追究

2026年02月18日

2025年度学芸員課程講演会「学芸員として伝えたいこと」

2025年12月1日(月) 長久手キャンパス 11号棟1階ミニシアター

名古屋城調査研究センター副所長補佐の原史彦様をお招きし、
学芸員として大切なことを語っていただきました。

 本学では、公立図書館などで専門業務を担う司書や、博物館・美術館などで資料の収集・保管・展示・調査研究をおこなう学芸員を目指す学生のために、司書・学芸員課程を設けています。司書・学芸員課程委員会では、そうした学生に向けて、定期的にイベントや講演会を開催しています。2025年12月1日(月)には、長久手キャンパス ミニシアターにて、名古屋城調査研究センター副所長補佐 原史彦様をお招きし、「学芸員として伝えたいこと」をテーマにご講演いただきました。当日は、司書・学芸員を目指している学生をはじめ、学部・学科を問わず学内告知により集まった学生たちが聴講しました。

 原様は、今日まで伝えられてきた日本の歴史について、代表的な例を挙げながら、史実とフィクションが入り混じっていることを説明されました。そのうえで学芸員としてどのように真実性を伝えていくかが興味深くもあり、同時に難しい部分でもあると述べられました。さらに、博物館法や国内の博物館が抱える現状、日本と海外における「キュレーター」の捉え方についても言及され、原様自身が学芸員として経験してこられた波乱万丈のエピソードを交えたお話は、聴講した学生たちにとって、社会に出たてからのリアルな学芸員像を思い描く大きな手がかりとなったことでしょう。
 続いて、日本で求められる学芸員の役割についても具体的にお話しくださいました。まず1つ目に「学術研究者としての調査研究能力」、次に「作品・資料を収集・整理・保存・管理する専門技術者としての技術職務能力」、そして3つ目に「作品・資料の公開や教育(展示・教育事業)を担う教育者としての能力」を挙げられました。こうした基本的な能力を身につけるとともに、原様が最も重要だと強調されたのが「博物館学に加え、自分なりの専門分野を深めること」でした。各自が専門性を高め、それを展覧会などの博物館業務に活かすことによって、はじめて世間から“学芸員”として認められると明かされました。また、展覧会業務にあたる際の心得について、原様は「学芸員だけでなく、他の分野の仕事に就いたときにも仕事をするうえで重要」と補足しながら、以下のポイントについて述べられました。「目的をはっきりさせる」「職員による分業を心がける」「自分のペース配分を把握する(複数の事業を同時進行するため)」「心に余裕を持って業務を進める」「礼節と感謝の気持ちを忘れない」。この5つの心得は、これから社会に出ていく学生たちの心に深く響いたことでしょう。

 未来ある学生たちに向けて、原様は「これから皆さんは、何にでもなれます。だからこそ、何にでもなれる準備をしておくとよいでしょう」とアドバイスを送りました。さらに、学生時代や就職して間もない20代のうちは自分の時間が確保しやすいことから、「遊ぶことの大切さ」についても言及されました。「出かけた先で数時間空きがあれば、そのとき、その場所でしか見られない博物館や歴史的な場所を訪れてみるとよいでしょう。そして、その“遊び”の成果を自分や職場に還元したり、共有したりすることが大切です。それができれば、遊ぶことは決して無駄ではありません」と語り、学芸員としての人生を豊かにするためのヒントを伝えて講演を締めくくりました。