追究
2026年02月05日
創造表現学会主催講演会「沖縄とっておきのなんくる話」

2025年12月4日(木)長久手キャンパス ミニシアター
沖縄が抱える現実について理解を深めるとともに
創作活動における視点や思考の在り方について学びました
創造表現学部の授業を兼ねた講演会「沖縄 とっておきのなんくる話」が、2025年12月4日(木)に開催されました。当日は、作家で沖縄大学客員教授の仲村清司様、ノンフィクションライターで本学非常勤講師の藤井誠二先生をお招きし、柳井貴士先生が司会を務めながら、沖縄について語り合う会となりました。3名はいずれも沖縄文学の研究者であり、仲村様は大阪市生まれの沖縄人二世で、『本音の沖縄問題』『島猫と歩く那覇スージぐゎー』など多数の著書があります。
藤井先生は『沖縄アンダーグラウンド』、柳井先生は『戦争をめぐる戦後沖縄文学の諸相』などの著書があります。


冒頭で柳井先生は、「現代小説B」の授業で“解決不可能性”をキーワードに、文学だけでなく漫画や映画についても考えてきたこと、日本の戦後史で重要な年として1995年に注目し、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、沖縄米兵少女暴行事件をめぐる作品を考察してきたことを紹介しました。また、ゼミの合宿で沖縄を訪れ、戦争と歴史を学ぶとともに、自然に触れてリゾートとしての沖縄も満喫した経験を振り返りながら、「沖縄はさまざまな表情を持っています。それは沖縄が望んだものなのか、そうでないのか。そうした問題意識を持ちながら、話を聞いてほしいです」と学生たちに伝えました。


仲村様は、沖縄米兵少女暴行事件に対する抗議運動が沖縄本島だけでなく、本土にある沖縄人コミュニティでも展開されたことに触れ、「今も状況は変わっていません。その根本にあるのが日米地位協定です」と述べられました。さらに、「沖縄と向き合うとき、本土や米軍が何をしてきたのか、自分はどう感じるのかを想像力を働かせながら考え、その土地の価値を見出すことが第一歩です」と熱を込めて語られました。


藤井先生は、沖縄出身の芥川賞作家たちに触れながら「沖縄文学は非常に個性がある」と話されました。また、沖縄を描くことに人生を捧げてきた漫画家・新里堅進氏の半生と作品群を掲載した『ソウル・サーチン』を紹介し、「沖縄戦の異常さや、本土復帰前は沖縄への渡航にパスポートが必要だったことなど、基本的な前提として知っておいてほしい」と学生たちに伝えました。
沖縄返還後も、国土面積のわずか0.6%の土地に米軍専用基地が集中している状況が続いています。一方で、2000年前後には“沖縄ブーム”が到来しました。仲村様は「土地の価値は、外部の人によって発見されることがほとんどです。大切なのは、対話を通じて相手と仲間になり、関係性を深めていくこと。深掘りする中で必要なのは、どのような未来を築けばよいかを一緒に考えていくこと」と語られ、評論家・吉本隆明氏が『異族の論理』の中で述べた一節を読み上げました。続けて、「地図の見方を変えると、沖縄は日本の“しっぽ”ではなくアジアの交差点になる。沖縄がアジアの玄関口となる未来を共有することが重要であり、そうした思想によって世界が広がる」と話されました。


柳井先生は、「住んでいる人にとっては当たり前すぎることを、外部の人が再発見していくところに、文学の実装があるのかもしれない」と述べられました。また、返還前の沖縄を舞台にした高嶺剛監督の映画『ウンタマギルー』を挙げ、「機会があればぜひ観てください。日本映画なのに字幕がつきます。そういったところからも、創作について考える視点を学んでいただければ」と締めくくりました。
創造表現学会では、今後も外部のスピーカーを招いた講演会などを実施し、授業の枠を超えた学びを提供していきます。












