陥りました。
この個展は馬場さんの卒業制作としてよい思い出となり、後輩たちにも建築・インテリアデザイン専攻での新たな活動の可能性となったはずです。馬場さんは今後もアーティスト活動を続けて「これからも作品だけでなく、空間を意識した個展を開けたらいいなと思っています。絵という平面作品に加え、立体的な作品と融合させた個展などもおもしろいかもしれませんね」と次なる目標を語ってくれました。