追究
2025年10月14日
ビジネス学部 中小企業を学ぶ ②

2025年6月13日(金)、20日(金)、27日(金)星が丘キャンパス 55C教室
経営者と直接触れ合って、
会社の選び方や働き方などを伺いました。
ビジネス学部では、専門知識の修得にとどまらず、実際の現場で活かせる実践的なスキルを磨くための多様な授業を展開しています。その一つである「中小企業を学ぶ」では、愛知中小企業家同友会の協力を得て、実際に中小企業で活躍する経営者や従業員の方々を講師としてお招きし、企業のリアルな姿や学生一人ひとりが“自分にとって働くとは何か”を考える貴重な機会となっています。6月には製造業から介護業、卸売業など業界もさまざまな会社の経営者の皆様14名(6月13日 6名、20日 1名、27日 7名)愛知淑徳大学にお越しいただき、学生たちと直接、対話しました。今回は6月13日と20日の様子を紹介します。
6月13日(金)
経営者と話そう〜社会で働く意味を考えよう
講義『経営者と話そう〜社会で働く意味を考えよう』は、6月13日(金)、27日(金)の2回にわたっておこなわれ、6月13日(金)には株式会社MRT 村田直喜社長、有限会社パール金属 堀口武人社長、株式会社サンキ 安藤健一郎社長、株式会社エリアリカ 小笠原有紀社長、昭和鋼機株式会社 芝田康太人事課長、株式会社トヨコン 明石耕作社長の6名にお越しいただきました。
集まった学生たちは学年ごとに10名程度のグループに分かれ、経営者の皆さまはおひとりずつ各グループを回り、直接学生たちに会社の概要や求める人物像などお話しいただきました。経営者の皆さまは業界の魅力だけでなく、苦労や辛さなど現場のリアルも正直にお話しいただき、学生たちも興味深く耳を傾けていました。
経営者からのお話が終わると、次は学生の質問タイムに。「就職活動ではどのようにして業界研究をしたらいいですか?」といった就職活動に直結する質問から、「学生団体の幹事長を務めていますが、人がついてくるリーダーになるためにはどうしたらいいでしょうか」といった学生らしい悩みなどさまざまな質問が飛び交い、経営者の皆さまは1つひとつの質問に丁寧にお答えくださいました。
例えば、「就職活動ではどのようにして業界研究をしたらいいですか?」という質問に対しては、株式会社MRT 村田直喜社長が「その会社の事業内容をしっかり調べ、その上で少子化やAI、グローバル化など時代が急激に激変する中で、10年後もその事業が続くかどうかを考えてみるといいと思います。また、その会社が時代にあわせて変化・成長するための取り組みに積極的かどうかも業界研究の見極めるポイントだと思います」とお答えいただきました。また学生団体の幹事長を務める学生には「人は誰についていくのかというと、答えは〝自分の話を聞いてくれる人〟です。だからまずは笑顔で意見を受け入れ、相談しやすい雰囲気をつくってください。社会に出たら仲の良い人だけと仕事するわけではないので、学生時代に苦手な人ともどう付き合うかを考え、経験しておくといいと思います」と話され、学生たちは大きく頷いていました。
こうして1ターム20分間で経営者が全グループを回り、学生たちはさまざまな業界の経営者の話から働くことへの意欲を高めている様子でした。
授業の最後には、ビジネス学部の卒業生の近藤海生さんが登壇。近藤さんは現在、愛知中小企業家同友会の事務局員として勤務しており、学生たちに「2025年 愛知同友会インターンシップ」を紹介しました。自身もこのインターンシップに参加したことが愛知中小企業家同友会に入社した大きなきっかけになったと話し、就職活動の際に実際に中小企業で働くことにふれることの大切さを伝えてくれました。
学生たちは続いて6月27日(金)に行われた講義を受け、「経営者と話して、私の『中小企業で働くイメージ』はどう変わりましたか?」というテーマでレポートを提出しました。中小企業の働き方や理念を経営者から直接うかがうことで、大学卒業後の進路選択の幅を広げる一助となったはずです。
6月20日(金)
経営理念の実践とライフワークハーモニー
6月20日(金)には重機商工株式会社 代表取締役 城所真男様が来校し、地域における中小企業の役割や、生きる・働く・学ぶにおけるライフワークハーモニーの実現についてお話しくださいました。名古屋市千種区今池にある重機商工株式会社の本社は愛知県で11番目となるZEBの建物であり、省エネ、創エネを考慮した“ゼロエネルギービル”として国土交通省から認定を受けています。屋上の太陽光パネルから蓄電器に送電され、停電しても事務所機能は継続できる仕組みに。また、全館空調システムと個別分散空調が組み合わせられ、寒暖差による健康リスクを回避できるよう考えられています。
本社建物について「これからは地域に開いた場所にしていきたい」と語られた城所様は、中小企業はこれから地域がキーワードになると考えられており、その理由について「東京1局集中になると世界情勢の波に影響を受けたり、富が集中してしまったりすることへのリスク」「自然災害の被害への対応力」「限界集落や空き家問題への対策」などを挙げ、「地域のリーダーとして地域の安全・安心の確保」「災害時の連携・応援」「多様性を結集して地域の活性化を図る」「地産地消の地域循環経済の構築」「技術・文化・伝統の継承」などが中小企業の役割だと述べられ、学生たちは熱心に耳を傾けました。
また、「生きる・働く・学ぶ」のライフワークハーモニーの実現について、「一生懸命に働くことで、人生が豊かになっていく。仕事と生活の時間的バランスだけでなく、学び、働くことでより良い人生を送れるように、“働き甲斐”改革の推進を実行していきたい」とお話しされました。地域の活性化をはじめ、社員一人ひとりの人生の充実における考え方まで多角的な視点でのお話は、これから社会に出ていく学生たちの心にきっと響いたはずです。
最後に学生たちは「地域の人々の幸福度を上げるために地域の中小企業ができることは?」というレポートテーマが与えられ、レポートを書くにあたり、チームで確認しておきたいことを話し合いました。話し合いにより、「地域に向けて読み聞かせイベントなど開催されているが、地域の人からはどんな声が挙がっている?」「地域の人たちの幸福度はどのような指標で考えたらよいか」などの質問が上がりました。城所様からの回答もふまえて、より深く、地域と中小企業について考える機会となりました。