追究

2025年03月31日

文学部 国文学科 2024年度中古文学ゼミ卒業論文報告会

2025年1月31日(金) 長久手キャンパス4号棟413教室

中古文学ゼミで学ぶ4年生が、卒業論文のエッセンスを
10分間にまとめて後輩たちに発表。

 国文学科の中古文学ゼミでは『源氏物語』や『枕草子』など、平安時代の古典文学を研究しています。学生たちはそれぞれに興味を持った作品を読み込み、新たな解釈を見出しながら作品への理解や考察を深めていきます。またその一方で、自身の研究内容を論理的に発表するプレゼンテーションスキルも身につけていきます。2025年1月31日(金)には、2024年12月に提出した卒業論文の報告会を実施。卒業論文では原稿用紙50枚以上という膨大な論文をまとめた4年生の学生たちですが、今回の報告会ではそのエッセンスを10分間で伝わる資料にまとめ、聴講者として参加した同ゼミの3年生や2年生に向けて、初見でもわかりやすいように発表しました。

 発表したのは、6名の4年生。題材にした古典文学作品において、なぜそのテーマで考察しようと考えたのか、そして、考察のポイントや、新たな解釈をどのように見出したのかなど、それぞれに個性豊かで興味深い発表を展開しました。先行研究を幅広く調べながらも、掲げたテーマを独自の視点で丁寧に紐解き、考察を深めていくその発表には、作品への並々ならぬ愛情が感じられ、同じく古典文学に強い関心を持ち、研究する3年生や2年生の学生たちも熱心に聞き入ります。

 発表の後には質疑応答の時間が設けられ、「なぜこのテーマで卒業論文に取り組もうと思ったのか」「最初の見通しから、論文に取り組んでいく過程で結論に変化はあったか」「先行研究が少ないテーマで苦労はあったか」「卒業論文に取り組む中でどんなことに力を入れたか」など多くの質問が上がりました。それらの質問に対し、4年生からは率直かつ経験をふまえた具体的な回答が伝えられ、これから卒業論文に取り組んでいく後輩たちにとっては、研究の手がかりとなる貴重なアドバイスになったことでしょう。

 報告会の最後には、担当教員である外山敦子先生から、1本ずつ論文の講評があり、それぞれの努力に対するねぎらいの言葉とともに卒業論文が返却されました。さらには、「卒論で1番大事なのは問題提起です。この問題提起は他者を納得させるものでなければなりません」との言葉が学生たちに伝えられ、会が締めくくられました。

【2024年度中古文学ゼミ 卒業論文テーマ】
『伊勢物語』第二十四段再考 ―「清水」のある「岩」に「およびの血」で和歌を書きつけた意味―
『うつほ物語』源涼考 ―琴の伝承者としてー
『源氏物語』月が詠まれた和歌 ―〈すむ〉と〈くも〉から見出す新解釈―
『源氏物語』浮舟の〈しぐさ〉 ―浮舟の心中思惟と他者の理解―
『枕草子』の悲観的描写 ―意義を読み解いてー
『源氏物語』の物の怪 ―夕顔、葵、真木柱の分析―