追究
2026年02月05日
エジプト国 救急救命士PEMEC研修

2025年11月19日(水)〜21日(金)長久手キャンパス 救急救命学実習室
救急救命における内因性の疾病対応(PEMEC)について、エジプトでの救急標準化教育プログラムを充実させることを目的とした「救急救命士PEMEC研修」が愛知淑徳大学長久手キャンパスで開催され、エジプトから救急医および救命救急士10名が来訪しました。長久手キャンパスで講義を受けたり、救急救命学専攻の授業や実習に参加し、日本とエジプト双方の救急救命について情報交換をおこないました。
研修は、PEMECの教育向けテキストの執筆に携わっている本学の救急救命学専攻 福岡範恭先生が中心となり、PEMEC企画運営小委員会 委員長で関西労災病院の医師・高松純平さんも来校され、2025年11月19日(水)~21日(金)の3日間おこなわれました。
11月19日(水)は、福岡先生より日本のPEMEC教育の現状や、救急救命の現場の実情についての講義がおこなわれました。また、今回の研修について、「日本のPEMEC教育のいいところを自国に持ち帰り、エジプト版のPEMECを含めた救急標準化教育体系の全体像を考えてほしい」「緊急度判定体系を組み込んだコースを設計してほしい」「指導者となり、自国でコースを開催してほしい」という目標を共有し、その後、エジプトの救急救命士たちは救急救命学専攻の2年生の授業に参加。グループにわかれて、救急活動についての流れについて話し合いました。エジプトと日本での救急活動の違いもさることながら、すでにエジプトで救急救命士として活動しているからこその経験談は、学生たちにとって興味深いものとなったようです。




11月20日(木)は午前中にPEMECの演習を実施したのち、午後は救急救命学専攻3年生と実習に参加しました。実習内容は「気管挿管の処置対応を体験する」というもの。エジプトの救急救命士と学生らが4チームにわかれ、人形を用いて救急活動の流れを体験。福岡先生からは、「言葉は通じなくても人を救いたいという思いは同じなので、ともに協力しながら活動できるはず」とのお話があり、学生たちとエジプトの救急救命士たちはスマートフォンの翻訳アプリなどでコミュニケーションをとりながら、活動していきました。
学生たちは、日本における処置対応の流れをエジプトの救急救命士らに説明。気管挿管においては経験豊富なエジプトの救急救命士の手技の素早さに、学生たちが驚く場面もありました。また、今回はインドネシアから研修に訪れている医師も参加していたことから、医師の目線からのアドバイスをもらうこともできました。エジプトの救急救命士にとっては日本の処置対応の流れを実践的に学ぶ機会となり、学生たちにとっては、経験豊富な救急救命士や医師から多くの学びが得られる時間となりました。
実習の感想について学生からは「教わることもあり、教えることもあった。立派な救急救命士になれるようがんばって勉強していきたい」「今、日本にも海外から多くの人が訪れているので、海外の人とコミュニケーションをとる体験ができてよかった」「エジプトでの救急救命活動について教えてもらったり、文化の違いを知ることができたりして興味深かった」などの声が上がり、またエジプトの救急救命士からは「とても上手に訓練できていたと感じた。エジプトではこのような立派な資器材はないけれど、いつかこういった環境下で救命活動ができるようになることを願っている。忘れていけないのは、訓練すればするほど、たくさんの人の命を救えるということ。みなさんが将来立派な救急救命士になることを願っています」とエールが送られました。




11月21日(金)には、研修の締めくくりとして、エジブトの救急救命士たちによる主要都市での救急救命の実態についてのプレゼンテーションがありました。首都カイロやアレキサンドリア、ポートサイドなど各都市での実態や教育体制、今後の課題などが発表されると日本との違いに驚く側面も。カイロではどこにでも入れるように大小あわせて77台の救急車を備えており、災害時に出動するドクターカーも配備されているそう。しかし、カイロでの緊急出動は1日1000件を超え、救急車両が不足しているとの報告には日本の先生方も驚いていました。またエジブトでは救急車両で腎臓疾患患者をクリニックへ搬送するケースもあり、ポートサイドなどの地域ではこれらは出動の負担になっているという報告もありました。さらに地域によっては大学病院まで400Kmという遠隔地もあり、ドクターヘリの必要性をひしひしと感じるシーンもありました。


こうして両国が情報交換することで国や文化、環境の違いによる救急救命のあり方を学び、お互いに視野を広げることができた貴重な機会となりました。













