追究

2025年02月04日

創造表現学部 メディアプロデュース専攻 宮田ゼミ 卒業プロジェクト展「淑々」

2024年12月21日(土)長久手キャンパス 1号棟 多目的ホール

メディアデザインで社会課題を解決へ!
宮田ゼミ 卒業プロジェクト展講評会「淑々」を開催しました。

 多様化が進むメディアの特性を理解し、社会に対して的確な情報発信ができる人材育成を目指している創造表現学部 メディアプロデュース専攻。中でも宮田ゼミでは「メディア社会とデザイン」をテーマに掲げて、地域課題の解決に向けて学外の団体や企業の方々との連携プロジェクトを進めながら、地域や社会をより豊かに快適にするためのデザイン提案に取り組んできました。
 そんな学びの集大成となる卒業制作展が、2024年12月23日(月)〜26日(木)にかけて、長久手キャンパス1号棟の多目的ホールで開催されました。
 テーマは「淑々」。ゼミ生15名による新しい発想と自由な表現による作品はポスターや冊子、ファッション、立体作品など個性豊かな作品ばかり。21日の内覧会のなかでおこなわれた各作品のプレゼンテーションでは、社会課題への着眼点や制作意図、工夫したことなどを各自が発表し、宮田先生から総評を受けました。

 デザインの表現力や完成度はもちろんのこと、注目したいのは学生たちが取り組んだ社会課題への着眼点です。犬や猫の殺処分問題や防災など現代社会が抱える課題のほかにも、若い人たちの美術館離れを解決するファッションブランドの提案や、若い世代が抱える見た目によるコンプレックスなどをテーマにした作品もあり、学生たちが、日々、感じている小さな違和感が、宮田ゼミの学びによって新たな社会課題として取り上げる問題発見能力として磨かれている様子が伝わってきました。

 さらにパソコンやスマートフォンの普及で手書きの機会が少なくなる中、手書き文字の方がパソコンで打つ文字よりも情報量が多いという点に目をつけて「書くことの価値」を表現した作品や、街中にある広告やパッケージなどの視覚情報が「もしもなかったら…」と想定して生活での変化を写真で表現した作品、グラフィックや色で表現した日記など、デザインを学んだ学生らしい作品からは、デザインがいかに私たちの生活に浸透し、影響力を与えているかを考えさせられました。
 学生たちは今回の制作を通じて、先行事例や類似のサービスがないか調べたり、対象となる年代にインタビューしたりして、社会課題をリアルに感じてきました。
 宮田先生は、社会課題を主体的視点で捉えたテーマ設定や、制作活動を通じて社会課題の解決にメディアやデザインをどう生かすのかを深く考察したプロセスを高く評価し、さらに作品の仕上がりにも一つひとつアドバイスを添えていました。

 また今回の卒業制作展は「デザイン」「受付」「会場」「広報」の4つのチームに分かれて準備をおこないました。デザインチームはチラシやポスターのデザインを担当。淑徳カラーである青を基調に優しい雰囲気を表現し、裏面の作品紹介では、表面の上品さを損なわないようにシンプルなデザインに心掛けました。会場チームは作品展示用の備品の手配や展示の配置を担当。平面作品が多いため、会場の中心に空間ができてしまうことに考慮し、小さな作品は中央の展示台に配し、立体作品を効果的に配置するなど工夫を重ねました。
 広報チームはSNSなどを活用した告知を担当。どのように発信すれば多くの人に関心を持ってもらえるか文章作成に注力しました。受付チームは他のゼミ生や学外の方々も多く訪れることから魅力あふれる4日間になるようにしたいと話してくれました。

 卒業後も、宮田ゼミで培った問題発見と解決のための発想力、デザイン力を活かして、社会で活躍することを期待しています。

代表学生コメント

創造表現学部メディアプロデュース専攻4年
大矢佳歩さん

 宮田ゼミは地域と密接に関わるゼミです。卒業制作展では、3年次から地域と連携しながら社会課題に取り組んできた経験が、それぞれの作品として表現されています。今まではチームで作品づくりに取り組んできましたが、卒業制作では自分でテーマを決めて、制作に取り組んだところが、大変でもあり面白い部分でもありました。
 またゼミ生が「デザイン」「受付」「会場」「広報」の4つチームに分かれ、卒業制作展のすべての運営に関わることで、力を合わせて完成することができたと実感しています。
 これらの経験を活かして、卒業後も社会人として課題を見つけ、自らの視点を持って解決に関われるようになりたいと思います。