追究
2026年01月26日
創造表現学部メディアプロデュース専攻「ジャーナリズム論」

2025年11月13日(木)・20日(木)長久手キャンパス 825教室
「情報弱者になるな」をテーマに講義。
デジタル時代の情報リテラシーと人生の楽しみ方について考えました。
2025年11月13日(木)・20日(木)、創造表現学部メディアプロデュース専攻の藤田良治先生が担当する授業「ジャーナリズム論」において、2週にわたりゲストスピーカーを迎えた特別講義がおこなわれました。お招きしたのは、ファイナンシャルプランナーの伊藤靖様です。伊藤様は以前、JICAのプロジェクトでアフリカを訪れた際に現地で藤田先生と出会ったことがきっかけで交流が続いており、そのご縁から今回ご登壇いただきました。



テーマは「情報弱者になるな」。1回目の講義では、そもそも“情報弱者”とはどういう状態なのかについて探究しました。伊藤様は、ショート動画やネットニュース、SNSなどアルゴリズムによって流れてくる情報は、「誰かがあなたに売りたいキーワード」である可能性があると指摘します。そのため、突然自分のタイムラインに頻繁に現れるようになった話題・ニュース・新商品といった情報は、「誰が、どんな意図で流しているのか」を考える習慣をつけ、安易に“好き”だと信じ込まない客観性を持つことが重要だと話されました。アルゴリズムによる情報は、繰り返し見ることでそれが世界のすべてであるかのように感じてしまいますが、それはあくまで「サランラップの芯から覗く世界のようなものだ」と例えます。今見えている世界だけがすべてではないと俯瞰し、ときにはデジタル情報から物理的に距離をとることも必要であると、分かりやすく説明していただきました。
次に、誰かが意図的に流すコンテンツを視聴することで時間が消費され、その“奪われた時間”が誰かの売上につながるという構図が示されました。伊藤様は、時間を消費ではなく未来の可能性を広げる“投資”として使いましょうと呼びかけます。そのうえで、信用できる情報にはお金を使い、自ら主体的に情報を取りにいくことが重要だと強調しました。具体的な手法の一つとして、新聞を“深読み”する方法を紹介。実際の新聞記事を用いながら、新聞各紙には書く側の心理があり、スタンスも異なるため、同じニュースについて書かれていても新聞によって切り口が異なること、また記事の大きさが必ずしもニュースの重要性と比例するわけではないことなどを学びました。


第2回目の講義は、前回に引き続き新聞の「深読み」からスタートしました。新聞記事の中にある違和感を探し、興味をもって読むこと、大きな数字を小さな単位に分解して自分の中に落とし込むこと、記事を定点観測して変化に目を向けることなど、深読みのポイントを提示しました。新聞各紙の一面に掲載されている名物コラムを書き写すといった活用方法にも触れました。有益な情報の取り方として、新聞の次に続いて話題にしたのが ChatGPT です。インターネット検索とは異なり、写真や文章を解釈して新しいアウトプットを生み出せるため、使いこなせば自分の欲しい情報をさまざまな観点から深掘りすることができます。そのため、ChatGPT の時代では「興味をもてる事柄を見つけること」が重要で、興味を育てること自体が財産になるといいます。講義では、ChatGPT を活用する際のプロンプトの具体例も紹介しました。友人と LINE するようなラフなやり取りに、学生たちは親しみを感じたようでした。


次の話題は「アウトプットファースト」についてでした。情報は発信する側が一番身になり、得をする側面があり、自分から情報を発信することで世界は大きく広がっていきます。お金についても同様で、利己的にならず周囲のために使うと、自然とお金が入りやすくなるといいます。さらに、お金を上手に節約する方法として「2割8割の法則」を紹介しました。住居や車など、支出の8割を占める大きな買い物を節約すれば、残り2割の細かな支出はそれほど気にせずとも節約につながります。逆に、回数の8割を占める小さな額の支出を無駄遣いすることで、満足度が高まり、大きな支出の時、冷静に節約できます。いずれにせよ、大きな支出をどう扱うかが節約のカギになるというお話でした。
最後に、自分の「好きなこと」を見つける方法として、真っ白な紙を前に一人でブレインストーミングをすることを提案しました。好きなことを見つけたら、続けるための時間をつくることが大切であり、情報弱者にならず、自分だからこそ持てる情熱や興味に時間を注ぎ、人生をより豊かに深めていこうと呼びかけていただきました。
デジタルネイティブ世代にとって、情報源を見極め、賢く情報収集する力は欠かせないもの。今回の講座は、デジタル情報との向き合い方や自分の時間の使い方を見直し、豊かな人生を送るために必要なことを考えるきっかけとなりました。講義の最後に出されたレポートのテーマは、「あなたが一生楽しめそうなこと、好きかもしれないことについて、今より楽しむための『次のステップ』を考えてください」というもの。伊藤様が趣味のギターを弾き語りする中、学生たちが熱心にレポートに向き合う姿がとても印象的でした。












