追究
2025年03月19日
ビジネス学部 専攻入門ゼミ(ビジネスアカウンティング専修)

2025年1月15日(水) 星が丘キャンパス 15A教室
会計学を学ぶ1年生に向けて、
公認会計士の先生方の特別講義がおこなわれました。
愛知淑徳大学のビジネス学部 ビジネスアカウンティング専修では、簿記・会計の基礎を固め、「財務会計」「管理会計」「経営分析」や「ゼミナール」などの履修を通じて専門的かつ実践的なアカウンティングの知識や技能を修得させ、企業経営を数字で読み解く力を育てています。
2025年1月15日(水)には、ビジネスアカウンティング専修に所属する1年生を対象とした必修授業「専攻入門ゼミ」が実施され、日本公認会計士協会東海会の公認会計士4名の先生を講師としてお招きし、出張講義をおこなっていただきました。
出張講義は「役立つ会計〜学生のうちに知っておくべきこと〜」と題し、学生たちにどんな会社がいいのかという判断基準のひとつである会計の基本知識を伝えることを目的としておこなわれました。コンテンツは「基礎的内容」「経営分析」「他社比較」「ニュース等の具体例」の4つに分かれ、「基礎的内容」では有価証券報告書について具体的に解説していただきました。有価証券報告書は企業の成績表のようなもので、その会社の事業内容や財務状況などが詳しく記載されています。講師の先生は「皆さんが普段利用しているサービスを提供している会社の有価証券報告書を一度見てみてください。きっと新たな発見があるはずです」とアドバイスしてくださいました。
次に「経営分析」では、貸借対照表と安全性分析として、貸借対照表の構造を学び、会社の資金繰りがどのような状態にあるのが望ましいのかを解説していただきました。さらに実在する飲食業の2社の貸借対照表を比較し、安全性や将来性について分析。レストランや宴会などをメイン事業として経営するA社に比べ、テイクアウト主体でフランチャイズシステムによって多店舗展開を実現しているB社では、コロナの影響を受けつつもB社の方が安定的な企業活動がおこなわれていたことが示されました。貸借対照表を見るだけでもこうした安全性や将来性を図ることができることを学びました。
その次に「他社比較」として、『知られざる「儲かる会社」の分析』として、日本一稼げると言われるC社と日本一ホワイトな会社と言われるD社を比較検討しました。C社は平均年収が大企業であるトヨタ自動車の2.3倍といわれ、その秘密を紐解きました。そこには、社員1人当たりの営業利益(稼ぐ金額)がトヨタ社員の3.2倍という驚愕の事実が!そして、それほどまでに稼ぐ秘訣として、顧客も気づいていないニーズの発掘と実現や即納へのこだわりなど、並々ならぬ工夫や努力があり、社員の稼ぐ力を最大化する仕組みや組織風土を作り上げていることを示唆しました。また日本一ホワイトな会社と言われるD社においては、福利厚生や就業規則などの目的を従業員のモチベーションアップとしていることに着目。それが結果として好業績を上げることとなり、有価証券報告書を見てもほぼ無借金経営で自己資本比率も高いことから安全性も高いことが確認されました。給与や働きやすさなど、社員への還元をどこに置くかに違いはあるものの、儲かる会社にはさまざまな工夫やこだわりがあることを知りました。
最後は「ニュース等の具体例」として、「ニュース記事を理解できる会計知識」を学びました。ニュース記事を理解することは就職活動の情報収集に役立つことはもちろんのこと、社会人になってからも自分の業務を円滑に進めるために非常に役に立つとのお話があり、具体的にどのようなニュースを読むと良いのかも教えていただきました。実際に会社の業績に関するニュース記事をいくつか読み、記事に含まれた会計用語も勉強しました。
これから会計について専門的に学ぶ1年生にとって、これら4つの視点からの学びは非常に有効です。公認会計士の先生たちからは「会計に関する知識を前提して企業の情報に触れたり分析したりすると、社会のことがより深く理解できるようになります。ぜひしっかり学んでください」とエールをいただきました。