追究

2025年10月24日

あいち国際女性映画祭2025 韓国映画『済州島四・三事件ハラン』上映会

2025年9月11日(木) ウィルあいち

韓国映画の字幕翻訳にチャレンジ。
語学と歴史への理解を深める貴重な機会となりました。

 あいち国際女性映画祭は、1996年に始まった女性監督による映画の祭典です。男女共同参画社会への実現に向けて、女性を取り巻く諸問題や生き方など、さまざまなテーマを扱った作品が上映されます。今年は9月11日(木)~9月15日(月・祝)にウィルあいちとミッドランドスクエアシネマで開催され、国内外の映画22作品が上映されました。

 そのうちのひとつ、韓国映画『済州島四・三事件 ハラン』は、1948年4月3日に韓国・済州島で実際に起きた事件を題材とした作品です。南北分断を危惧した島民の武装蜂起をきっかけに、政府による「赤狩り」と称した無差別な武力鎮圧が起こり、2万5千人以上が犠牲になったとされています。幼い娘を守る母親を主人公に、済州島の女性たちの強さが描かれています。
 この作品の日本語字幕翻訳は、三重野聖愛先生の監修のもと、本学の「字幕翻訳同好会」の学生と卒業生が担当しました。翻訳には30名が携わり、それぞれが自分の技量に応じた分量を担当。限られた文字数の中で最適なセリフを表現することが字幕翻訳の難しさであり、ひらがなと漢字の使い分けやキャラクターの雰囲気が伝わるかなど、さまざまな点に注意を払いながら翻訳が進められました。

 上映を振り返って、学生からは「歴史を理解した上で翻訳することに苦労した」「自分が担当した場面が近づくにつれてドキドキした」「上映後に鼻をすする音が聞こえ、作品の想いが伝わったと確信できた」といった感想が寄せられました。
 今回の経験を通じて、韓国語の知識だけでなく、日本語表現や韓国の歴史についても理解を深めることができたことでしょう。本学では今後も、語学スキルの活用と向上の機会を提供し、学生たちの学びをサポートしていきます。

学生コメント

交流文化学部 ランゲージ専攻3年
村松夢渚さん

 映画の題材となった「済州島四・三事件」については、これまであまり知りませんでしたが、字幕翻訳を通じて学ぶことができました。具体的に描かれていながらも、映画という形式で非常に見やすく表現されていたと思います。歴史を扱った作品であるため、当時の用語の翻訳には苦労し、前後のセリフとのつながりをどう構築するか悩みました。それでも、字数制限のある中で、まとまりを意識しながら翻訳できたと思います。
 実際に上映された際には、目元を拭っている方や作品に没入している方が多く、字幕を通じて作品の魅力がしっかりと伝わったと実感でき、とても嬉しかったです。
 今回で字幕制作は2回目となりますが、このような貴重な機会を大切にし、今後さらに自分のスキルを伸ばしていきたいと思います。